山口絵理子 Eriko Yamaguchi

株式会社マザーハウスCEO兼デザイナー / ERIKO YAMAGUCHIデザイナー …

山口絵理子 Eriko Yamaguchi

株式会社マザーハウスCEO兼デザイナー / ERIKO YAMAGUCHIデザイナー / insta: erikoyamaguchi_official

マガジン

  • 米国挑戦日記

    山口絵理子の米国を舞台とする新たな挑戦を綴ったストーリー。 日本から世界へと一歩を踏み出して体験したリアルをお伝えします。

  • My Little Essay

    ファッションやデザインについて、山口絵理子が日々想うことを綴るショートエッセイ。 ファッションアイテムを通じて年齢・性別・国籍などの差異を越えた世界観を表現する「ERIKO YAMAGUCHI」(2022年9月リリース)にまつわるストーリーもお届けします。

記事一覧

交差点。

今日は42歳最後の日。 (これくらいの年になると、公言しないものなのか私にはよくわかりません笑) 今日は、日本のマネージャーのみんなとデザイナーズルーム(本社から…

NEWSWEEKからの不動産会社??

NEWSWEEKが米国で出版されて数日後、私のインスタグラムに複数のDMが届いた。 本当に色々な種類のメッセージがあったので、ここでは全部は紹介できないけれど、一つ、「え…

「手仕事のゴール」を考えるラオス旅

ラオスに来ている。 一週間の出張で、首都ビエンチャンから始まり、鉄道で3時間かけたウドムサイ県を経由して、さらに車で山道を5時間かけてルアンバパーンに今着いた。 …

世界への自己紹介。          NEWSWEEK国際版に掲載!

本のことが、一旦トーンダウンした今週、なんとBIGなニュースが飛び込んできた。 「ついに、印刷が上がりました!!」 そう言って、広報のスタッフが持ってきたのが、NEW…

米国挑戦日記のこれから

NEILさんがブックフェアを訪れ、企画書を持って回り始めてくれたらしい。 「代理人」といっても、スムーズに連絡が取れるわけではないので、期間中はなかなか反応をすぐに…

運命を決める、一枚のサマリー。

前回のミーティング時に代理人のN氏(以後Nさん)は、3月に行われるロンドンのブックフェアに行くと、Yさんから聞いていた。 それにあたり、A4一枚のサマリーをNさんが作…

出版に向けてのネクストステップ

野球界と同じで、本の産業にも、有名な代理人が何人かいるらしい。 当然Yさん自身は、代理人ではなく、過去の本のプロジェクトにおいては代理人と一緒にチームを組んで、協…

18周年を迎えるにあたって。

ついに会社が18周年になりました。 最近、業務の中でお客様のリストを見返していた時に、起業した2006年からずっと変わらず応援してくださっているみなさんの名前がたくさ…

新しいチャンスとの巡り合い??

第3回目の記事を覚えているでしょうか? そこに登場したロサンゼルスで会社を経営している関くんと、ある時ZOOM会議をしていた。 関くんとは、短期間なんだけれどなんだ…

一番伝えたいこと。

最近は海外のお客様が多く、店頭では英語での接客をしてくれていて、シンガポールや台湾の店舗では、欧米のお客様にたくさんの商品を届けてくれている。 その場合、私たち…

フラッシュバックする起業当初

キャシーさんが約1年がかりで翻訳を始めて、中盤に差し掛かってきた頃、予想外の壁にぶち当たった。 ある日、キャシーさんからメールが来たのだ。 「えりこさん、こんに…

新たな道への一歩

キャシーさんは、店内で私の著書「裸でも生きる」を手に取りつつ、店内の鞄を見渡しながら語り始めた。 「実は昔、私も国連や国際協力の現場で翻訳をする作業を多く依頼さ…

出会いの瞬間

"ついにCathyさんに会える!!" 自分から出会いを掴んだものの、いざ、お会いできるとなると、想像しただけでソワソワし、興奮していた。 数日前からなかなか眠れず、旦那…

2023終わりに。

今年もたくさんのことがあった。 ダラダラとなんの予定調和もなく、思ったことを日記みたいに書き連ねてみた。ほぼ自分の記録用。 今年は海外出張も2ヶ月に一度のペース…

突破口はどこにでもある??

ある日、代官山蔦屋で遠い未来を考えながら日記を書いていた。 私の日記はランダムで、Wordファイルもきちんと保管されてなくて、「あれこれ」というタイトルの場合が多い…

ビーチにセレブ!ロサンゼルスと鞄。

そんな漠然とした問題意識を抱えながら、今度はロサンゼルスへ向かった。 そこでは副社長の山﨑の知り合いである「関くん」と合流した。彼は現地法人を作り、15年も物流か…

交差点。

交差点。

今日は42歳最後の日。

(これくらいの年になると、公言しないものなのか私にはよくわかりません笑)

今日は、日本のマネージャーのみんなとデザイナーズルーム(本社から歩いて2分の場所にある私のアトリエ)の大きなテーブルを囲んで会議をした。

それは日常風景なんだけど、0から1を作ってきたものたちを初めて共有する会議だったからちょっと緊張していた。

実は2年近くかけて作ってきたものだった。

途上

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NEWSWEEKからの不動産会社??

NEWSWEEKからの不動産会社??

NEWSWEEKが米国で出版されて数日後、私のインスタグラムに複数のDMが届いた。

本当に色々な種類のメッセージがあったので、ここでは全部は紹介できないけれど、一つ、「え?」と驚いたメッセージがアメリカから届いた。

米国不動産最大手のSIMON PROPERTY GROUPの代表の方からだった。

そこには「NEESWEEK読みました。ウェブサイトで商品を見ました。ミニマム且つ機能的な日本の美

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「手仕事のゴール」を考えるラオス旅

「手仕事のゴール」を考えるラオス旅

ラオスに来ている。

一週間の出張で、首都ビエンチャンから始まり、鉄道で3時間かけたウドムサイ県を経由して、さらに車で山道を5時間かけてルアンバパーンに今着いた。

仕事柄、アジア各国の手織り布を見てきた私だが、ラオスの手織り布の丁寧さや柄の精密度は圧倒的だ。

もちろんここにある手仕事は手織り布だけじゃない。今日で、10社以上の工房にお邪魔した。竹や葛の素材を使った雑貨や、紙を作る工房もまた素敵

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世界への自己紹介。          NEWSWEEK国際版に掲載!

世界への自己紹介。          NEWSWEEK国際版に掲載!

本のことが、一旦トーンダウンした今週、なんとBIGなニュースが飛び込んできた。

「ついに、印刷が上がりました!!」

そう言って、広報のスタッフが持ってきたのが、NEWSWEEK国際版だ。

昨年末、私たちの会社に先方からこんなメールが届いていた。

「日本を代表するファッションブランドの一つとして、是非紹介したい。途上国の素材と職人の技術を、日本のデザインエッセンスに掛け合わせた唯一無二の存在

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米国挑戦日記のこれから

米国挑戦日記のこれから

NEILさんがブックフェアを訪れ、企画書を持って回り始めてくれたらしい。

「代理人」といっても、スムーズに連絡が取れるわけではないので、期間中はなかなか反応をすぐにもらうことはできなかった。

数日経った後に、「複数の国が興味を示してくれた」ということをYさん経由で知ることとなった。

しかし、それから1ヶ月、具体的な話が進展せずに、今に至る。

定期で行っているミーティングも、一度動きが出るま

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運命を決める、一枚のサマリー。

運命を決める、一枚のサマリー。

前回のミーティング時に代理人のN氏(以後Nさん)は、3月に行われるロンドンのブックフェアに行くと、Yさんから聞いていた。

それにあたり、A4一枚のサマリーをNさんが作ることになった。

私からも経歴や日本での出版状況や、今の事業をどうみているか、また複数の写真などの提供をした。

どんなサマリーができるのか、ちょっと緊張しながら待っていたら、ある会議の中で、Yさん経由でNさんからの指摘をもらった

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出版に向けてのネクストステップ

出版に向けてのネクストステップ

野球界と同じで、本の産業にも、有名な代理人が何人かいるらしい。
当然Yさん自身は、代理人ではなく、過去の本のプロジェクトにおいては代理人と一緒にチームを組んで、協働してきた経験があると教えてくれた。

私は過去に、講談社さんで4冊と、他の出版社から1冊出版をしているが、日本での出版実績が非常に大きな説得材料になるようだ。

「でも、印象として日本の人が読む本とアメリカで読まれる本って相当違うと思う

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18周年を迎えるにあたって。

18周年を迎えるにあたって。

ついに会社が18周年になりました。

最近、業務の中でお客様のリストを見返していた時に、起業した2006年からずっと変わらず応援してくださっているみなさんの名前がたくさんあって、お一人お一人とお店で最初に出会ったときの思い出や、ある時は会社に対するご指摘を頂いた思い出、本当にたくさんの歴史を一緒に歩いたことが頭をめぐり、「18年も一緒に歩いてくれているお客様がいること」に幸せと感動を改めて抱きまし

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新しいチャンスとの巡り合い??

新しいチャンスとの巡り合い??

第3回目の記事を覚えているでしょうか?

そこに登場したロサンゼルスで会社を経営している関くんと、ある時ZOOM会議をしていた。

関くんとは、短期間なんだけれどなんだかとても気があって、前回の記事にも書いたけれど、彼はマザーハウスにいそうな(失礼ですみません!)雰囲気で、最初から親近感が湧いた。

関くんと、彼の会社のスタッフの皆さんと、米国出張から帰国後も、隔週小売の状況だったり、展示会の機会

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一番伝えたいこと。

一番伝えたいこと。

最近は海外のお客様が多く、店頭では英語での接客をしてくれていて、シンガポールや台湾の店舗では、欧米のお客様にたくさんの商品を届けてくれている。
その場合、私たちの哲学を伝えるときに、「Creating world-wide brand from developing countries」という言葉を使っていた。
これもプロの方に依頼して起業当初から使用しているのだが、この言葉だけでは伝わりきれない

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フラッシュバックする起業当初

フラッシュバックする起業当初

キャシーさんが約1年がかりで翻訳を始めて、中盤に差し掛かってきた頃、予想外の壁にぶち当たった。

ある日、キャシーさんからメールが来たのだ。

「えりこさん、こんにちは。元気ですか?今翻訳を進めています。そこで、いくつか質問があるので答えていただけますか?」

「ああ、事実確認か」と思ったので、1時間以内に返事をした。

「早速ありがとう!」とキャシーさんから返事がきた。

しかし、2日後、再びメ

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新たな道への一歩

新たな道への一歩

キャシーさんは、店内で私の著書「裸でも生きる」を手に取りつつ、店内の鞄を見渡しながら語り始めた。

「実は昔、私も国連や国際協力の現場で翻訳をする作業を多く依頼されてきました。なので、そういった意味では、途上国の現場はよく知っています。援助やボランティアの限界を、私はこれまでも痛感していたのです。

非常に、緊張や不安を感じる時もありました。しかし、何がベストなのか、分からなかったんですね。でも、

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出会いの瞬間

出会いの瞬間

"ついにCathyさんに会える!!"

自分から出会いを掴んだものの、いざ、お会いできるとなると、想像しただけでソワソワし、興奮していた。
数日前からなかなか眠れず、旦那に「祈っててよ!!!」とわけのわからないプレッシャーをかけていた。

会える前日、Cathyさん(キャシーさん)からこんな連絡が入った。
「東京駅に16時42分に着きます。調べたら、あなたのお店がある秋葉原までは電車で4分ですね。

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2023終わりに。

2023終わりに。

今年もたくさんのことがあった。

ダラダラとなんの予定調和もなく、思ったことを日記みたいに書き連ねてみた。ほぼ自分の記録用。

今年は海外出張も2ヶ月に一度のペースで戻すことができた。家族にもとても感謝だった。

娘が三歳になったことは、母として本当に嬉しかった。

最高に可愛いのに、最近は、1歳の時の写真ばかり見てしまい、まだ男の子か女の子かわからない中性的でひょうきんな表情にくすくす思い出とと

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突破口はどこにでもある??

突破口はどこにでもある??

ある日、代官山蔦屋で遠い未来を考えながら日記を書いていた。

私の日記はランダムで、Wordファイルもきちんと保管されてなくて、「あれこれ」というタイトルの場合が多い。「あれこれ2」「あれこれ7」とかが散乱している状態だ。
でもこの整理されていない感覚が、自分としては心地よい。ゴールに向かうのではなく、ただただ浮かんできた発想を書けることがストレス発散になっているので、きちんと記録しておきたいわけ

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ビーチにセレブ!ロサンゼルスと鞄。

ビーチにセレブ!ロサンゼルスと鞄。

そんな漠然とした問題意識を抱えながら、今度はロサンゼルスへ向かった。

そこでは副社長の山﨑の知り合いである「関くん」と合流した。彼は現地法人を作り、15年も物流から日本のブランドの紹介まで現地でやっている。

「滞在期間は少ないけれど、現地の商業施設やセレクトショップなど全体感が知りたいので、2日間案内していただけますか?」という内容の依頼をした。

空港で初対面だった。

「こんにちは!」

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