ただ言いたいだけ
今も昔も口は災いの元になる、というのは変わらないし、
多くの人がわかっていることだと思います。
以前にも、口を慎むことに対して投稿しましたが、
今回はもう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
以前勤めていた職場で、このようなことがありました。
シフト制だったその職場では、ある日のシフトで、出勤する人数が少ない時がありました。
前日は大きなイベントがあったため全員出勤、問題となったのはその翌日のシフトです。
繁忙期でもなく、すでに出来上がったシフトで充足はしていたのです。
しかし、イベントの翌日に、他のパートさんが休みになっているのを見て、たまたま一人だけ、出勤に入っているパートさんが騒ぎ出しました。
自分だけが出勤だ、忙しい、大変だと周囲に言い始めたため、
その場にいた私が、出勤に変更して、他にも人数が足りている日を休みにしてもらいましょうか、と声を掛けました。
すると、急にさっきまでの勢いがなくなって、
『別にいい』
と断られました。
私は頭の中で、
『?・?・?』
と、クエスチョンマークが出ていました。
しかし、その数日後に、今度は別の人たちのところで、
イベント翌日のシフトは自分が一人だ、大変だ、とまた同じパートさんが騒いでいるのを見かけました。
その時に、
『ああ、言いたかっただけなんだな』
ということに気が付きました(笑)
私は相手の言葉を割とそのまま鵜呑みにしてしまう方なので、
例えば、よくありがちな、恋人同士がけんかをして、
女性が『追いかけてこないで!』って怒ったら、実は追いかけて欲しい、みたいなのがわからなく。
そのパートさんも、シフトを変えて欲しいのではなく、ただ言いたかっただけ、そしてねぎらってほしかったのかなーと考えた出来事でした。
私はそれ以来、頼まれたら引き受ければいいけれど、頼まれてもいないのに提案をするのはやめました。
また、そのパートさんのように騒いでいる人を見かけた時には、
『言いたいだけの時もあるだろう』
ということで、特に反応せずに黙って聞き流すことにしました。
ただこれはこれで、人によっては、
『察してほしい』
と思われることもあるかもしれませんので、いい塩梅を見極めることが大切かもしれませんが。
『ただ言いたいだけ』とか、
『ただ聞いてもらいたいだけ』みたいに、
特に解決してほしいわけでもないこともあるのだと思います。
私は普段あまり話さない方なので、そういう気持ちを汲んであげられなくて、困っているならと助ける方法を考えてしまっていました。
それも場合によっては一つのやり方でしょう。
しかし、シフトの変更をお願いされたわけではなかったので、もしも頼まれたらできることは協力するという形が、良いのかもしれませんね。
今回はシフトの内容ぐらいでしたが、
『ただ言いたかっただけ』の内容が、時に相手を傷つけたり、嫌な気持ちにさせるものであれば、悪意がない分ダメージは大きいような気がします。
そういう軽率な発言は、少しずつ信頼を損なう恐れもあるかもしれませんから、聞いてほしいだけの時でも、本当は注意は必要です。
では、どうすればいいかですが。
もしも他者からの
『ただ言いたかっただけ』や
『聞いてもらいたかっただけ』を
黙って聞き続けられる間柄や、信頼関係があるならば、黙って聞くのもいいでしょう。
しかし、そうではないなら、騒ぎの渦に巻き込まれないように、そっと離れることも必要かもしれません。
そして、自分自身が
『ただ聞いてほしいだけ』側であれば、
その前置きを一言言っても良いかもしれませんね。
『ただ聞いてほしいだけなんだけど』と。
あとは、本心を素直に言うのも良いと思います。
『私一人だけ働くから、もっとねぎらってよー』とか、笑いながら言ってくれたら、私は全力でねぎらうでしょう(笑)
そして、『聞いてくれてありがとう』と最後に一言添えられたらいいですよね。
コミュニケーションの取り方一つで、関係性は大きく変わります。
正直、そういうことを学校で教えても良いんじゃないかと思うぐらいです。
言葉と言うのは諸刃の剣で、人を救うこともあれば、簡単に心を傷つけることもできるものです。
だとしたら、人を救うために使った方がいいと私は思っています。
皆さんはいかがでしょうか。
今日もお読みいただきありがとうございます!
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