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「子供産まなくてよかったです、マジで」について

ある日ツイッターのタイムラインに現れた「子供産まなくてよかったです、マジで」というはてなブログの記事。何度かスルーしたけれど、何度目かで気になったので読んだ。それで自分が思ったことをつれづれに記録してみようと思う。

わたしは不妊治療クリニック通院を経て妊娠、来月には出産する予定。だから書き手の人とは状況が異なっているわけだけど、かといって「子供産まなくてよかったです、マジで」と自分自身が心底思っている未来も全然ありえたと思うし、この人がブログで表明している意見についてもほとんど全面的に同意しているほうの人間です。
自分に何かを言い聞かせたいということではなく、現在の日本で子を産み育てるということを考えた場合、現状分析を行ったらわたしもこういうふうに考えるなという点で同意している。

わたしも政府に対するレジスタンス的な気概から「産んでなんかやるものか」と目をバッキバキに血走らせたことも数知れずあった。しかし夫が子を望んでいることを知ってから、二人で話し合い、では我々にも子どもを授かることができるか試みてみましょうということになり、今にいたる。

結婚や妊娠は当事者のあいだでのプライベートなことであってほしいと思うのに、社会からの圧や縛りがあまりにも強すぎること、現行の制度に違和感を感じていることが、自分がそれを忌避しがちだった大きな理由のうちの一つ。要は、わたしがどうするかはわたしが決めたいのであって、誰かに口出しされたくなかったんだ。

わたしがこのブログを感想とともにリツイートしたら、何人かの友人がリアクションをくれた。

「こうであらねば(出産せねば)の押付け」から脱却した社会の方が過ごしやすいのになーと思います。そして、出産しても男女児コンプ必要ね民が出現します。ただし、それら民を糾弾するよりも相手は相手の背景(時代、環境)がある理解は肝要そうな気がします。

「男女児コンプ必要ね民」にまさに最近遭遇したところだったので、これにはやたら食い気味で返信してしまった。

ゴールデンウィークの帰省中、偶然おばに会ったときのことだ。
「おめでた?」から始まり、ややこの性別を聞かれ女子ですと答えたところ、喜んでくれたのはよかったのだが彼女は「男の子もいたらなお良いね」と付け加えるのを忘れなかった。(おばは長女と長男の二人の子を生み、その子はそれぞれ「男女児コンプ」している)
このおばは、わたしの結婚についても、子どもについても、何かと「しないの?」と確認してくる人でもあった。優しい人だしたまにしか会わないので気にしないのは容易だったけど、そんなこと言われても困るな…と思うのはいつものことだった。

間に受けたくない、間に受けても仕方のないコメントを受け流すふりは得意だ。コメントにあるように、世代間で常識や認識に違いがあることはわかっているつもりだ。でも、相手はわかってない。そこに不均衡が生じている。
考えても損だと思いつつ、どうしたってぶつけられた言葉はわたしを苛む。相手はわたしが苛まれていることなんて1ミリも想像していないわけで、だからこそ考えないのがベストな対応なのに、「言ってきやがった、くそ〜!」と地団駄を踏むのをやめられない。

ちなみに、子の性別については生物学的なものとはべつに、性自認の観点があるはずだ。聞かれて答えつつも留保したほうが正確なんだけどな〜まぁこの人相手には一般的に答えとけばいっか、といつも思う。
妊娠について会話をすると性別をほぼ100%聞かれるのもよくよく考えると不思議だ。だから何なのだ、と思う。

「どっち(性別)がいいとかある?」 って質問も多い気がする。率直に「特にないですね」 と答えてきたけど、人の話を聞くに、強烈にいずれかの性別を希望している人もいる。
過激な例では男子至上主義者もいまだに存在していることは知っている。または親子関係に何らかの憧れが強い人な印象を受ける(女の子を産んで、友達関係のような親子になりたい等)。どちらかの性別を望む理由は人それぞれだろうけど、生まれる前からそんなガチガチで大丈夫かなぁと思ったりもする。

あと、(わたしの)子の性別について「女の子っぽい気がする」とか「女の子だと思ったけどやっぱり!」ってパターンもそこそこ多かった。 わたしも夫も性別にこだわりはなかったので、言われるたび「他人の子どもの性別当てゲームでそんなに盛り上がれてすごいな」という感想。
少しずれるけど、妊娠を明かしたときに「何となくそうかなって思ってた」とかも何人かから言われた。仲の良い関係性だったので嫌な気持ちは起こらなかったけど、自分なら絶対に口に出さないセリフなので「あ、言われた」って感じ。

今までいろんな人から受けた質問や言葉について何か思ったり思わなかったりあるけど、基本的にはその時々で素直な返答をしてきたつもりだ。 何も聞いてくれるなということではなく、あなたはなぜそれが気になるの? が気になる。 本当はどうでもいいけど聞く、という態度ならそれもなぜなのか気になる。

「子供産まなくてよかったです、マジで」からだいぶ逸れてしまった。
わたしがこれから「子供産んでよかったです、マジで」と思うのか「子供産まなければよかったです、マジで」と思うのか、はたまたまったく違う感想を抱くのか、現時点ではわからない。
でも、誰かに自分の意見を押し付けたり、相手の選択を否定したりするようなことは絶対にしまいと思う。

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