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音楽家、俳優、ジャーナリスト、弁護士など多くの人が拘束された

ショッキングなことが起こった。現在滞在しているAmed(ディヤルバクル)を中心に、多くの人が拘束されたという。その中には、以前から訪ねる予定にしていた音楽団体 “ma music” のMesûd Geverや、数日後に観劇予定だった演劇に出演予定のÖzcan Ateşも含まれる。

類稀なる歌声を持つMesûd、多くのコメディ作品を製作出演して笑いを届けるÖzcanに直接会える今回の機会を楽しみにしていた。

このショッキングな事件は、ma musicを訪問したときに知った。「また起こってしまった、またやられた」これが最初に抱いた正直な感想だ。クルドの文化の担い手の口を封じるこのやり口を本当に許せない。悔しくて涙が出てくる。もちろん、彼らは何も悪いことはしていない。己の使命を真摯に、日々果たしている志高い人たちだ。彼らがいるから、クルドの芸術が高いレベルで維持され、新たに生み出されている。

ma musicのメンバー
歌や楽器のレッスンを行っている施設
レッスン室
レッスン室
幼児クラスのための施設
伝説的音楽家たち
どの部屋もカラフルでかわいい

19日後に選挙を控えている。クルド票が今回も大きく結果に影響を与える。そして選挙の前にはこのような見せしめが毎回必ず起こる。テロリストの支持者だ悪しきプロパガンダだと、毎回同じようなことを言って捕まえて恐怖心を煽り、影響力のある人の口を封じるのだ。こんな暴力に彼らは決して屈しない。それどころかもっと強くなる。

一刻も早く拘束が解かれ、帰ってきてくれることを心から願う。

午後にはWeqfa Mezopotamyaという組織の運営者の1人、Ferayと会う。今日は彼女のところでお世話になる。

Feqayと旧市街のカフェで
夕食はAmed名物モツのケバブCiger

Weqfa Mezopotamyaは法律や建築など、分野ごとに用いられるターミノロジーを整理して辞書を作ったり、クルド語の授業を行なったり、クルド語をアカデミックレベルで用いるのに不足ないものにするため標準化する仕事を行う組織だ。大学創設も視野に入れている。

組織長のOsmanが、「えりかも一緒にやろう」と言ってくれる。言語の習得度はまだまだのレベルだが、「外国人がクルド語を学び、クルド音楽の世界にいる」というアイディアは、刺激的なことだという自覚がある。何か役に立てることがあるならぜひやりたい。

Weqfa Mezopotamyaメンバー
事務所からの景色

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