壊れかけのHDDから命からがらデータを救出した話

恐怖体験を一つ、お聞かせしよう。(同じような状況に陥っている方には参考にしていただけるはずだ)

2ヶ月ほど前に突然外づけHDDの調子が悪くなった。接続してもPCに認識されないという症状。
ついにこの日が来たか、という感じだった。おそらく原因は経年劣化だろうとすぐにわかった。長らく使用しており「そろそろバックアップとっておかないとまずいかもな」と思いながらも、何となくやり過ごしてきた自分の怠慢のせいだった。

この外づけHDD内には、過去約10年に及ぶ写真データ、書類、15000曲ほどの音楽データ、など重要機密情報がたんまりと入っていた。失う訳にはいかない。

接続ケーブルを変えてみたり抜き差しや再起動など色々と試したが、症状は改善されず。素人判断であれこれ触ってこれ以上死に近づけてはならぬと、専門家に頼ることにした。冷や汗をかきながらすがるような思いで、データ復旧サービスに問い合わせた。
結果から言うと、これでデータが取り戻せた。

業者にまずHDDを送付し、復旧可能かの診断をしてもらい、見積もりが出る。私の場合は、PC上に認識はされなかったが、HDD本体は動いており作動音もしていたので、中のデータは無事だったようだ。復旧できそうとのこと。ひとまず良かった。
しかしこの見積もりで卒倒しそうになった。目をひん剥くほどの高額なのだ。ある程度の覚悟はしていたものの、それにしても!そりゃないっすよ!と言いたくなるほどの高額。えー、具体的に言うと。当初は30万円也と伝えられた。しかしネット上の口コミなどを事前に調べ、値段交渉である程度まで下がるということを知っていたので、当然交渉。3分の1程にまで下がった。一体どういう価格設定なのか謎すぎる上、足元を見られている感が凄いが、とにかくデータが取り戻せるならそれでいい、背に腹はかえられぬ、とこっちも躍起になっているので、結局それで手を打つことになった。

一応成功報酬制となっており、取り出せたデータの割合によって返金も可能らしい。私の場合は、きっちり全データが戻ってきたので利用はできなかった。

因みに私が利用したのはこちらのサービス。価格面のこともあるので評価は様々なようだが、データを取り戻せた当事者としては、技術は確かなのだろうなと感じる。

しかし、このようなサービスにお世話にならずに済むように、データは2重3重で取っておくことをおすすめする。私も痛い目にあってようやくわかった。

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そして、不幸は続く。

新しい外づけHDDを買った。無事取り出せたデータを移動させる。これを機にデータの整理もしようと考えた。
実はPCも買い替えたばかりで、macのOSも進化しており、iTunesはMusicに、iPhotoは写真にバージョンが変わっていた。変換が色々とややこしそうなので、アップルサポートに電話して手順を教えてもらいながら作業を進めた。

順調に全てを移し替えた。音楽データはMusicへと移行完了したので、元のiTunesは消去していいとのことだった。そこまで済ませ、無事に移動が完了したかに思えた。

が、しかしだ。後日、仕事で必要な音源を取り出そうとしたら(村八分の音源。現在販売もないので私の個人所有の音源でしか用意できない)なんとどこにも音源がない!曲名は表示されるのだが、再生ができない。「元のデータがないため再生できない」このような警告が出る。
つまりiTunesからMusicへと情報だけは移し替えできたので表面上は移行できたように見えていたが、肝心な音源が移行できていなかったのだ。

電話口で「iTunesは消去していい」と言ったお兄さんへの殺意が湧いた。いや、でも移行後に再生可能かまでしっかり確認しなかった私も悪い。

またアップルへ電話。
不幸中の幸いというべきか、iPod内には音楽データが残っている。最終手段、そこから取り出すしかない。権利の関係上アップルはその作業を推奨していないため、積極的にその案内はできないが、アップルの担当者の方も「実は私もその方法で取り出したことがある。やってみる価値はあるかも」とのこと。

そして、フリーソフトを利用して何とか必要な音源の取り出しに成功した。

私は以下のフリーソフトを使った。一曲ずつの取り出しで気の遠くなる作業だが、貴重な音源の救出にはこれしかない。命拾いした。ありがとうございます。

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そして、不幸は続く。

新しく買ったばかりのHDDだが、突然調子が悪くなった。PCが認識しなくなったのだ。え?デジャブですか?なにこれ?

アップルに尋ねてみると「フォーマットがWindows用になっている」と。そんなはずない!使い初めに確かにmac用に設定したし、現に2ヶ月ほどはmacで使えていたのだから!しかしPC上の表示は確かにWIindows仕様になっている。なんで。
「Windowsでなら読み込めるかもしれないから試してみてはどうか」と提案された。

HDDのメーカーに尋ねてみると「フォーマットが途中で書き変わることはまずない。仮にWindows用に設定してしまったものがmacで使えていたなどはあり得ない。おそらく何かの不具合。Windowsでも読み込めないだろう」と。「修理や交換は可能だが、中のデータは消える」と。

またかよ。あんなに苦労してウン万円払って取り戻したデータが。神様はおらんのか!

もうこれは自力で何とかするしかない。また高額を支払うのはごめんだ。何かヒントが落ちてないか、ネット上を血眼になって探した。

そしてこの記事を見つけた。

この記事の通りに作業して、Stellarさんのソフトで見事復活!PC上に認識されるように!ありがとうございます!

しかしここで油断禁物と、作業後すぐに閉店前の家電量販店に駆け込み、新しいSDDを購入し、前HDDが何とか生きているうちに移動させた。お店の方の勧めで、今回はHDDではなくより安心安全なSDDにした。お店の方も「たった2ヶ月で某有名メーカーのHDDが壊れるなんて聞いたことがない」と言っていた。

というわけで、以上のようなドタバタ劇を経て、何とかデータはまだ手の中にある。読んでいるだけで疲れるようなドタバタ劇。そしてある種のホラー体験だったでしょう。

今回あまりにデータを失わせる方向に物事が動くので、奇妙で仕方なかった。何か目に見えない巨大な力に翻弄されているようだったし、あるいは私の体内から何かよくわからない電磁波が発せられているのか、とも考えた。
結論。これは「過去を捨てよ」という天からのメッセージと受け取っている。

念のため、来週お祓いしてきます。

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