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#コラム

答えは風の中にある|映画『アヒルと鴨のコインロッカー』

嘘はついてない。本当のことを言ってなかっただけ。 言葉にできない気持ちがあって、小説や映画にはそういう曖昧だけど見過ごしちゃいけないものがある。伊坂幸太郎さん原作、手からこぼれ落ちそうな悲しくて優しい物語の『アヒルと鴨のコインロッカー』を中村義洋監督の手で映画化された。 メインキャストはまだ10代や20代前半で、そんな危うさも役柄とぴったりはまって見所のひとつ。 言葉で表現できないことを映画に閉じ込めているのだから、それ以上必要ないかもしれないけれど、この映画のこと

この夜は世界のどこかと繋がっている|映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』

一人ぼっちの夜に、この作品を観て欲しい。 タクシードライバーとお客さんとのとりとめのない会話。なんでもない夜に、もしかしたらこんなドラマチックな物語が生まれてるかもしれない。1991年に制作されたジム・ジャームッシュ監督の『ナイト・オン・ザ・プラネット』(原題 : Night On Earth)は、5つの都市で起きるタクシーでの出来事を切り取ったオムニバスコメディ映画だ。 タクシー運転手という仕事は不思議なものだ。様々な人を運んでは降ろし、街を走り続ける。その一期一会