見出し画像

甲斐田晴「Dolce」に救われたオタク、視聴1日目の感想。

甲斐田晴さんの1stミニアルバム『DOLCE』聴きましたか?聴きましたよね?
と、突然の圧で始めたけれど、本当に心待ちにしていた初のソロ円盤だったので手に取っただけで最高の幸せでした。

でも、聴いてみて、本当に泣いた。心が動かされた。

当たり前だけどフルで聴いて本当に価値を与えられる楽曲たちでした。XFDはすごく聴いていただけど良い意味で裏切られたし、今ここに生きている意味、甲斐田晴を応援している意味を痛感した1枚でした。

ちなみにXFDは公開されてから日々10回以上は聴いていたのですでに発売日までで100回は軽く聴いていたと思います。
そのくらい楽しみだった。それくらい聴きこんでいたのに、こちらの覚悟を追い越すアルバムでした。

全然聴きこんでいない状態で、今こうして初視聴の衝撃に身を任せて文章を綴っています。が、それでもいいと思うくらいに今のこの衝撃をどうにか表現したいんです。
聴きこむ前のこの気持ちを忘れずにいたい、そんな風に思ったのは初めてで。そんな音楽に出会えて本当によかった。

ここから1つずつ感想を書いていくのですが、解釈違い甚だしいところもたくさんあると思うし、誤字脱字も意味不明な箇所もいっぱいあると思うし、なんなら未来の自分も解釈違いを起こすと思うのですが発売1日目のオタクとしての感想と気持ちなので許してほしい。

・・・

M1「率直」作詞・作曲 太志

1曲目にこの曲が来る意味がわかったとき、本当に気付いたら涙が出てました。

Aqua Timezを好きでいてくれた甲斐田君にAqua Timezらしい楽曲を作りました。素晴らしい歌声をありがとう。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000817.000030865.html

上のクリエイターコメントを読んでたとき「あぁ、こう言ってもらえる推しを応援できることが何よりの幸せだな」なんて思ってたのに、それ以上にこれは「甲斐田晴からファンへのプレゼント」だったと個人的に思ってます。

XFDを聴いた時点では青春な歌なのかなって思ってた。初々しい恋の歌なのかなって思ってた。そんな風景を想像していたけど、違うと分かった決定打だったのは落ちサビ。

ほんとは一緒にいたかった、けど
今は皆んなと一緒にいる
時々不安が顔を出すけれど
大人げない言い方をすれば
ずっと仲良しでいたいと思う
普段は言えない ほんとの気持ちゆえに
この歌をあなたに

爽やかな恋愛ソングじゃなかった。
この歌の主人公の目の前にいるのは、夕暮れのバス停でいつも会う学校のあの子じゃなくて、毎日21時にいつもの場所(YouTube)で集合するみんな(ファン)だった。

ダメな方、ダメな方へと思いつくのは こんなに得意なのに
今日は待ってる 君からのおはようを
もう二時だよ

XFDで上の歌詞を聴いたとき二時に何の意味があるんだろうってずっと不思議だった。
でも、2番のサビを聴いてすべてわかった気がして。

理想がハッキリする程に 思い通りにならぬ現実も増えた
意地悪な世界でもこの星は美しい
見上げれば虹だよ

デビュー1年後の頃は「溺れそうになっていた」と語っていた彼が、
「わかってないが武器になるって歌詞はデビュー当時を思い出す」と笑った彼が、
こうして自分の力でどうにかソロ活動を精力的にやって円盤を出すまでに頑張った彼が。
そんな彼が歌うこの歌詞はあまりにも似合っていて眩しくて。

そんな彼が歌うこのサビの最後、見上げれば虹って、それはもう”にじさんじ”のことでいいのかな。いま、この場所の象徴である”にじさんじ”ってことでいいのかな。

韻をわざわざ踏んでまで残してくれた”にじ”という言葉がすごくあったかく感じました。

アルバム1曲目として
「泣くこともできなくてダメな方を考えちゃうあの頃より、現実と理想がはっきりしている今この景色を共有しているあなたへ」という歌が用意されていること。

本当に幸せだし、この1曲に甲斐田晴を応援したい理由が詰まっている。
お日様みたいな曲。ありがとう。

・・・

M2「この場所で」作詞・作曲 PON

XFDの時点で泣くことを予測できていた、あまりにも”甲斐田晴”を表しているこの曲。だってもうすでにPONさんのコメントで泣ける。

甲斐田さん配信の優しい空気感、安心感みたいなものが、ライブハウスの空気に近いなあと思いました。
日々大変な事はあるけど、ここに来れば会える。また明日頑張れる。
甲斐田さんも、見てるあなたも、こんな気持ちなんちゃうかなぁと思いながら作りました!歌声もアレンジも素敵です!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000817.000030865.html

「Shiny Sunny Step」という曲が甲斐田晴の人間性や温かい部分を表現していて素敵なんですが、それみたいに直接温かさを語りかけてくれる、そんな曲。

泣きたい夜が明けるように
止まない雨風がないように
寄せては返す 陽はまた昇る
だから僕ら今日も生きていける

サビ部分が”甲斐田晴”すぎる。
「前に進んだときに訪れる苦しさから目を離さないうえで、時には止まることも受容して、そして次のポジティブを示唆してくれる」そんな太陽な存在。

「Shiny Sunny Step」がその温かさを自身で作詞して表現してくれたのが本当に嬉しかったのだけど、今回は本人とファンが大切にしてきたその温かさを素敵なクリエイターさんが表現してくれたのが本当に嬉しくて、新しい宝物が増えました。

何かが足りない気がしていたの
何かが何かを考えて
ふわりと浮かんできたのは
笑う君の姿だ

すごく甲斐田晴を感じる歌詞。
本当に常にこうやって考えていそう。自分の理解は特に曖昧なものにせず、思考を重ねて何かって何だろうって考えていそう。

そしてこの歌全体の声の張り方とかが、もう3Dで歌っている姿を想像できるようで…
きっと手を広げて音を伸ばしているし、軽く足踏みしてリズムをとっているよね。甲斐田晴を感じられるパフォーマンスはやく見たい。

・・・

M3「素顔のままでいて」作詞・作曲 中塚武

XFD聴いたときから「ジャニーズのオタクみんな好きなやつだ」って思ってました。
ライブ後半のMC明けとか、衣装チェンジ一発目とかに、一気に暗いステージでスポットライト浴びてかっこいい衣装を纏いながら歌って踊るやつですよね。わかります(?)

聴いてもらえばすぐにわかるんですが、音楽がお洒落すぎる!!!本当にお洒落!!!!最高!!!!!!!
間奏のオケとか最強にお洒落なんで本当にみんな漏れなく好きなはず

歌みただと高音のお洒落さが出ている曲はあるなあとは思っていたけれど、あまりオリ曲にはなかった雰囲気なので本当に好きです。絶対にライブ映えするので早くソロライブを…

それでいて甲斐田晴さんの歌い方もお洒落さを纏っていて、XFDにはないAメロBメロがお洒落でいいのはもちろん、最後の落ちサビが素敵すぎます!!!
転調してからがやばいです。そもそもラスサビで転調のある曲に外れはないって教科書に書いてあるので…(?)

甲斐田晴さんとご一緒させていただくのは今作品が初めてで、お話をいただいた時からずっとワクワクしながら制作していました。
クールなサウンドの中にスウィートなエッセンスを散りばめるように楽曲と歌詞を作りましたが、いざ甲斐田さんの歌が入った瞬間に別次元というか、夢の世界に連れて行ってもらったような感覚になりました。
お聴きになってくださる皆さまにも、この甲斐田マジックを体験していただけたら嬉しいです。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000817.000030865.html

上の中塚さんのコメントでもあるように、甲斐田さんのいろんな歌い方とかアクセントのつけ方とか、サビへの盛り上げ方とか、これまでのオリ曲やライブを聴くとよくわかるフル装備の甲斐田晴が味わえる1曲

この曲、どのオタクも好きなので全員聴いてほしい。

・・・

M4「終点」作詞 Sekimen 作曲 南田健吾

Sekimenさんの曲、めちゃくちゃ好きかもしれない。
一言目でこれいうの意味わからないと思うんですが、No Reason. といい、cycleといい、甲斐田晴自身の作詞では出ない本人の持つカッコよさを出すのがあまりにもうますぎる。

韻の踏み方とか、言葉のセレクトとか節々に「あのNo Reason.を作った人の曲だ…! 」ってなる場面が出てくるので最高です。本当に歌詞カードを読みながら咀嚼したい曲。

どうしても訪れる喪失、それを抱える葛藤を繊細に甲斐田さんの素敵な歌で表現して頂いて完成しました。是非、聞いて下さい。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000817.000030865.html

cycleでもそうだったけど、一見クールというかダークに思わせる歌詞と思いつつ読むとすごく繊細で、相手や自分のことをすごく大切にしたい人の歌詞が描かれていて、いいんだよなぁ。

「時間が薬になるなんて嘘でしょう?」
フラスコにたまり続けるこの感情
どうしようもないでしょう

研究者でもある甲斐田晴にしか歌えないこの歌詞。そして、この韻の踏み方。ここの部分すっごく好きです。

そして、変な話、すごく変な話だけど、この曲を聴いていて、
もし甲斐田が卒業するってなったら私はこの曲を聴くんだろうなって思ってて…

「消えないで」「戻りたい」「行かないで」そう思うけど言えない。
特にこれが単なる失恋ソングなんかにも聞こえなかったのがサビ。

まだ、痛む想いよ
どうか 消えない 癒えないで
灯りなんだ。まだ。

「どうしても訪れる喪失、それを抱える葛藤」ってSekimenさんが言っているから失恋ソングではないのはそれはそうなんだけど、この「癒えないで」というワード・「灯り」というワードがもう葛藤の全てを表していてすごく考えさせられる。

以前、後輩が卒業を発表したときに甲斐田さんが「寂しいと悲しむのはそれだけ応援してきた証だから悪いことではない(けど、自分だったら次の応援する先を見つけてほしいとも思う)」と発言したことを思い出しました。

どういう意図で作られたかはわからないけど、
もしかしたら卒業した誰かかにあてた曲かもしれないし、
もしかしたら今はいないファンにあてたのかもしれないし、
もしかしたら過去や未来に向けて書かれた曲なのかもしれない。

あと、今回のXFDの時点でも思ったけど、ボカロっぽい気がしていて、ものすごく全体を通して聴いたときに良いアクセントになっている点でも好きです。

・・・

M5「一瞬と一生」作詞 TKT from AliA 作曲 EREN from AliA

この曲、一生の宝にすると思う。本当に好き。

XFDの時点で一番のお気に入り曲でした。理由ははっきりとしたものはなくて、ただなんとなく好きで、何度聞いてもこのサビに何度も惹かれてました。

きっと好きなんだろうなって身構えて聴いたら、思ってた5億倍好きだった。
個人的には一番フルで聴いて印象の変わった曲でもあります。

XFD(サビだけ)ではフィクション(失恋ソングとか)なのかなって思ってたんですけど、冒頭聴いて人間の内面を描いた曲だと悟ってものすごく心がざわめきました。

嫌いなものがこんなにも増えたのは
好きなものが増えたから
弱音を吐く場所が減ったから

いつの日かの原神の配信で「夢って叶わないからキラキラしてる。叶ったら期待よりそうでもないことの方が多い」と語ったことを思い出すくらい、すごく甲斐田晴らしい歌詞。

ずっと僕の後ろをついてくる足音に
怯えているんだ 耳を塞いでいるんだ
何も見たくない
一人にさせてよ

この部分の歌い方の丁寧さと儚さ。柔らかさ。
そしてサビに向かっての盛り上がり方。これぞ甲斐田晴と思ったし、その歌詞が美しくて景色がハッキリ見えてすごく奥行きがあって好きです。

聞いてよ わかってよ 慰めてよ
つぶやいた
違う 違う 違う 違う 違う
もう一度 

この「違う」一つひとつ乗っている感情が違うんですよね。
急に鷲掴みにされるというか、そこまでの閉じこもって一人になった主人公の葛藤が心に突き刺さる。

「ほんの一瞬」でも「一生残る」傷。
それを受けたときやそこから抜け出したいときの葛藤って、悲しみも苦しみも怒りもあるそんなごちゃまぜの感情がここに出ていて、誰もが持つなにかのそれぞれ持つ苦しい記憶を連想させるようで苦しくて美しい。

そこから一気に進んだと思えば、落ちサビ。

声に出して伝えなくちゃ
僕しか知らない僕を
ほんの一滴の涙だって隠したんだ
見たくない見せたくないモノばかり
溢れた言葉まとめないまま 許してよ
今さらけ出すから
手を取り合って 未完成の地図で進んでいこう
やっと言えた

最初は繊細に儚く消えそうな歌で響いていて、「ほんの一滴の涙」で心が切なくなるその瞬間、スピード感を全く落とさないままくる、甲斐田晴の感情が全面に出た苦しみともとれるような訴えるような歌。

やっと言えたで曇天が晴れるような決意のこもった歌声で。

すごく魅力的な歌声が続くなかで、様々な感情が押し寄せてくるような歌詞。推しが歌っているというのをなしにしても好きな曲だっただろうけど、甲斐田晴が歌っているからより心に突き刺さって好きになれている歌だと思います。

一瞬と一生は、甲斐田晴くんと話し合いながら作り上げた大切な一曲です。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000817.000030865.html

クリエイターさんのコメントのこの一文を振り返ると、
この壮大で美しい歌を甲斐田晴と話し合いながら作った、つまり彼の意志が明らかに含まれた歌であるとわかり、余計に嬉しくなります。

この歌の「君」は、”あの頃の自分”だったのかなと思ったり。
ふと「透明な心臓が泣いていた」MVのスーツを着た彼が救われているといいな。救われているならうれしいな。

・・・

M6「月が綺麗だ。」作詞・作曲 夏代孝明

この数か月ずっと聴いてた曲。
聴けば聴くほど好きになっていく、魅力にどんどん気づいていく曲。

こう通して聴くとすごくわかるのが、「甲斐田晴の自己紹介みたいだ」ということ。

「SSS」や今回の「素直」「この場所で」は甲斐田晴の内面や性格を表した、”生きざまとしての自己紹介”だと思っていて
「透明な心臓が泣いていた」「何色」は甲斐田晴の”本質を描いた自己紹介”と思っています。

が、今回の「月が綺麗だ。」は、”にじさんじでデビューした活動者甲斐田晴”の自己紹介。

優しさとか気遣いのある部分とか、研究者な部分とか、小さい積み重ねで築いてきたパブリックイメージも含むような、
第3者と甲斐田晴が話し合っているみたいな自己紹介。

「月が綺麗だ。」には、僕なりの解釈ではありますが、甲斐田晴さんの研究者としての側面と、ご自身が活動を通して得たものの両方を書かせていただきました。
晴れていないと見えない月の美しさこそ、甲斐田さんとリスナーの皆さんが紡いできた景色なんだと思います。アルバムリリースおめでとうございます!
これからもその素敵な歌声を、たくさん響かせてください。陰ながら応援しております!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000817.000030865.html

「晴れていないと見えない月の美しさこそ、甲斐田さんとリスナーの皆さんが紡いできた景色」この言葉が人生のご褒美すぎる。

彼の研究者気質(好奇心旺盛で、知りたがりで、思考したがり)な部分にひかれて、言葉を大切にする彼にひかれたけど
すべての歌詞がそういう部分が出ていて本当に甲斐田晴らしくて最高。

こういう歌を夏代さんが作ったというのがまたこちらとしては感動。

最後のコイントスのような音、実際どういう意図なのかわかっていないけど月が降ってきたみたいで好きです。

それにしても本当にエンドロールみたいに優しくて壮大な音楽なので、最後これを聴くと絵本が終わるみたいな感覚に陥ります。
すごいアルバムだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?