リモートを続けてふと思う、オフィスって何だったっけ
この数ヶ月、生活の景色が変わると同時に、じぶんの中の価値観も変わってきました。一言でいうと「不安」と「自由」が一緒にきた感じ。でも、そもそもいつでも「自由」とは「不安」とトレードオフで得られるものなんだとも思います。
仕事においても環境が変わってきました。極度な合理設計と過去のデータの組み合わせによる未来予測は、もはや人間の仕事ではないと思いますし、そこにしか価値と可能性を見出せず投資できないビジネスは、短期的に終わってしまうと感じています。時間とお金だけを追い求めるビジネスからのシフト。そこに価値を感じています。
テーマは「優しくある」ということです。受け入れる。許す。見返りを求めない。全てにおいてこれらが通用しないのは100も承知ですが、できるだけ優しい心を保ち、こんがらがった、バランスを欠いたものを優しく解決させたい。ギスギスしたものを研磨したい。そんなことを思っています。
今回から「じぶん編集の授業」第二章として、僕自身のじぶん編集も含めた、教育・ビジネスにおいての「優しさ」をテーマにお話を進めていきます。
グループトーク①
リモートを続けてふと思う、オフィスって何だったっけ
「Zoomしよう」
この約3ヶ月で、すっかり会議も飲み会もオンラインになりました。
他のオンラインサービスであっても「とりあえずZoomで」という人までいて、Zoomはすっかりサービス名を超えて「オンラインで会う」を示す動詞化しています。Zoomすごい。
さて、2月末からこのZoomを使ってリモートワークを続けていますが、この生活にもすっかり慣れました。
ここからの文章は、Zoomの録画機能を試しに使ってみようと「今までやってきたリモートワークや生活の良し悪し」について話してみたので、このnoteはその記録と書き起こしです。
■株式会社 エレダイ2 / 自己紹介
熊野 森人 (くまの もりひと) 以下 : 熊野
代表 / クリエイティブディレクター。広告、ブランディング業と共に、京都精華大学の非常勤講師。
妻と2歳の息子と3人暮らし。
柳田 義幸 (やなぎだ よしゆき) 以下 : ぎだ
ディレクター。テレビもNETFLIXも好き。妻と2人暮らし。
左近 榮梨 (さこん えり) 以下 : 左近
プロジェクトマネージャー。1日の9割は食べ物のことを考えている。同居人と2人暮らし。
リモートで何か変わった?
ぎだ : 僕たち、リモートワークを初めてどれくらいでしたっけ。
熊野 : 2月末から始めたから、もうすぐ3ヶ月くらい経つのかな??ほぼ毎日ZOOMでミーティングや雑談はしてるから、そんなに経つ気はしないけどね。
左近 : ほんとですね。
ぎだ : もともとPCがあればオフィスでも家でも仕事はできていましたけど、こんなに実際に会わないのは初めてですね。リモート続けてみてどうですか?変わった部分とか、良かったところとか。
熊野 : うーん。業務面で言うと、全部オンライン化しなきゃいけないから結構サービスとか検討したけど、結局使うツールは絞られてきたね。
ぎだ : 主に3つくらいですかね。
熊野 : うん。会議はZOOM、それ以外のやりとりや情報交換はSlack、細かいタスク管理はGoogleスプレッドシートで、日々のタスクや連携は今のところ落ち着いてるね。
ぎだ : 左近はどう?
左近 : そうですね。生活の時間というかリズムが、馴染んできた気はします。
ぎだ : 馴染む?
左近 : 今までは出勤時間に当てていた時間が、朝ごはんをしっかり食べるとか、洗濯をするとか、家事に当てるようになってきました。同じく退勤時間も夕食の準備に当てたりとか、リズムが慣れてきた気がします。
ぎだ : あーなるほど。確かにもっと前からこんな生活していたような気もするくらい、すでに「慣れ」はあるかも。人の順応性ってすごいなって。
ただ、僕は思っていたよりずっと1日中デスク前で作業しちゃうときあるんですよね、、区切りがほんと家族との食事しかなくて。
熊野 : うんうん。
ぎだ : 今までは通勤とか退勤が僕のなかではスイッチだったんだなって思います。移動時間で本を読もうとか、NETFLIXの続き観ようとか習慣化してたんですけど、家だと作業が地続きになっちゃうんですよね。
リモートは思っていたより暇じゃない
熊野 : あと、よく寝れるようにはなったけど、意外と時間ができてないかな。
ぎだ : やることが多い。
熊野 : うん。やっぱり家にいると、ヨメや子どもがいたり、御近所さんとの関係とか、どうしても普段より時間とっちゃうし、あくまで家族時間がベースの生活になっちゃう。
左近 : すごくわかります。私はご飯も2〜3品は作ろうとかすると準備や支度して、食べて、洗い物して、とかしているとあっという間に1時間半とか経っちゃったりしてます。
熊野 : うんうん。テレビも前より観ていないかも。
ぎだ : あーなるほど。今までは帰ってきたときに一息つくかって何となくつける、みたいな日がありましたけど、今はずっと家でそういったスイッチの入り方にならないかもですね。
熊野 : そうかも。
ぎだ : 家族と過ごせて、食事も睡眠もとれて本当に良いことなんですけど、全て自分たちでやっていると…。外食って場所と時間を買っていたんだなって改めて感じますね。
左近 : そうですね。
熊野 : 健康になるのは良いことだけどね。
ぎだ : 前より野菜たくさん食べるようになりましたよ (笑)
熊野 : (笑)
オフィスって何のためにあるんだろう
熊野 : あと良いのは、毎日時間を決めて話すことが習慣化できたことかな。
左近 : そうですね。
熊野 : うん。オフィスで仕事してたときよりも、話してるんじゃない?(笑)
左近 : (笑)
ぎだ : 確かに (笑) オフィスで会議時間はありますけど、わざわざ雑談タイムは設けてないですもんね。オフィスではいつでも話しかけられるけど、こうやって決まった時間があるほうが、結果的に密な会話はできているという。
熊野 : うん、そう。そういった意味では、リモート悪くないなぁって思うね。もちろん、大人数の会社だと全然事情は違うかもしれないけど。
左近 : ですね。
熊野 : ただ、こうなってくるとオフィスって何なんだろうって改めて考えるなぁ。
ぎだ : 行ってない今も家賃もかかってるわけですもんね。
熊野 : うん、そう。結構かかってるよ (笑)
ぎだ : ですよね、、!
熊野 : 正直、ぼくらの規模で社内のことだけ考えたら、このリモートの形でも回らなくはないのよね。
ぎだ : 実際、なんとか出来てはいますね。
熊野 : うん。ただ、他の人や社会と関わっていく上では、場所ってやっぱり大切だなとは思っていて。もし、新しくオフィスの場所を見直すならば、もう少し社外の方との関わりかたを意識した場所にするかもな、、。
左近 : 関わりかた、ですか?
熊野 : うん。今ぼくらが渋谷区の広尾で活動してる理由って、街やオフィスが好きっていうのは大前提としてあるけど、他にもいくつか理由はあって。
例えば、車で都内の打ち合わせに行きやすいかとか、その土地がもつ文化やイメージみたいなものも、会社の印象に少なからず影響はあると思っているのね。
左近 : はい。
熊野 : 社会全体が急にそうなるわけじゃないけど、でもこうやってリモートでも会議できますね、って価値観になったときに、そういった利便性とか土地柄だけで考えるオフィスって、もうちょっと違うかなって。
ぎだ : なるほど。
熊野 : まだおぼろげなイメージだけど、例えばぼくたちは今、広告企画業の他に食分野の会社も軌道に乗せようと準備しているから、例えば大きくキッチンを構えたオフィスとかね。結局人が集まるって、オンラインではできないことかつ魅力的な事柄がセットになってないとわざわざ足を運ばないと思うの。そう言う意味で飲食はマストだと思うし、それによって今よりも人との関係を築ける場所じゃないと、わざわざ新しく作る意味がないんじゃないかなぁって。
ぎだ : ただのオフィス然とした作業場じゃないってことですね。
熊野 : うん、そう。まぁ集まるって言っても、イメージとしては大人数のパーティっていうより、数人をお招きして食事やお話ができるようなイメージかな。飲み会とかもそうだと思うけど、少人数のほうが深い話もできるし、僕らの性にも合っているかなって。 まだざっくりとしたイメージだけど(笑) 会社っていうか、家みたいな感じ。海外のオフィスでも食堂を中心に設計しているところ、いっぱいあるやん?そんな感じ。従来のSOHOのイメージと少し違うところは、食事を中心に捉えているところかなー。そして寝泊りしない家。
左近 : なるほど。
熊野 : まだまだ模索中やけどね。規模が大きな企業ほど簡単な話じゃないけど、今回のことで住居やオフィスの価値について考え直す人は、多いんじゃないかなぁ。
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