『プリムス×ホリック』プレイ感想

10月のJ庭でTropetteさんが出展されていらっしゃったんですが、ちょうどその時にサークルさんと本ゲームの存在を知り、これは絶対に面白いだろうなと思い、ようやく購入してプレイできました。
普段からBLゲームを嗜んではいるんですが、BL同人ゲームは殆どプレイしたことがないんですよね。プレイしたことがあるのはTennenoujiとガチ夏ぐらいかな。


概要

攻略キャラは3人で1人1~2時間程度で攻略できるので気軽にプレイできるボリュームでしたね。ボリュームは少なめですがストーリーの内容やスチルのクオリティは高く、1000円程度で購入できてしまってよいのか少し不安になりました:-)

ストーリー

友人から貰ったセックスドラッグの、感度が上がって理性のブレーキが利かなくなるという効果を男で検証しようとする話。この主人公、真面目そうな見た目のわりに女性のことをヤれるかヤれないかで判断しているところがあり、攻略対象に対しても基本的には性的情動をきっかけに手を出しているんですよね。女性向けのゲームだと性的に惹かれる本能的な側面よりも互いの内面に惹かれていくような精神的な繋がりを前面に出す傾向があるとは思うので、欲望に忠実な主人公は見ていて結構新鮮でした。

各ルート感想※ネタバレあり

プレイ順:珀斗→紫紅→優介

珀斗
ドスケベエッチなメスお兄さん。女性に対しては恐怖心を抱いていて常に気弱なのに主人公の前では淫靡な雰囲気を醸し出すのがたまらん。控えめで清廉そうな見かけに反して性生活は乱れており、裏表のギャップの激しさに見悶えそうになりました。
不特定多数の男性と身体の関係を持っていたり、性行為をSNSに投稿したり、清潔そうな見た目に反して部屋が散らかっていたり、そういう言動や周囲の状態に彼自身の心が満たされない空虚感が顕著に現れているなと思いました。
ストーカーまがいの行動をしても主人公に拒絶されて素直に引き下がったり言いなりになって主人公に受け入れられる存在になろうと手探りな様子が彼の過去の生育環境や周囲との人間関係を物語っているようで痛ましく感じます。幸せになってほしいですね。

優介
凄く可愛い。ひねくれてはいるけど時々素直にもなるので思わず構いたくなるような可愛さと魅力があります。文武両道で性格も良好な弟に対して劣等感を抱いており、常に親や周囲の人から弟と比較されているせいで今までに誰かと信頼関係を築けなかったという印象がありました。
そういう環境で育ってきたせいか、出来の良い子でなければ愛されないという価値観とそうでない自分は誰にも選ばれないという思い込みがあり、だからこそ見ず知らずの自分を気に留めた主人公に対して余計に好意を持ったように思います。
また序盤は支配と従属の関係性が垣間見えるのですが、人に興味を持たずまともな恋愛をしてこなかった主人公と人から好まれる属性がないと愛されないと思い込んでいる優介のそれぞれの人との関わりにおける不器用さが表現されていて面白かったです。
対優介になると見過ごせない主人公の珍しい一面も見れますし、一番恋愛ゲームらしいシナリオでした。

紫紅
なんかめっちゃエロい。正直な話をするとこの子に一目惚れしたのがきっかけで本作品の購入に至ったんですよね。初めて見た瞬間絶対にケツ掘りたいって思ってた。
珀斗さんや優介のルートとは違い、紫紅も主人公も女性と関係を持つ描写があるので人によっては苦手なルートにはなりそうですね。流石に性行為真っ最中の描写はないですが女性の裸スチルはあります。私は紫紅のケツを掘れて満足しているのであまり気にならなかったです。
友人からセックスドラッグを貰うことになったきっかけを作ったのも夢の中や視界に花が散ったように見える幻覚の症状も紫紅が立てた計画が要因になっていて、その計画というのがクスリを毎日微量ずつ食事に盛り、クスリから得られる性的興奮を紫紅に対するモノと誤認させ、主人公が自主的に紫紅を恋愛対象として見るように仕向けるというものでした。珀斗や優介のルートでは最終的にはクスリを手放す方向で話が終わっているんですが、紫紅ルートだけはクスリへの依存がそのまま紫紅にシフトする形でエンディングを迎えているんですよね。本来はクスリが引き起こしている性的興奮が長い時間をかけて紫紅に結び付くように刷り込まれているので、主人公が性欲と愛情を区別できないまま紫紅に依存するという終わり方には妙に納得してしまいました。

総評

ストーリーが面白く、スチルも差分なしで60枚で大盤振る舞いで、声優さんも違和感ない演技でストレスフリーでプレイできたので個人的には大満足でした。主人公総攻めBLゲームという点でも貴重ではあるので、女性との絡みが苦手でなければオススメです。
シナリオもイラストも好みだったので、次回新作も出てくれたら嬉しいなあ…