見出し画像

解放

運動指導の仕事はスポーツクラブだけではなく、介護の施設や企業の福利厚生の一環もあり、仕事を始めてすぐは、身体を動かす楽しさを伝えるのが役割かなと思っていました。

ただ、たくさんの参加者さんと話すうち、多くの人が身体に不調を抱えたり、不調とは言わなくても違和感や気になるところがあるということに気が付きました。

中にはすでに慢性的に症状が出ているため、クスリで対処しながら、もはや一生付き合っていくしかないと。

気持ちに何とか折り合いをつけて、悟ったように受け入れている人もいました。

あとは、痛みが出る年齢が年々早くなっているような気もします。
数年前までは、関節痛は高齢者がいわれることが多い言葉でしたが、昨今かなり若い方でも、あちこちが痛いという人がどんどん増えています。

身体に不調があれば、いつもどこかしらにストレスを抱えている状態ですから、仕事にも家庭にも影響が出る場合もあるでしょう。

場合によっては痛みから不機嫌になってしまって、感情にも負担が出てきたり、人間関係にも影響を与えてしまうかもしれません。

なので、仕事を続けるうちに、運動の楽しさを伝えることから、癒すことに重点を置くようになったのは言うまでもありません。

たくさんの人の身体を見ていると、多くの人が常に緊張状態で、中には自律神経のバランスを崩してしまっている人もいます。

今はネットでいろんな情報が見られますから、悩んだ人はみんな自分で調べるのでしょう。

様々な方向から、その痛みや、不具合を取り去る方法を試してみたり、あちこちに出向いて、何が効果的なのかを実際に行っている人もいるはずです。

前述の通り、多くの場合は、いろんな部位の緊張状態に原因があるかもしれません。

緊張が続くと、心も身体も、その状態が当たり前になってきますので、そのうち、緊張をしているのかも、その緊張状態をリラックスさせる方法もわからなくなってしまいます。

よく、
『肩の力を抜いてリラックスしましょう』と言われることがありますが、
それを聞くと私はいつも、そのリラックスするやり方を教えて欲しいんだが、と思ってしまいます(笑)

ましてや、緊張状態がなくなりすぎてもどうなのか、多少の緊張やストレスは必要ですから、ここで言う緊張とは、過緊張、緊張が強すぎる状態についてを考えてみたいと思います。

緊張状態とリラックスは、ある程度バランスを保っておくのがいいのですが、なかなかそれを実現できている人はいません。

緊張状態とは、身体、心、脳、この3つがちょうどいい塩梅で作用しているからです。

身体に意識が外を向きすぎていたり、逆に心や精神性ばかりに目を向けてしまっていたり、または頭で考えることで、論理的に脳を使い過ぎていたりすれば、なんとなくバランスを欠いた状態になってしまいます。

どこの面に意識を向けているのかは、人それぞれですし、どこに向いていても正解も間違いもありません。

ただ、どこか一方に偏りが強すぎると、時折身体からメッセージが届く。
それが痛みとして現れている場合があります。

気付きとして現れていることも多いのです。

とはいえ、その過緊張を何とかするために、いきなり生活を変えるとか、生き方を180度変えることは難しいでしょう。

ですから、始めの対処は『無視をしない』ことです。
痛みがあることを、仕方がないとか、年齢のせいとか、何かのせいにしないで、『私のここは痛がっている』と、一度ちゃんと痛みがあることに目を向けてあげるのです。

原因を探る必要はないかなとは思います。

例えば、皆さんが頭にきて怒ったり、理不尽なことに対して抗議をしたい時、自分の気持ちを相手に一生懸命訴えませんか。

その時に、
『まあまあ、お酒でも飲んで、とりあえずぱあーっといっぱいやりましょう』
とか言われて、真面目に向き合ってもらえなかったり、無視されたら悲しくないですか。

だから、何かを怒って、悲しんで、一生懸命訴えているのに、
『まあまあ』
と何となく流された、怒りや悲しみ、場合によっては憤怒、恨み、そういった解消されていない感情が、身体のあちこちに痛みとして出ていると思うです。

ですから、次のステップは『謝る』です。
身体の声を私がずっと無視してきたことを謝るんです。
その時、痛みがある場所や部位を優しくなでてあげると良いと思います。

ずっと無視してしまってごめんね、と。
一生懸命訴えていたのに、辛かったよね。
苦しかったよね。
気付かなくてごめんなさい。

そう声をかけ続けます。

そして、最後に『感謝』です。

痛みや不具合がある場所であっても、一生懸命機能していた部位ですから、今この状態(痛みがある)に感謝の気持ちを伝え続けます。

こんな状態になりながらも頑張ってくれてありがとう。
いつも一生懸命動いてくれているのわかっているよ。

みたいな感じです。

私は薬での対処法も否定はしませんし、私も場合によっては飲むことがあります。
ただ、そればかりが解消法ではないということと、痛みの起こる要因を考えたら、根本的な治療にはならないと思っています。

私自身、痛みがあるときは、サインだろうなと考えていて、その痛みにも気付かせてくれて感謝というか、痛みがあるときは、また教えてもらったなと思うことがあります。

身体は言葉を話せませんので、このような形でしかコミュニケーションが取れないのかもしれません。

身体と仲良くやっていくことが健康に繋がるなら、痛みや不調はちょっと喧嘩しているとか仲たがい状態なんだと思います。

仲直りには時間はかかることかもしれませんし、長年無視し続けていれば、それだけの時間がかかる。

すぐに許してもらえないかもなのですが、心を込めて続けていれば痛みや不調から解放されるかもしれません。

身体にとっても過緊張状態から解放されたいでしょうし、身体に声をかけるなんてにわかに信じにくいと思いますが(笑)
やってみる価値はあると思います。

いかがでしょうか。

今日もお読みいただきありがとうございます!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?