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6歳のプロポーズ

目の前のひとへ、全力を出すすがたに目頭が熱くなった。

2月半ばのころ。
第二子は、卒園式で好きなひとに結婚の予約をしたいと言った。

大きな花束を贈ると返事はいいよ!ってなるかな、と相談を受ける。
わたしに問いかけるそのまなざしは本気。
真摯にこたえた。


贈り物はね、お金をかけた大きなものだけじゃないよ。
相手がどうすれば喜んでくれるかを考え、自分のできることをすべて注ぎ込む。
まずは自分のできることは何かを考えてみな。


最高の1日にするために、親子で約束をした。

じぶんでじゅんびをする。
ほかのひとにはないしょ。

好きな色、あそび、テレビ番組。
好みを知りたい。
しかし、登園すると尋ねることを忘れていた。
相手へ少しずつ確認しながら、当日のイメージをふくらませる。

お花屋さんへ行き、『むらさきいろのはなたば』を予約。ラッピングの色もじぶんで選ぶと譲らない。

花束にそえることばは、どう言えばよろこんでくれるのかなあ。
なん通りも練習した。まるでお念仏のようだ。

休園して式が挙行されるか分からないときも、

そつえんしきがなくても、いいにいく
と一貫していた。

そして、3月下旬。卒園式当日。

式が終わったあと、

けっこんしてください 
のことばと花束を贈りました。

きんちょうして、おへんじをわすれた。
だけど、これからがっこうをがんばって
○○さんをしあわせにしたい。

と決意を新たにしたようす。


ひとをしあわせにする。
その道のりは決して平坦ではない。
できないと諦めそうなときもあるだろう。

そのひとの喜びやたのしみ、満足を考えて行動する。
つづけると、おもいと行動はほんものになっていく。

素直な気持ちは、まわりを動かしていくのだ。

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