あやふや文庫さんで見つけてもらった本の備忘録

私がまだ小学生だった頃、いわゆる「ラノベ」が流行り、友人同士で貸し借りして読んでいました。
私が「フォーチュンクエスト」や「ゴクドーくん漫遊記」を読み、「スレイヤーズ」を通るきっかけとなります。
借りた中で、ちょっと毛色の違う本が「地獄使い」でした。
西洋ファンタジーベースの話が多い中、現代日本が舞台で、主人公たちが扱う異能の力は閻魔大王由来。内容も少し重く、印象に残ったのです。

参考:地獄使い〈1 封印編〉
https://www.amazon.co.jp/dp/4044128014

角川スニーカー文庫で、一巻が1992年発行。全三巻。
地獄から逃げ出して現世に戻ってきた亡者たちと、閻魔大王の使いである鬼たちとの戦い。
……なのですが、数十年前に一度読んだきりの本なのでタイトルはもちろん内容も断片的にしか覚えておらず、しかし長い間「何ていう本だったかなぁ」と気になっていました。

ツイッターで「あやふや文庫」さんを知ったのが2019年の5月末。
タイトルが思い出せない本の内容をツイッターで拡散して知っている人を探してくれるという、まさにうろ覚えの本を探している私にぴったりの活動を始められたということで、これは依頼せねばと準備を始めました。

あやふや文庫さんツイッター
https://twitter.com/ayafuyabunko

どんな風に探しているかな、見つかっているかな、と様子を見ながら本の内容を覚えている限り文章にし、あやふや文庫さんへ送信。
直後、あまりにたくさんのあやふや本が送られてきて処理が限界だということで、受付がストップされました。間に合って良かった、セーフ。

依頼の更新ペースを逆算し、私の分は7月くらいかしらとのんびり連絡を待つことにしました。
が、7月どころか、まさか年をまたぐとは!
気になる本の記憶があやふやな人は想像以上にいたようです。

連絡を頂いたのが2020年1月16日。
文章を最終確認し、ツイッターへ投稿してもらったのが1月17日の夜。
「地獄使い」ではないですか?と返信を有志の方から頂いたのが1月18日の朝。

一晩で見つかったよ!すごいな!
数十年の間、たまに「ラノベ一覧」みたいなのを眺めたり、検索したりしても見つからなかった本が、一晩で。

地元の図書館にたまたまあったので借りてきて、間違いないことを確認してあやふや文庫さんにお礼を伝えました。
ものすごい依頼量をさばきながら、私の依頼も丁寧にやりとりしてくださって感謝しています。
回答をくださった有志の方も、本当に有難うございます。

以上が、今回あやふや文庫さんにお世話になった顛末です。
せっかくなので、どれだけ「あやふや」だったか、私が依頼した文章と実際の物語の違いを比べてみようと思います。

あやふや書庫(あやふや文庫さんHP)
https://ayafuya.work/
3775(私の依頼です)
https://ayafuya.work/3775-2/

依頼文

画像1

画像2

26〜30年前に友人に借りた文庫サイズの小説。当時小学生でしたが、もっと上の年齢向けの本だったと思います。

これ、年齢特定を防ぎたくてわざと幅をもたせたんですよね(探してもらうのに何故そういうことをするのか)(見つけていただいたので結果オーライということで……)

舞台は現代、主人公は女子高生です。

1990年半ば頃という設定なので、当時の現代ですね。
主人公は女子"中学生"でした。物語が進むと16歳になるので、合ってはいるのか……?

街の人が大勢、人ならざるもの(作中での呼び名は忘れました)に変わります。見た目はそのままで意思疎通もできますが、食事は不要で老いることもありません。

正確には、物語よりも前に、既に街の人々は大勢が人ならざるもの(作中での呼び名は「亡者」)に変わっていました。

街の人たちを変えてしまった組織(個人だったかも?)が敵です。

合っていました。東京を亡者の街にしようと企み、表向きは不動産会社を装ったり宗教団体を装ったり。
"個人だったかも?"と思ったのは多分、敵のボスが歴史上の人物でインパクトが強かったせいです。

主人公はそれを阻止する者に選ばれますが、阻止する者になっても食事不要の体になりました。

合っていました。主人公は「人鬼」になりました。食べられるけど食べなくても平気な体です。

主人公が「クラスメイトの女子たちがダイエットと言って昼ごはんを食べなかったのは、人ならざるものになったからだったんだ」と思い当たる、そんな描写があります。

一巻の後半にありました。内容的には割とこのままの描写です。

主人公の両親も人ならざるものになっており、主人公は敵に近づくために、両親に向かって「自分も食事不要の体になってしまった、心配をかけると思って言えなかった、どうしよう」と騙すシーンがあります。

正確には”両親"ではなく”母親”のみです。
"心配をかけると思って言えなかった”のではなく"母親と2年間離れている間にそういう体になってしまった"でした。

主人公にも、化物退治のエキスパートのような仲間が何人かいます。
そのうち1人は多分、いわゆるカウボーイのような服装だった気がします。

これが大変な覚え違いで笑ってしまうのですが、正確には”ルポライターを装う、アメリカ国防省から派遣されてきた研究員"で、服装は現代のものです!
アメリカ人で腕っぷしが強くて人が良い、という部分でカウボーイ姿に置き換えてしまったようです。どうも、そのようです。現代が舞台なのに何故なの私の記憶よ。ひどいな。
回答をくださった有志の方もこの点は困惑なさってました。ゴメンナサイ。

そのカウボーイが終盤、敵のボスに向かって「美味しいものも食べられない、セックスもできない、そんな体で老いずにいてなにが楽しいんだい?」といった内容を呼びかけるシーンがあります。

カウボーイではありません。ジョンすまない……。
物語終盤でもなく、二巻の後半。
そして"敵のボスに向かって”ではなく、"利用された哀れなモブの亡者に向かって"でした。
これも多分ですが、核心に迫った格好良い台詞だったせいでクライマックスのものだと勘違いしたんじゃないかなと思います。

以上です。
うろ覚えの答え合わせが出来て面白かったです。
実はまだ三巻のさわりまでしか読んでいないので、また物語全体の感想も書いてみたいですね。