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復讐

第三章 ここからが始まりだ

絶対成功させるぞ。
今日のために頑張ってきたんだ。
あっ、きたきた。
「お待たせ」
女性が早歩きで向かってくる。
「うん。」
僕は緊張した。
「どうしたの?スーツ着て」
「あー、えーっと、たまにはいいかなって」
「そうだね。似合ってる、カッコイイね。」
「うん、ありがとう。」
何気ない会話に懐かしく感じる日が来るとは思ってもみなかった。
もっと気持ちを伝えておけば、よかったと後悔の日々が始まった。

電話が鳴る。
「はい、中川です。」
『蜂谷歌恋さんが亡くなりました。』
僕は訳もわからずに走った。

「中川です。蜂谷歌恋は」
受付の女性がパソコンで調べ出した。
時間がかかるのか、なかなか教えてくれなかった。
イラついた僕は
「早くしろよ」
怒鳴ってしました。
「あっすみません。」
「あの、中川さんですか?」
「そうですけど、なんですか?」
僕は怒りと恐怖で潰れそうで顔がぐしゃぐしゃになっていた。
「中川さん、こちらにどうぞ」
女性に案内された。

「こちらです。」
案内されたのは硬く重い冷たい扉の前だった。
僕は静かに扉を開けた。
「嘘だろ」
泣き崩れた。
地面を這いつくばり、歌恋の元についた。
女性は顔の上に乗ってる布をとった。
「蜂谷歌恋さんで間違いないですか?」
「見たくないです。」
安らかに眠ってる顔をしていた。
「こんな顔見たくないです。」
怒りが込み上げてきた。
「何があったんですか?」
「自宅に何者かが侵入し、蜂谷さんと遭遇し、
 性的暴行を加え絞殺したと思われます。
 近所の方がガラスが割れる音に不審に思い通報し、
 警察官が向かいましたが、すでに亡くなっていました。」
「誰がこんなことしたんですか?」
「ただいま捜索中です。」

犯人は捕まらなかった。
僕は絶望していた。
警察からの連絡を何ヶ月も待ったが、音沙汰なかった。
インターホンが鳴った。
「忙しいので、」
「あの、中川さんですか?」
「そうですけど。」
「僕、蜂谷歌恋の弟の春夜です。」
「だから何?」
「姉を殺した犯人に復讐しませんか?」
「はあ」
「あの、詳しい話は何に入れてからします。」
「からかうのはやめろよ。」
「これを見てもですか?」
少年は自宅で倒れてる歌恋の写真だった。
僕は中に入れた。

「歌恋を殺した犯人を知ってるのか?さっきの写真はなんだ?」
「はい。これを見てください。」
春夜はパソコンを出し、僕に説明をした。
姉の自宅に2人組が強盗に入った。姉と遭遇し、慌てて殴り逃げた。
自宅周辺の防犯カメラに写っていた。
「この時はまだ姉は生きてました。」
「えっ」
「そして、先ほどの写真ですが、犯人が撮ったものになります。」
「犯人が撮った?」
「はい。犯人は女性が嫌がる声や顔に興奮する性癖をもっていて、
 やりながら首を絞め、逝くタイミングで殺すことに快感を覚える性犯罪者。
 死体を写真に撮って眺めるのが趣味なんです。」
「なんで君は知ってるんだ。」
「それはちょっとしたテクニックが必要です。」
「苦しかったはずなのに、僕は何も力になれなかった。」
「姉の携帯にあったある男とのやりとりです。」
『僕と付き合ってください』
 『私、婚約してるから。ごめんなさい。』
『僕と結婚しましょう』
 『できない。』
『あなたを愛している。』
『君は僕を愛している。』
「なんだこれは?僕は聞いていないぞ、こんなこと。」
「はい。姉は心配かけないよう、隠していました。」
「なんで相談してくれなかったんだよ。」
「この男が脅していたと思います。」
「脅し?」
「これを」
『僕とのことは秘密だよ。婚約者に言ったら、
 あいつの家族めちゃくちゃにするかね。約束だよ。』
『あと、僕のこと無視したら、どうなるかわかるよね』
「ふざけんなよ」
僕は怒りが湧いてきた。
「この男捕まえて警察に突き出してやる。」
「それは難しいですね。」
「えっ」
「この男、警察庁トップの息子です。
 姉の事件はなかったとことにされています。そして、
 過去に何件も同じようなレイプ事件がありましたが、
 全てなかったことになっています。」
「じゃあ、どうすればいいんだよ。」
「僕たちで復讐しましょう」
「わかった。何をすればいい?」
「僕に考えがあります。」
この男に復讐する計画を始めた。

この世の中は狂ってる。

見つけて頂きありがとうございます。
どうも、エリックです。

いよいよクライマックス?

最後の一言
チキンカツ美味しい。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
エリックでした。

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