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オーバーツーリズムを感じた話

登山をしているのでいつか行ってみたかった北アルプスの立山。せっかくなら立山黒部アルペンルートの雪の大谷が見れる時期に登山をしたいと思い、行ってきました。

立山室堂(2450メートル)へは自家用車で乗り入れることはできず、富山県側の立山駅もしくは長野県側にある扇沢駅から乗り物を乗り継いで入山します。
山岳リゾートでどんな方でも山奥の室堂まで行くことができます。

私が入山した日は天候があまり良くありませんでしたが、始発便から観光客、ツアー客、バックカントリー、登山客と多くの人でごった返していました。
トップの写真は昼のごった返してる山の上の室堂駅です。

長野県側の入口である扇沢駅

山岳リゾートである上高地や夏の富士山でもかなりの混雑を感じていましたが、今回は立山で感じたオーバーツーリズムについて思うことを書こうと思います。

海外の人が多い

感覚的に8割くらいは海外の人という感じです。
日本人の私が逆に海外旅行をしてる雰囲気。

ツアーで来られてる方がかなり多くいて、時間帯を失敗するとあちこち旗を持ったガイドと数多くのツアー客がいました。
日本に魅力を感じて多くの方がいらっしゃることは良い面もある反面、これは許容範囲を超えて人が多く来すぎてる感が…。

東南アジア系の人がとにかく話し声が大きくて近くにたくさんいるとダメージをくらいます。
日本人って混雑してる場所では静かな人が多いと思うのですが、そんな周りの混雑など全く関係ない感じでした。写真を撮るのも我先に!という感じです。

日本でぬくぬく育って周りを気遣う人は完全に負ける…
そんな感じで、迷惑をかけないように気をつかってしまう私には非常につらかったです。

独特のニオイ

香水だったり体臭だったり…
人がごった返している場所では各種様々なニオイが混ざり合い気分が悪くなるレベルでした。

我が家の近所も海外の方が多く来ます。ニオイ自体はわかるし、普段はそこまで気になりません。しかし長時間にわたり混雑するととんでもなくつらいとわかりました。

満員電車に乗ってもそんなに感じないので日本人は香水で主張する人は他の国に比べて少ないのかもしれないです。
日本人のニオイには鼻が慣れてるのかも?
そういえば悪阻中におじさんのポマード(?)のにおいは死にそうになりましたが、最近はいないかも?

マナーの問題

国によってマナーや常識は変わり日本独特の暗黙の了解では全く通じないので観光地の方は大変だろうと感じました。

特にトイレの使用方法は違うので、便座の座り方や、サニタリーボックスにお尻を拭いた紙を突っ込まないように多くの注意書きが。

海外の人に限らず観光客が多く集まると常識の範囲を逸脱する人も多く現れます。

雪の大谷は落書きをしてもいいエリアもあるようなのですが、おそらく違うエリアにも折りたたみ傘や棒をつかってガリガリ雪に落書きをしていて、せっかくの景観も残念な感じでした。

そして係の人がゴミを拾っていたので気にせずその辺に捨てる人も多いのでしょう。

まだ時間外の雪の大谷入口

人が多すぎると満足度が下がる

多少の混雑は仕方ないとはいえ、人が多すぎると待ち時間も多く発生し、景観も損なわれ、マナーの悪い人も多くなり、その場所への満足度が下がるなと実感しました。

乗り物の人数制限をしてると書いてありましたが、観光バスが続々とやってきて立山黒部アルペンルートへできる限り送り込んでいる印象でした。

下山するのも乗り物に乗れる人数が限られているため、万が一地震でもあったら山の上は大混乱して危険もあるなと思います。

室堂のみくりが池温泉。
ありがたいことに温泉に入れます。

混んでいるのは一部観光地だけ

立山黒部アルペンルート扇沢駅の麓の信濃大町付近は、立山の混雑具合とは違いところどころお店がやっていそうな雰囲気はあるものの閑散とした印象です。

麓にも調べたら良いお店も多いのでは?と思います。
私が入った飲み屋は地元の予約客が多く、食べ物も美味しく、店員の感じも良くて忙しいのに次のお酒や食べ物を絶妙なタイミングで勧めてくる素敵なお店でした。(Googleマップで高評価のお店)

信濃大町駅前の商店街
(土曜日の夕方)

今回は駅の近くのデリシアというスーパーに初めて入りました。全国チェーンではない一部地域のスーパーも東京にないものが置いてあり面白いと思うし、そこにしかないような小さな商店やお店も入ると面白いんですけどね。

一部の観光地だけに観光客が集中していて、すぐ近くにも良いところがあるのに残念だなと思います。

値上げ、入山料、観光税など対策が必要

立山室堂周辺は2000メートル以上の山の上なのに下水道や電気が完備されています。
水洗トイレ、便座はあたたかい、水も使用制限なし等、一部観光地の山を除いてそんなところはないと思います。
インフラ維持にかかるコストも下界よりかなり多額になるはずです。

また多くの観光客が訪れることによりゴミが増える、物が壊れる確率も上がる、トイレの消耗品や清掃など維持管理にもお金がたくさんかかります。

乗り物やお土産屋、飲食店、ホテルなど地元の方へお金を落としてもらうことは元より、人が来ることによる維持管理の費用を別に徴収していかないといけない段階じゃないかなと感じました。


来月に行く予定のイタリアでは私が訪れた25年前は無料や予約不要で入れた施設は、有料&予約入替制などに変わっていました。

もう少し値上げをしたり予約制にして人数を制限しないと、働く人も疲弊し、訪れた人の満足度も下がり、環境は壊れ、維持管理にも多くのお金が必要になり、誰得なのかわからない状況になるのではないかと肌身で感じました。

私も観光客ですが、日本の良いところが壊れないように対策を急いでほしいなとつくづく感じます。

立山はとても素敵なところです。
現地が疲弊しないようにもっとよくなるといいなと切に思いました。

ロープウェイ黒部平駅からの景色

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