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すさみ町ふるさと合宿  0期生として参加の記録

すさみの美術大学(すさび)による「ふるさと合宿」から帰ってきて1週間とちょっと経った。
いま、率直に思ったことを口にすると、ポジティブな意味で、あの1週間はなんだったんだろう、という感覚。
でも行かないとわからないこと、新たなつながり、学び、気づきは小さいことがたくさんあったこと、また1週間経って戻ったようで戻ってなくて変わったことがあって。

1週間すさみ町にいた時間と、東京に帰ってきての1週間の時間の流れがなんだか全然違うような気がして、なんか書き留めておきたい気がして、年に1回くらいしか書かないnoteを書くことにしました。

まずは小さく、ということで。少しずつ「やってみる」

ふるさと合宿についてはこちら↓


参加しようと思った理由

いろいろあります。

  • 本当、めちゃくちゃ単純で、会社の退職が決まっており、有休消化期間がちょうど全ての日程と合いそうだったこと。

  • とにかく自然の中に、行ったことないところに身を置いてみたかったこと。

  • ずっと東京で生活していた自分は日本の小さな町に行ったことがなく、そこでの地域社会がどういう感じかを体験してみたかったこと。

  • デザイン的な態度を学びながら活動するってどういうことだろう、ただ「デザインする」ことの重要性は年々増しているように思い興味もあったので、その学びの一つとして周りの人とも関わりながら学んでみたいと思ったこと。

  • 正直、明確な目的はなく、行ってみて感じることを大切にしようって思っていくことを決めました。

参加するまで

最終的に参加はしたけれど、実は結構ぎりぎりまで悩みました。
漠然と興味があるなあというだけだったので、何を目的にして行こうか?
これを考え始めた時、ああなんか目的ばかりを考えているような頭になっていることに気づいてちょっと悲しくなりました。
仕事において目的志向はもちろん大事だけれど、知らない間にコスパばかり考える自分になったなと感じて。

偶然の出会いをどっかにおいてきてないかなって思って、だから飛び込みたくもなった、という気もしていて。

とはいえ、年齢を重ねて20代の頃よりは、経験してみたいこと、やることを選ぶようになった自分もいる、有休消化期間にもやりたいことはある、天秤にかけて迷っていました。

最終的には、ある友人に相談したときの言葉で、
学び直しを意識して自分もそういう体験ができるプログラム探してるとのことで、その話を聞きながら、こんなことを言われ。
「自然に触れて遊んで楽しんで気づきを得て学んで、家にいるよりは動いてる方が充実はするんじゃない?」
「何を目的にっていうよりは楽しんできたらいいんじゃない?それがつながることってあるし。実際あったし。」

そんな言葉に後押しされて、
1年の中で1週間なんてほんの少しの期間なこと、感じたポジティブなこともネガティブなことも自分の気づきとする期間にしようと思って、行こう!と決めました。

ちなみに友人が言ってたのはデンマークのフォルケホイスコーレを元にした北海道東川町に滞在するプログラム。こちらも面白そう。

あとは、すさびのみなさんがオンライン相談会を開催してくれたので、自分の中でイメージつけられるように、実際に関わる人たちに質問したり話したりしながら現実的な悩みを相談しました。

仕事はやめたあとだし、行って何もやることなかったらどうしよう
そもそもご飯とか交通手段とかってどうする?私、運転できないんですが・・みたいな現実的な小さい悩み

これは後で行ってみてわかるけど、全く問題なかった。みんなに助けられました。

すさみ町のことは正直全然知らなくて、どこにあるのかもわからなくて、
参加するまでに調べようかなって思ってたけれど、出発間際まであった仕事が忙しく全然できず。土日もぐったりしていて、宿も飛行機も取るのぎりぎりであっという間に当日を迎えました。

そんな感じで羽田から南紀白浜空港へ

参加した中で感じたこと

まずは、綺麗にまとめてしまうのがなんだかもったいない気がするのだけど
自然。海、山、そして水が綺麗な川。気候。
歩ける範囲でも全てを感じられることと、緩やかな空気感。
ずっと住んでいる町の人でも、夕日が綺麗な日は外に出て見に行くくらいの景色。
川の水の綺麗さ。蛍も見ることができました。
海辺でも見える星の数。流れ星本当久しぶりに見た。

太平洋側で海に沈む夕日が見られるところは少ないんだって
山と河のコントラストよ(語彙力…)
水がとても綺麗(琴の滝の河原)
稲積島
海岸から歩いていける範囲でも川と河
川の水綺麗やな・・

写真じゃ何も伝わらないけど、体全体で感じられる自然があって、これは久々に記憶に残る光景だなと感じたことを今でも覚えています。

私はアウトドアの活動を全くしないので、比較対象がなくわからないのですが、自然の魅力なら他の場所にもあるかもしれません。

でもこの滞在期間では、自然だけじゃなくて、そこにいる人、時間の流れ方も加わって、町のことをまずは少しでも感じられることができたのかなあと。

予定表以外のもので毎日その日に決まるものもあるし、
毎日がアドベンチャー。
参加者以外にも町の人とどんどんつながっていく、集まっていく、
すさみ町にいる人、ワーケーションで来て移住を決意した人、
参加者は普段仕事で関わることがない、武蔵野美術大学大学院のみんな。
そんな人たちの話、背景、想いをこの環境の中で聞くのは面白く、自分は何を感じるのだろう・・・何を形にしよう・・と思っていたら1週間あっという間に経ってしまいました。

海岸の綺麗さは浜掃除をしてくれる人によって成り立ってる

東京に帰ってきてから

この合宿のテーマは、ライフプロジェクトの研究、「自己探求から、小さく形にしてみる」がテーマだったけど、
正直、何もできなかったような気がしています。
ただ、まずすさみのことを知ることはできたのかなって思う。
すさみ町と、武蔵美のみんなと、すさびの皆のことを少しでも知って、まずこうやって書いてみることからかなとも思う。

武蔵美の院生の皆との関わったことによる気づきも大きかった。
最終日のリフレクションで思ったのは、みんな本当に、まず作る、実践してみる、実験してみる、で、何が起こるか試してみる、を大事にしてどんどん形にして、自分自身にも周りにも失敗を驚くほど許容している雰囲気があるということ。

私は成功のイメージがあって、想像できることを想像し尽くして、設計して、あれこれ考えながらやるタイプで、仕事でもそのやり方に頭が凝り固まっていた気がして、小さく実践するということができる頭にそもそもなっていなかったのかもな、と感じていました。

やってみてどうなるかを本当に軽く実践の場、実験の場ってあらためていいな、大事だな、またそれを許容する雰囲気や文化はもっと大事と、帰ってきてからすごく感じています。
もちろん、やっている仕事の規模や内容によってできること、できないことはあるけれど。

偶然性、セレンディピティを想定と想定外のところでどう生み出すか。それこそがデザインの力なのかもな、ってなんとなく思いました。

それから自然について。
雄大な自然、山、川を求めるだけなら、きっと日本にも同じような場所はある。
観光地として確立されているところは、おもてなしがベースだから私たちはお客さま。半年前に沖縄の離島に旅行に行った時もそうで、環境的には似ているけど観光地としてという実感が強かった。

でも今回のすさみ町での体験は違う。
企業が用意したワーケーションプログラムでもなく、一緒の目線で話してくれる人、教えてくれる人がいて、
町の暮らしと人を本当の意味で体感することができる
のは、すさみの美術大学のこのプログラムならでは?なんて思ったり。

年齢、仕事や生活も様々で、利害関係もない、その中でのびのびとやりたいと思ったことをやってみる環境がある、失敗も全然厭わず、とにかく形にするメンバーが揃ってたなと思いました。

それから、東京はなんでもある、消費して生きている感覚という話が行く前にあって、実感はなかったけれど、帰ってきてすごく思うようになったこと。
今思うと、釣りのための道具を作ったこと、河原でのキャンプでその場にあるもので焚き火の場を作ったこと、差し入れでいただいたシチュー、いただいた野菜を使ってのお昼ごはん、BBQの場に町の酒屋さんが持ってきてくれた鰹、と、ないものは作りながら、そしてもらいものや人のつながりによって助けられてた時間があったなと。

帰ってきてから、東京はなんでもあるがゆえの情報過多をあらためて感じて、なくてもいいものって意外とたくさんあるんじゃないか?と。

そんなふうに感じてる中で、
なんでもいいから小さく作り出してみようと思ってきている自分が今います。
自分の居心地の良い空間でもいいし、こうやってnoteを書くことでも。
それこそが、いまの生活でできる、みんなから学んだ、自分を充実させること、小さな生きがいを見つけることの一つかなと思っています。

最後に

このプログラムに0期生(※)として参加できたことは本当にラッキーだったなと思いました。
帰ってきてからも、すさみ町のことを気にかけている自分がいる、あの時の経験で、こういうことをやってみようの種を考える頭になっている自分がいる。

運営のすさびのみなさんと、すさみ町の人、参加した人との関わりのおかげで、本当に楽しく1週間過ごせました!
なかなか言葉にするのが難しかったけど、今できる記録として書きました。
関わってくれたみなさん、本当にありがとうございました。

※0期生と言ったのは、私は1期生ですねとすさびのそうちゃんに言ったら、いや、プロトタイプでもあるからって答えが返ってきて、じゃあ0期生だなと。勝手に0期生にしました(笑)


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