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ひとりひとりに「語りかける」

「スピーチやプレゼンの準備」をテーマに、伝え方のテクニックやちょっとしたコツをご紹介しています。今回が第7弾、『話す』と『語りかける』の違いについてです。

スピーチやプレゼンを行う場合、聞き手が数十人、数百人ということもあると思います。さらに、コロナ禍で、オンライン会議やオンラインセミナーも一般的になりましたよね。

そんななか、よくご相談を受けるのが「相手に伝わっているのか、伝わっていないのか、不安だ」ということです。特にオンラインだと、相手がカメラオフ、マイクオフで状況がよくわからないことも多く、話し手自身も「壁に向かって話す」ような感じになることも少なくないでしょう。だから、不安を感じて当たり前だと思います。

では、どうすればよいのか。

まず気をつけたいのが「漠然とおおぜいに向かって話す」のではなく、「誰かに語りかける」意識を持つことです。

なぜなら「おおぜい」というのは、あくまで「状況」であって、話を聴いているのは、そのなかの「ひとりひとり」だからです。

聞き手に自分の思いをきちんと伝えよう、理解してもらおうと思うのであれば、「おおぜい=みなさん」とひとくくりにするのではなく、「おおぜいのなかのあなた=ひとり」に言葉を届けることが必要というわけです。

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もう少し具体的にご説明すると…、
対面のスピーチやプレゼンでは、おおぜいのなかの「誰かひとり」をターゲットにその人の顔を見て話す、ということが必要になります。

そんなことは当たり前と思われるかもしれませんが、緊張感から、伏し目がちになったり、視線がきょろきょろ動いたり、誰もいない空間を見ながら話す人は案外多いのです。

そこで私は「まず、狙いを定めましょう(笑)。スタッフや知り合いなど自分を知っている人を見て、話し始めましょう」と申し上げています。知り合いは笑顔でうなずきながら聞いてくれるので、多少なりともホッとして、緊張感がほぐれるのではないかと思うからです。

では、もし、誰も知り合いがいない場合はどうするのか・・。

私自身は、眠そうにしている人、関心がなさそうな雰囲気を醸し出している人、そしてスマホを触っている人をターゲットにします。その人に向かって、心の中で「こっちを見て! 私の話を聴いて! 聞き逃すともったいないですよ!」と念を送りながら、熱く語りかけます。

そういう相手に話しかけるには、かなり強い気持ちが必要ですし、正直なところ、へこたれそうにもなりますが(笑)、基本的に、人はそれほど熱心に他人の話は聞かない、と思いましょう。

若い頃「聞き手は十歳児だと思え・・」と教えられましたが、確かに自分自身も含めて、人はそれほど一生懸命に人の話は聞かない、聞いているフリをしていることも多いのではないでしょうか?

だからこそ、聞き手に負けないような強い気持ちで話す! これ、とても大事なポイントです。

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一方、オンラインの場合は、聞き手がカメラオフにしていることも多いので、確かに難しく感じるかと思います。壁に向かって話しているような感覚になって、話し手自身もだんだんツラくなってきますよね⁈

そこで、私はパソコンのカメラの後ろや横などに、写真を貼って、その顔を見て話しかけることを意識しています。ちなみに、貼っているのは子どもが小学生の頃の写真で、小学生でもわかるように、印象に残るように・・、という意味を込めて、です(笑)。

見えない相手に話しかける、というのは最初戸惑うかもしれませんが、考えてみれば、ラジオってまさにそういう媒体なんですよね! でも、話し手がちゃんとリスナーに「語りかける」ことをすれば、その思いは伝わるし、リスナーからも反応があるんです。これは私の実体験からも断言できます‼

というわけで・・、スピーチやプレゼンは『おおぜいに向かって話す』のではなく『ひとりひとりに向かって語りかける』ということを、ぜひ覚えておいてくださいね!


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