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もしも私の前世がイカソーメンだったら

もしも私の前世がイカソーメンだったら


もしも私の前世がイカソーメンだったら、もっとピチピチでいられただろうに。
老いることなく、朽ちることもない、ありのまま、うまれたままの姿で。
クリアなボディ、スリムなボディ、クールなボディ。
今日も綺麗だね、美味しそうだねって甘い言葉をかけられていたんだろうな。


もしも私の前世がイカソーメンだったら、もっと人に笑顔を届けられていただろうに。
鮮魚売り場に並べられ、安い安いと主婦はウハウハ。
食卓に並べられ、わーいわーいと子供はウキウキ。
箸に挟まれ、しょうゆにポンポン、一家でチュルチュル。
美味しいね、美味しいねってニコニコ笑顔を見れたんだろうな。


もしも私の前世がイカソーメンだったら、もっと有名だったろうに。
イカソーメンってなあに?って聞く人はほとんどいないだろう。
聞くとしたら子供、それも言葉を自由に操りたての。
どこにいても私は私、どこにいても指を指してくれる人がいる。
国内で有名なら十分幸せ、オスカー女優なんて目指しちゃいないんだもの。


もしも私の前世がイカソーメンだったら、
もしも私の前世がイカソーメンだったら、
もしも私の前世がイカソーメンだったら、
もしも私の前世がイカソーメンだったら、、、

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、もっとイカしていただろうか。


、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、


気がつけば、太陽が東から西に移動していた。
お腹も冷蔵庫も空っぽ、スーパーにでも行こうか。
前世を拝みに、前世をこの歯でしっかりと嚙みしめるために。


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