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鳴り止まない拍手はまるで

日本滞在中に念願叶い
娘の憧れ、小林愛実さんのリサイタルを
母、私、娘、と母娘3代で聴いてきた。

プログラムは
シューベルトの即興曲集D935
モーツァルトの幻想曲
シューマンの子供の情景
ショパンの
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ。

すごーくワクワクしている

芸術劇場の大きなホールびっしりに
お客さんが入っている。
白いドレスを纏って颯爽と現れた愛美さんに
娘が興奮して囁いた。
かっこいー、天使みたい!

YouTubeや録音でずっと追いかけていた天才少女、
そして前回のショパンコンクールでは
神がかったプレリュードに息を呑んだ。
生演奏を聴けるなんて
「夢じゃないよね?」と何度も尋ねるほど
娘にとって憧れの存在だ。

演奏は素晴らしかった。
シューベルトの最初のアルペジオから気迫に溢れ
繊細なモーツァルト、
そしてもちろんショパンの華やかさ、
強弱の幅は只事ではない。
しかし今回とくに楽しみにしていたのは
シューマンの子供の情景だ。

愛美さんがまだ10代の頃のアルバムに収録されている。
その時は早いテンポで
完璧な演奏、という感じだったのが
ずいぶん深み、温もりのあるシューマンになっていて
とても美しかった。

舞台、そして人生の経験を積み、
天才たちの音楽の変化を楽しめるのは
なんという贅沢だろう。

アンコール二曲の後も なお鳴り止まない拍手が
素晴らしい音響のホールに響いて
まるで秋の雨音みたいだと思った。


ショパンのプレリュード全集と迷った末に
娘は子供の情景の入ったCDを選んで
サインをもらうために30分も並んだ。 

会場には他にも
小学生らしき子供達の姿も多く
クラシックのピアニストが
スターとして扱われる日本を羨ましく思った。


また増えた宝物!


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