見出し画像

Numéro 27. 星の音楽

親戚の集まるクリスマスの前日、
明日は皆にピアノを弾いてくれる?と
タチ(おばさん、私にとっては義妹)に頼まれた娘。


キャンピングカーには
いつも電子ピアノを積んでいる。
今回は庭の中の事務所に置かせてもらっていた。
えっと一瞬引き攣った顔をしたので
話をした。

この間、学校の作文で
将来の夢は
ピアノで誰かを幸せにできるピアニストになることです
と書いたって言ってたじゃない?
クリスマスにピアノを弾くって
素敵だと思うなあ

そう言うと、ああそうか、じゃあ弾くと言って
翌日、家族に囲まれて3曲弾いた。

なんて良いプレゼント!と
皆にとても喜んでもらい
赤い顔で本人も嬉しそうにしていた。


アートが人を幸せにする、
そして人を救うこともできるのを私は知っている。
今まで音楽や絵に助けられてきたことが
たくさんある。

エストニアの作曲家
ウルマス・シサスク氏の星の音楽に出会ったのは
10年以上前。

星の組曲という子供のための曲集に
谷川俊太郎氏の詩がついていて
岸田今日子氏が朗読し
舘野泉氏が演奏という豪華な録音を
聴いたのだった。

それからたくさん彼の曲を聴き、自分でも弾いた。

シサスク氏は《星の塔―ヤネダ音楽観測所》という
塔の上で星を見ながら作曲をしている

と、舘野泉氏の記事を読んだ。

その姿を想像することは、
いつも私の心を温かく癒し、いろいろな場面で
励ましてくれた。

彼のメロディとハーモニーに恋をして
ソロ、デュオでコンサートで度々弾き
ダンスとのコラボレーションもした。

この舞台の後
思い切ってfacebookで英語のメッセージを送った。

読んでもらえるかも分からなかったのに
丁寧なお返事を頂き
ビデオをシェアまでしてくださった。

うわーうわーとはしゃいでいた日から
3年も経った。

いつかエストニアに行って
ミスターシサスクにお会いしたい、
直接お礼を言いたい
と、ずっと思っていた。

それなのに先週、彼が亡くなっていたことを
数日後に知った。
12月17日、63歳の若さで
彼自身が星になってしまった‥。

私はまだ動揺している。











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?