日本の反戦歌

私は怒っている。
この2年あまり、ずっと怒っている。
ついにその怒りが沸点に達した。
理由は説明するまでもないだろう。

人生に必要なのは「愛とユーモア」だ、ピンチの時こそユーモアだ、とは信じてやまないのだが、ユーモアなんぞを持ち出す余裕もないほどに怒り心頭だ。

「まあそうカリカリせんと、茶でもすすって落ち着きなはれ」と余裕ぶっこき思考停止ピーポーの声が聞こえてきそうだが、いよいよ自分の命も危険だという事態に黙って茶なんかしばいてられるかっつうの!私は怒ることをやめない。

ただ私はこの内側の怒りが他人を傷つけぬよう、細心の注意は払っている。正しく怒る、ということをしっかりやりたい。

柳美里氏もこう言っているではないか。

柳美里氏の言葉を借りるならば「怒り、悲しみで連帯する」時に必要なものの一つが、音楽ではないだろうか。

SMAP氏の「Triangle」という曲が今再注目され、久々のチャートイン(音楽配信サイトの「レコチョク」では、2月28付のシングルランキングで約17年ぶりに2位に浮上)をしているらしい。
2005年の曲で、ファンの間では反戦のメッセージソングとして知られた曲なのだとか。

数は多くないが、日本にも反戦歌はある。
ぜひ今こそ聴いてほしい曲がある。
以下、ご紹介する。
因みに、今日(3/4)放送の「AWESOME FRIDAYS」番組内でもいくつかお届けしたので、タイムフリーで番組も聞いていただけるとうれしい。

・明日なき世界 / 高石友也
今夜番組内のコーナー「Deep Focus」でもピックアップした。
この曲についての解説や選曲についての思いはそこでも語らせてもらったので、ぜひそちらを聞いてみてほしい。要するに、50年経っても相も変わらず戦争をやったり核兵器を持ったりしているこの世界は一体なんなんだ、と思う。嘆かわしい。この曲の歌詞がリアルに聴こえる今の世界の状況は、異常だ。
と同時に、はっきりと意思を持った言葉で反戦を歌っていたミュージシャンが日本にもいたことを思い出したいと思う。音楽に何ができるか、教えてくれている。

イヤホンやヘッドホンを装着してその一曲に集中してもらうというコーナーなのだが、実際にOA中私もヘッドホンをつけて曲に没入した。スタジオの中で、胸が熱くなって涙が溢れそうになるのを必死で堪えた。

RCサクセションによるカバーバージョンも。

オリジナルはバリー・マクガイア「Eve of Destraction」(1965)だ。

・教訓Ⅰ/ 加川良
去年、俳優の杏さんが弾き語り動画を投稿したことでも話題になった。1971年リリース。

「命はひとつ 人生は一回
だから命を捨てないようにネ
あわてると つい フラフラと
御国のためなのと 言われるとネ
青くなって しりごみなさい
逃げなさい かくれなさい」

命のスペアはない、命を捨てないようにね。
御国は助けてなんかくれない。悲しんでなんかくれない。
ウクライナで強制的に国内に留まるようにとされている成人男性らを見るにつけ、この曲が思い出される。(命を捧げてまで守らなければいけないもの、とは何だろうと。※もちろん彼らの祖国への想いや意思を否定するわけではない)

オリジナルは残念ながら歌詞に一部女性蔑視的表現があるのだが、ハンバートハンバートは上手く歌い変えてくれている。

・花はどこへ行った / 忌野清志郎
オリジナルはピート・シーガーによる。
日本でも多くのミュージシャンがカバーしている。ミスチルやYMOもカバーしたが、音源はレアものでなかなか聴くことができない。

清志郎さんはその他たくさん、本当に多くのメッセージソングを残している。RCのアルバム「カバーズ」は反戦・反核・反原発の思いが滲む必聴の一枚。

・青空 / THE BLUE HEARTS
説明するまでもなく。

ブルーハーツは他にも「1985」「爆弾が落っこちる時」などがある。

・1999年、夏、沖縄 / Mr.Children

ミスチルは「タガタメ」「everything is made from a dream」あたりも平和の歌と言えそう。

・HATE / YOSHII LOVINSON
イラク戦争中の2004年にリリースされた。
戦場に向かう兵士の思いが描かれている。

・兵士Aくんの歌 / 七尾旅人
3時間に及ぶ映像作品「兵士A」から。戦死した自衛官に扮して描く物語。

とまあこんな具合。
私は諦めずにメッセージを込めたアーティストとその音楽の力を信じたい。

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