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鎌倉のくらしは、ちょっと不便で、想像以上に、豊かだった。

一年ちょっと前、私は生まれ育った横浜市港北区から鎌倉市の長谷というまちに引越してきた。家族は、夫と息子が二人。
横浜での暮らしには、特に不自由はなかった。私の実家から車で15分弱のマンションに住み、子供がまだ小さかった(現在は小学2年生と年長さん)ときは、何かあればすぐに母が来てくれた(距離が近いせいか、逆に何か無い限りは全く来なかったと記憶している)。
マンションは500世帯近くの大きなマンションで、敷地内にはカフェがあって(めっちゃお世話になった)、キッズルームやパーティールームもあった。

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駅からは少し離れているけど、目の前はバス停、隣はスーパー。徒歩5分の複合商業施設には郵便局から各種レストランまで全てが揃っていて、すぐに成長してしまう子供の服も選びたい放題だった。
ごはんが面倒なときはエレベーターを下りれば、明るいカフェスペースでワンコインで食事ができた。ちょっと無理して買った南向き最上階の部屋からの眺めも、そんなに悪くはなかった。多分、長男の同級生だけで1クラスできるぐらいの人数がいて、そこが一番のボリュームゾーンだった。

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そんなに興味はなかったけど、たまたま近所の赤ちゃん会に参加して、私にもママ友という存在ができた。そういう付き合いは苦手と思い込んでいたけど、気の合う友人が出来たおかげで、ワンオペ孤育て暗黒時代を戦友たちとともに乗り切ることができた。(赤ちゃん会の帰り道、同じマンションと知った2人が話しかけてくれたことが全ての始まり。本当にありがとう。忘れない。忘れられるわけがない。)

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でも一つだけ、私は空気にとても敏感で、ちょっとした臭いですぐに頭痛や吐き気がするという少々(いや、かなり)やっかいな体質だった。
そのマンションがある場所は元々工業地域だったところで、今でも種別は工業地域になっている。商業施設への徒歩5分の道のりは車通りが多く、トラックも結構走っていて、いつもなるべく息をしないように歩いていた。
体調が思わしくないときは、それだけて頭が痛くなった。だから、近所にはあまり散歩に出なかった。他の人にとっては何でもないことが、私にとってはかなりの苦痛だった。

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空気以外、住む場所としての "条件" は、申し分ない。でも、「ここに、一生住むのかな。」ということはいつも引っかかっていたように思う。
そして、過ぎてみれば早いもので、長男があと数か月で小学校入学という時期がやって来た。ここで子育てをしていくイメージが、正直私には全く持てなかった。
「移るなら、今かな。」そう思った。鎌倉を選んだ経緯には色々な出来事があるけど、長くなるのでやめておく。とにかく、鎌倉にご縁があったんだと思う。

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鎌倉がちらっと候補に挙がったときは、私たちのようなごく一般的な会社員夫婦が鎌倉になんて住めるわけがない、そう思っていた。
それでも、思い立った週末、早速鎌倉にドライブに出かけた。改めて、素敵なまちだと思った。夫はロードバイクが趣味なので、湘南の海沿いをロードバイクで走れるということで、かなり乗り気になった。
そして奇跡みたいなことがいくつも重なって、今実際に住んでいる。

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私はもともとリモートワークだった。夫はというと、リモートワーク制度はあるけど、(コロナ前の当時)あまり使われていなかった。でも、通勤できない距離ではない。住んでいた東横線にはなかったグリーン車という素敵な乗り物もあるらしいということも、こちら↓で知った。そして、このnoteは鎌倉を選ぶ上で、かなり影響を受けた。(この内容、全部本当でした!)

保育園も、たまたま枠があったタイミングで、入ることができた。保育の方針も、私が理想と思い描いていたものだった。無認可なので保育料の自己負担はあるけど、ここに入れたいと思った。(因みに、認可で入れるところはほぼ無かった)
話は逸れるが、鎌倉に引っ越すことを周りに伝えたとき、女性はほぼ100%が「いいなぁ!羨ましい!私も住んでみたい!憧れる!」みたいな感じの反応だった。男性は、ほぼ「通勤大丈夫なの?」という反応だった。面白い。

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実際に住んでみて、やっぱり鎌倉には一般的に”お金持ち”と言われる人は多かった。でも、全員がそうかというと、全然そんなことはない。都内に通勤している人も結構いた。お金持ちだから鎌倉に住めるというわけではなくて、鎌倉に住もうと、決めただけの話なんだと思う(最近は移住組がすごく多い)。
もちろん、息子にはこのままいけば一緒に小学校に上がれる友達がたくさんいたし、私にも気心知れた友人が数人いた。鎌倉には、特にゆかりはなかった。でも、私には迷いはなかった。

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やっと本題に入る。そして結論から言うと、鎌倉に来て本当に良かった。慣れるまでは色々とストレスもあるだろうと想定していたけど、取り越し苦労だった。まず、旅行に行きたいという衝動が無くなった。旅行は今も好きだし行きたいけど、衝動というものがなくなった。
まぁでも半年もすれば有難さもなくなるだろうな(飽きっぽい方なので)と思っていたけど、一年以上が経過した今も、近所の散歩で幸せを感じている。夫曰く、私は優しくなったらしい。
土日は混雑を避けて、葉山の穴場海岸や、海を見渡せる山の上の公園でのんびりが定番。因みに自宅は、大仏から徒歩5分ほどの住宅街にあります。

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不便に感じた点については成瀬さんが網羅してまとめられているので、こちらに譲ります↓(3年前の内容なので、多少事情が変わっている部分もあり。)
10項目の中でも特筆すべきは、湿度の高さとゴミ捨てルールでしょうか。めちゃ細かい!あと渋滞。それから、ありえないぐらい狭い道がけっこうある。運転こわい。
あと、こちらに書いていない項目で慣れるまで少し困ったのが、スーパーの閉店時間が早いこと。子供用品を買うところもありません。(スーパーもコンビニも少ないけど、無添加の美味しいお惣菜や、美味しいスイーツ、びっくりするほと美味しい産直野菜のお店がインフラとしてあるのが鎌倉の魅力です。
鎌倉は、(特に西口側は)暗くなると道を歩いている人がほぼいなくなります。カフェの営業時間も、「日没まで」とか普通に書いてあって、はじめは衝撃を受けました(笑)

それを差し引いても、私にとっては控え目に言って最高でした。というより、私に合っていたんだと思う。唯一の(?)趣味がカフェ巡りなので、今日はどこに行こうかなとワクワクしつつ、結局いつもの店に行ったり…。
もはや私の居場所となったいつものカフェでは、たくさんの素敵なご縁があって…。(続きはこの投稿で↓実は今日いちばん書きたかったことはこれです。

このカフェを起点として、今日は素敵な出会いがいくつもあった。久々に、頭をガツンと殴られたような(上手い表現が見つからない)。
今日まさに鎌倉を旅立つ若い彼女は、最後の挨拶をしにここに来ていた。彼女が出て行った後、旅立ちの経緯をマスターが教えてくれた。素敵だった。カッコ良過ぎた。
彼女とは、前に一度挨拶をしたことがあった程度。「もっとお近づきになりたかった。」そう思いながらランチのデリを買いに帰路とは逆方面に向かったら、なんと由比ヶ浜通りの向こう側から彼女が!
「聞いたよ!素敵すぎる!頑張ってね!」とだけ伝えることが出来た。素敵な場所には、素敵な出会いがある。
だから、鎌倉が好き。

鎌倉の魅力は語りきれないぐらいあるけど、長くなってきたので今日はこの辺でやめておきます。
因みに、Instagramには鎌倉界隈のおすすめの場所をゆーるく投稿しています。鎌倉にご興味ある方はこれを見て、「鎌倉行きたい」たいという気持ちになっていただければ、嬉しいです!