元彼が結婚した話

元彼が結婚した。

その元彼っていうのは、私が初めてちゃんと"お付き合い"というのをした人で。今思えば"なぜそんなに"と思うほど好きになった人だった。

まるで世界の中心はその人でまわっていた。ほぼ全ての予定を彼優先で組み、彼の言葉に一喜一憂してはよく泣いていた。
感情をあまり表に出さない人だったから。
常に不安がつきまとっていた。

ほんとに、なんであそこまで好きになれたか不思議だ。

4年くらい付き合ったのに、遠距離になって、あっけなくダメになった。その時の私の荒れようといったら、世界が終わったかのようで。
それでも時間というものに助けられて、いつの間にか前に進んでいた。

そんな元彼が、結婚した。
別れてから数年経った時のことだった。
私もすでに、別の人と結婚していた。
もう全く感情はないのに、どことなく寂しさというか悲しさというか達成感というか、よくわからない気持ちになった。

突然だけど、私は映画「LA LA LAND」のラストがとても好きだ。なぜなら主人公の気持ちがよくわかるから。
自分は今幸せだけど、やはりどこかで、別のラストを想像してしまう。あの時彼と別れなかったら、今ここに立っていたのは私だったのかな。
なんて、仲間内で見せてもらった彼の結婚式の写真を見ながら思った。

ひまわりが好きな私のために、ひまわりの花束を買ってきてくれた、そんな元彼が、結婚した。

彼と別れて泣き続けていた私の、行き場のない気持ちや、青春が、ようやく終わった気がした。