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「夏祭り」

翔太は毎年、夏になるとおばあちゃんと一緒に夏祭りに行っていました。

夜空に花火が上がり、その美しい光が広がる瞬間を見上げながら、翔太は幸せを感じていました。

おばあちゃんと手を繋いで、屋台を巡るのが楽しみでした。

金魚すくい、綿菓子、リンゴあめ、たこ焼き…。たくさんの屋台が並ぶ会場は、子どもたちの笑顔でいっぱいでした。

しかし、おばあちゃんが亡くなってからは、夏祭りに行くことはなくなりました。

翔太は夏祭りの甘い綿菓子を食べることも、花火を見上げることもできなくなりました。

おばあちゃんとの思い出が、夏祭りと共に遠くに消えていったように感じられました。

ある日、翔太はおばあちゃんの写真を見つけました。

彼女は笑顔で夏祭りの屋台の前に立っていました。その写真を見て、翔太は再び夏祭りに行く決心をしました。おばあちゃんの思い出を胸に、彼は夏祭りの会場へ向かったのです。

夜空に花火が上がり、綺麗な光が広がります。翔太はおばあちゃんと手を繋いで、屋台を巡りました。

そして、綿菓子を舐める瞬間の甘さを感じました。おばあちゃんはそばにいないけれど、彼女の思い出は今も心の中にあるのです。

おしまい

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