じいじ

最近の癒しは、浴槽に浸かり、燃え殻さんの「全て忘れてしまうから」を読むことだ。燃え殻さんのショートエッセイのようなかたちで、たくさんの、燃え殻さんの経験やこころを、覗くことができる楽しい本。

今日読んだ中に、祖父の話が出てきた。もう亡くなってしまったみたいだが、燃え殻さんの中ではおじいさまは、色濃く生きているんだなあと感じるあたたかいお話だった。

それを読んで私も、自分のおじいちゃんのことを思い出した。わたしのおじいちゃんは、まだ健在だ。わりと近くに住んでいるけれど、コロナ禍で半年以上、会えていない。

おじいちゃんは、一言で言うと、とてもキュートな人だ。

わたしがショートパンツを履いておじいちゃんおばあちゃんに会いに行ったとき、おばあちゃんに、これ履きなさい、と長ズボンを渡された。別に寒くないのになあと渋々それを履いた。後日、おばあちゃんが、「じいじがショートパンツ履いてきたら目のやり場に困るって言ってたのよ。」と教えてくれた。照れ屋さんなのだ。

また、ユーモアにも溢れている。ハズレなしのあみだくじを自作で作ってくれたり、わたしが早く会いたいねと、9月頃に送ると、「コロナがコロっと逝ったコロナ！！！！」と返信が返ってきたり。勝てないなと思った。

そして酔うととても饒舌になる。自分の経験談をすごくおもしろく話してくれる。おもしろいから、何回も同じことを聞いてるけど、聞き飽きることなく何度でも聞ける。おじいちゃんはほんとうにすごいのだ。

さらに酔うと、変態にもなる。「昔は俺にはさ、コレがいたんだよ。」と、目を細めながら親指を立て、「あっ間違えたコレコレ。」と、小指を立てて、サチコやらなんやらがいたという話をしてくる。(多分嘘)それから、わたしと2人でエロエロ旅行へ行こうなどと言ってくる。それも全て可愛らしいと思ってしまうのは、私が孫だから？いいや、おじいちゃんがキュートだからだ。

そんなおじいちゃんに言われると、とっても嬉しい言葉がある。

美しくなったね。

可愛くなったね、でもなく、綺麗になったね、でもなく、大人っぽくなったね、でもなく、この言葉を選ぶおじいちゃんのセンスがとっても好き。

そして、酔ってない時に、少し照れ臭くこの言葉を言ってくれるのが、ほんとうにキュートなのです。

おじいちゃんに、会いたいコロあいだナ。

やはり勝てない。