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なんで読むのだろう

私は本を読むのが大好き。

一番近くの本屋さんが今月末で閉店なので、
できるだけそこで本を買うようにしている。
閉店にならないようにそこからたくさん
本を買っておくべきだったのかも知れないけれど
better late then never
(遅れてもやらないよりはマシ)である。

私は小説が大好き。小説しか読まない。
黒人作家(アメリカ・アフリカ・カリブ海域など)
が好きだけど、最近は日本の現代作家もよく読む。

黒人作家を読む際は、
普通におもしろくて好きだから
というのもあるけれど、
同時に確とした目的意識もある。
私の彼は黒人だから、ブラック
ヒストリー/カルチャー/コミュニティについて
様々な角度から学びたいと思っている。

日本の現代作家に関しては、
べつにこれといって
学びたい何かがあるわけではない。
ただ普通に、娯楽として消費する、に近い。

ある日ママに
「あんたは小説ばかり読んでなんにも
ならないじゃない!
もっと資格の勉強をするとか、
アカデミックな文章を読んで
良い仕事に就けるように頑張りなさい!
小説なんか読んだってなんの得にもならないのに
なんで小説ばっかり読むのよ!」
と言われた。

なるほどね〜。反抗心も怒りも何も感じなかった。
ただ本当に「私はなぜ読むのだろう?」
と考えはじめた。

いくら小説を読んだって、お金になるわけじゃない。
小説家だったら本を読んでそれを糧にして
自分の本を書いてお金を稼げるのかもしれない。
しかし私は悲しいかな小説家ではない。

このブログを今こうして書いているわけだけど、
べつに他人が楽しめるような個性的で
面白い文章が書けるわけでもない。
もちろんブログがお金になってるわけでもない。

それでも私は習慣のように、暇があれば本を読むし
一日のやるべき事が終わった後
ベッドに潜って本を読むことを楽しみにして
その日その日を過ごしていたりする。

本を読む事自体は楽しいけれど、
なんで読むかと聞かれたら分からないし、
時には「金にならないのに
何で私はこんなに本を読むんだろう」
と半ば自己嫌悪に陥りそうになっていた。

そんな時に出会ったのがこの本。
江國香織『なかなか暮れない夏の夕暮れ』だ。

本は読むために読んでいい。
楽しいから読んでいい。
現実から逃れて想像の世界で遊ぶために読んでいい。
そんなふうに思わせてくれる本だった。
そして山崎ナオコーラさんの解説もまた
それを補強するようなものだった。

あんまりネタバレするのも良くないから
詳しくは書けないけれど、
働かなくていい現代の高等遊民が
読書に耽溺して生きていくなんて、
幸せで理想的で天国のような話じゃないか。

著者の江國香織さん自身本が好きで
本に浸って生きてきたのがうかがえる、読書小説。

読書好きさんに、オススメしたい。




私は、文章を書く時、だいたい自分の経験から書きます。したがって、いただいたサポートは、今後も様々な経験をしにいくことに使わせていただきます。