コナステ版ギターフリークス用のコントローラーを作る
コナミの音ゲーが家で遊べるサービス「コナステ」にはギタドラもある。元々はドラムマニアのプレイヤーであり、電子ドラムも持っていたことからドラムマニア目的で加入していた
月額約1600円でドラムマニアが遊び放題なのは嬉しいが、このゲームはギターフリークスとドラムマニアでギタドラと呼ばれるものだ。beatmaniaIIDXのコナステ版であるINFINITAS、ポップンミュージックのコナステ版であるLivelyなどと同じ価格のサービスながら、ギタとドラの2つのゲームが遊べて楽曲パックも共通となると、破格の価格なのが分かる
しかしそれでも片方だけ遊んで、もう片方を遊ばないのは、なんだか損している気分になる。そこでギターフリークスも遊ぶべく試行錯誤した記録を残しておく
・PS版ギターフリークス用コントローラー ¥880-
「とりあえずギターの方も起動したい!」と単純な気持ちで購入。駿河屋系列のリサイクルショップで880円。正直言って探せばもっと安い値段でいくらでも売っている
ギタドラは最初期から難易度のインフレが起こっているおかげか、コントローラーも相応に難しい曲に太刀打ちできる作りのようだ。しかし当然ながら3フレットしかない。クラシック譜面を遊ぶのにはいいが、スキル上げなどをモチベーションにしていると満足できない
せっかくピックは良い感じなので、ピックを流用して5フレットに改造できないかと試みた
・ギターフリークコントローラーの改造
早速分解する。改造を試みたものの、この時点でもう既に面倒くさくなっており、ギターヒーローのコントローラー欲しいなとぶつくさ文句を言いながら作っていた
適当に基板にはんだ付けしたり木材に貼り付けたりした。この上なく時間の無駄である
いくらなんでもこれは無いわと自分でも思いつつ、途中からウケ狙いに走る自分も居た。どうせギターヒーローのコントローラー買うし
フレットのボタンは統一されてないし、チープだし、ツッコミどころ満載のこいつでも一応プレイすることはできる。4,5フレットが死ぬほど押しづらい
1回使ってゴミ箱行き。素直にギターヒーローコントローラーを買うことにした
・Wii用ギターヒーローコントローラー ¥1,920-
そしてギターヒーローのコントローラーが欲しいな~でも互換品でも5,000円くらいするのか~うーんと悩んでいたある日、偶然にも駿河屋の在庫を発見。1,700円+手数料220円で入手することができた。コナステ版ギタドラの影響で需要が高まってるのか、元々このくらいなのか、やたら価格が高く品薄な印象だ。しかしそこは我らが駿河屋先生。欲しいものがあればアンテナを張っておくのが大事だ
コンバーターはエレコム製……そう、前回の記事でボロクソに言ったあのエレコムのコンバーターである
裏面にはやはりあの一文が。忌々しい
互換品は分からないが、純正品の場合、ネックボタンは少々反応が悪く、ピックはやたらと軽い。早速改造することにした
・ギターヒーローコントローラーの改造
*型の特殊なネジが使われているのでマイナスドライバーで開ける。メンテしやすいようにプラスネジに換装
上図の通り、ピック部分はスイッチ2つだけ。軽すぎる上にスイッチにも悪そうなので適当なバネを間に噛ませる。スイッチの上か下に挟めばピック部分にちょうど重なるのでお好みの硬さまで調整しよう
ネックボタン部分は厚紙2枚でちょうどいい感じになった
ハードウェア的な触り心地はかなり改善した。コンバーターはお察しだが、ギタドラは判定が甘いのでIIDXほどのストレスは無い
しかしピックよりも、ネックボタンの押し替えやコードチェンジがかなり抜ける印象があった。ギターフリークスはオルタがずれると悲惨なことになるため、その点でピックの揺らぎも看過できないものがあった
なのでこれもArduino先生に繋げることにした
・ギターヒーローコントローラーのArduino化
ギターヒーローのコントローラーは単純な構造のため、各ボタンに対応した電線、基板にはんだ付けするだけでいい。ジャイロセンサーでのワイリング機能も付いてないし、ピック部分はスイッチなのでこれも単純だ。GITALLERなどは分からないが、ACコンはフォトインタラプタを使用しているらしい
公式から発売されたコントローラーも、チャタリングが問題になってたのを見るとフォトインタラプタを使用していると思われる
使用するのはネックボタン、ピック、スタートセレクトのみ。トレモロアームとスティックは使わない。以下基板の図を載せる
基板に直接はんだ付けするか、電線を繋げるかはお好みで。筆者はピック部分は基板にはんだ付け、ネックとスタートセレクトは電線を繋げる方法にした。ピック用GNDにはフラックスを使うとよい
先述したがギターヒーローのコントローラーにワイリング機能は無い。だがギターフリークスのコントローラーにはある。ゴミに変わり果ててしまったギタコンだが、せっかくArduinoに繋ぐのだからワイリングセンサーも使ってあげようと思う
ワイリングセンサーの場所がネックだが(ギターだけに)、素直に底に付けてみた
Arduino用のスケッチも単純なものだけど一応貼っておく
【2022/04/19追記】
実際に遊んでいたら何やらオルタの様子がおかしいので確認してみたところ、なんとピックがチャタリングを起こしていた。単純なスイッチ構造だと思ったのになぜ……
チャタリング防止を施したスケッチに修正。↑ピックと↓ピックが同時に入らないようにするコード。↑ピックをボタン1(2ピン)、↓ピックをボタン2(3ピン)とする
#include <Arduino.h>
#include "HID-Project.h"
//ピン番号 0は欠番
int button[12] = {
0, 2, 3, 4, 5, 6, 7,
8, 9, 10, 14, 15
};
int i;
void setup() {
for (i = 1; i < 12; i++) pinMode(button[i], INPUT_PULLUP);
Gamepad.begin();
}
void loop() {
if (digitalRead(button[1]) == LOW) {
if (digitalRead(button[2]) == HIGH) Gamepad.press(1);
}
else {
Gamepad.release(1);
}
if (digitalRead(button[2]) == LOW) {
if (digitalRead(button[1]) == HIGH) Gamepad.press(2);
}
else {
Gamepad.release(2);
}
for (i = 3; i < 12; i++) {
if (digitalRead(button[i]) == LOW) {
Gamepad.press(i);
}
else {
Gamepad.release(i);
}
}
Gamepad.write();
}
配線に合わせて6,7行目あたりをいじるとよい
・費用と総評
ギターヒーローコントローラー 1,920円
Pro Micro 約1,000円
電子工作部品 使った分だけで200円くらい
ワイリングセンサー用ギタフリコン 880円
3,900円ほど。ワイリングがいらなければ一番下は無しでもいい。プレイした感じでも結構激しく振らなきゃ反応しないので、今まで同様無視するかセンサー位置を変えて工夫するか
ぼちぼち重量化のために中に何か詰めるのもありだなと思う。軽いギタコンが欲しい人にはギターヒーローコントローラーはおすすめ