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FANTASTICSのアリーナツアーに行った話

何から言葉にしたらいいか、わからない。全部覚えていたいのに、手元に残っている感情は「楽しかった」だけで、そのこと以外の記憶があっという間に消えていこうとしている。
今まで、たくさんのライブに行ってきた。あの時の誰々のあれがよかった、あの曲のあそこがかっこよかった、MCで言ってたことが素敵だった。どんなに良いライブを見ても、そんな感想が溢れてくるのが普通だったのに、どんな言葉で昨日見たものを書けばいいか、全然わからない。語彙が奪われる、なんてレベルをはるかに超えた感動と余韻。大袈裟ではなく、昨日、わたしの人生が変わった。「FANTASTICSを見る前」と「FANTASTICSを見たあと」に分かれたし、わたしはもうFANTASTICSを見る前のわたしには、戻れない。はい。完落ちです。これもって完全に正式に落ちました。もう充分落ちてたけど、それよりもっと、深いところに。わたしは、いつか来るその日まで、君たちとずっと一緒に人生を歩んで行くよ。

FANTASTICS 初のアリーナツアー、INTERSTELLATIC FANTASTIC。会場を宇宙船に見立てて、メンバーが様々な演出で、星々の間へと誘ってくれる。チャリから電車に乗り換えて、飛行機でも留まらなくなった彼らが、今度はロケットに乗って、わたしたちを前人未到の彼方へと連れていこうとしている。

BTTMは行ったけど、ガチなライブへの参戦は今回が初めてだった。名古屋公演をその日に選んだのは、ほりなつくんの地元だから。ほりなつくんの、そしてFANTASTICSにとっての特別な場所で、自分の「初めて」を迎えたかった。FCで取ったチケットは、スタンドSのセンターブロック2列目(1列目もしかしたら関係者の方だったのかも)スタンドのブロックの中でもいちばんいいブロックだったのではないかと思う。Sだもんね、S。天皇陛下がもし見に来たらここに座るんじゃない!?と言えそうな席(なにそれ)センターステージの真横。視界を遮るものは何もなく、目線の先まっすぐにセンターステージ、からだの向きを少し変えればメインステージが端から端までしっかり見える、という、初めてのわたしにとって、とても良い席が用意されていた。

まだツアーも始まったばかりで、ネタバレを踏むのが嫌な方もいると思うので、わたしが感じたことメインにはしてるけど、多少のネタバレも含んでいるので、そこはどうか自衛してくださいね。まっさらなきもちで初日を迎えたい人は、ここまでにしておいてください。



























とにかくもう、ただただ、FANTASTICSがFANTASTICSだった。他の誰にも代えられない、あの9人だからこそできるステージングを、惜しげもなく見せてくれた。最高のエンターテインメントだった。
並んで踊っているだけで目が離せなくなるなつなつのダンスに、ずっと目の心も奪われたままだった。別のところを見ようとしても、ほりなつくんとさわさんしか見ていられない。そこから視線を動かせない。なんて美しいの。
ふたりのことだけをずっと見ていたい、と思っているのに、視界に飛び込んでくると目で追わずにはいられないのが、世界さん。他のメンバーのダンスを掻き消さんばかりの、圧倒的な、しなやかな、細やかな、これ以上ないところにまで行き届いたからだの動き。動かし方。レベチだった。本物の天才を見た。
そして、パフォーマー最年少ながら、最近メキメキと色気を増してきている慧人くんの、一瞬たりとも気を抜かない、指の先、爪の先まできれいなダンス。慧人くんが、もっと歳を重ねて、その分の色気もどんどん積み重なっていったら、なんて、考えるだけでも目眩がする。ライブ中の、スイッチが入ってる状態の慧人くんのあの色気やばい。エグい。
大樹くんの(他のメンバーに比べたら)小柄なからだを最大限に大きく見せるような、パワフルなダンス。治安悪めに煽って(最高)(もっとオラオラしてくれても構わない)客席を盛り上げて、そのたびに一体感が増していく黎弥くんのマイクパフォーマンス。そして、そんなパフォーマーの強すぎる個性をまとめあげるように歌う、勇征くんと颯太くん。伸びやかに、ていねいに、でも力強く歌い上げる勇征くんと、甘く繊細で、そこに想いをたっぷりと乗せて、しっかりこちらに届けようと歌う颯太くん。全員が全員で、FANTASTICSであることを、まざまざと見せつけてくれた。

そして、9人目。ほりなつくんが、メインステージの前方に出てきた。パフォーマーのソロのダンストラック。口に咥えた、STMNのネックレス。鬼気迫るって、きっとこういうことを言うんだろうなと思える、息をすることすら憚られるような、ほりなつくんのソロ。そのからだから、表情から、そこに込められた熱い想いがまっすぐに伝わってくる。かっこいい、なんて、そんなひと言で表してしまうことが失礼な気さえするパフォーマンス。その姿を、何一つ見逃したくなくて、ただ見つめることしかできなかった。
ソロの最後、天井からのピンスポットがほりなつくんを差した。それ以外の照明が消えて、その一筋の光のなかで、両手を突き上げ天を仰いだほりなつくんの美しさを、わたしは一生忘れないと思う。
わたしの人生を変えたほりなつくんのダンスは、果てしなく美しくて、かっこよくて、その背景にある、きっと誰よりも大きく、重く背負っている深いかなしみすら強さに変えて表現されていたように見えて、その強さが、あまりにも美しかった。見ていたときは、その迫力に打ちのめされてたけど、思い出して書いている今になって、涙が出てきたな。魂の、渾身の、ダンスソロだった。あの時、確かに、ほりなつくんの想いは翔太くんに届いていたし、あのほりなつくんを見て「やっぱ最高で最強のBuddyだな」って笑っている翔太くんが、あの場所にいたって信じてる。
ほりなつくんのあのソロで、FANTASTICSはいつだって9人なんだって、思い知らされた。あのソロを、名古屋で見れて良かった。それだけで、お釣りが来るほどの体験だったと思う。ほんとうに、すごかった。ライブの最後のMCで「ここでライブをして、自分が何のために踊っているのか、その意味を改めて思い出せた気がします」(ニュアンス)と言っていたほりなつくん。そんな言葉が聞けた公演が、わたしの「初めて」だなんて。なんてしあわせなことなんだろう。わたしはとんでもない人たちを好きになってしまった。しあわせすぎる。心のなかの宝箱に、またひとつ、大切ないちにちが増えた。走馬灯ギャラリー(なんだそれは)のいちばんメインの場所に、2024年2月20日は、もう間違いなく展示されている(?)

開演前のVTR、メンバーが出てきた時の宇宙っぽさ、からの、1曲目が始まるまでの演出、パフォーマーのソロ、ボーカル2人でのバラードとアプデライフの披露、コレオがついたいつおぐ、ちょっとした茶番、会場全体でバチくそに盛り上がったCANONBALL🎳アンコールでのDARK MATTERとペパヤム。たくさんの見せ場がめまぐるしく用意されていて、ほんとうに楽しかった。
ステージ全体に用意された大きなモニターや、メインステージの中で、曲によって変わっていくセット構成。シンプルすぎるほどの、飾り気のないセットだからこそできる、セットそのものの様々なフォーメーション。細部まで考え抜かれて、やりたいこと、表現したいこと、が、最大限実現するような体制が敷かれていたんだな、と思う。そして、会場全体を美しく照らす照明。スケールの大きな演出は、アリーナだからこそ、だったと思うし、広さも高さも生かしたステージを作ってくれたのは、アリーナの、スタンドの、いちばんうしろの列にいる人にまで届けられるように、という想いの表れだったんじゃないのかなぁ、なんて思っている。素晴らしい総合芸術だった。
そして、生バンド。ほんとこれがとにかく最高。生バンドだからこそできるアレンジがたくさんあって、生バンドだからこそ生まれるグルーヴに乗って踊るパフォーマーたちの生き生きとしたダンスは、本当に、本当に、結局この言葉にしか着地できないのがめちゃくちゃ申し訳ないんだけど、ほんとうにかっこよかった。欲を言わせてもらえば、もっと、もっっっっと、リズム隊の音大きくしてもらっても全然いいです。ベースに貫かれたいんです。もっと音に包み込まれたい(知らんがな)
しかしそれにしてもDARK MATTERのコレオほんとかっこよかったな。レーザーを使った演出も曲の世界観を表現するのに上手に使われていて、めちゃくちゃ良かった。早くもう1回見たい。何回でも見たい。ライブでしか見れないからあと2回しか見れない。やだ。もっと見たい。かっこよすぎた。かっこよすぎたな。


何から言葉にしたらいいかわからない、とか言ってたくせに書きすぎである。てか、ここからはめちゃくちゃそうですか、って話になるんだけど。なんかさ、すごく不思議なんだけど、ライブを見ている時も、見終わったあとも、自分が思っていたよりも心は凪いでいて。ライブを楽しむとかテンションとか、そういうのとは別の次元の話ね?(ライブはめちゃくちゃ楽しかったし、結局、買ったのにフラッグは1回も使わずに己の拳だけでひとりでブチ上がって最高に盛り上がったよ) もっと、心の深い部分の話。

これ↑を書いた時、このあとに別の劇場でもう1本ライブを見てから帰ったにもかかわらず、NGKで寄席を見たその体験にめちゃくちゃ興奮してて、帰りの新幹線の中で突き動かされるように書いたのね。書きたい!書かなきゃ!っていう衝動がこの時はものすごかった。
でも、今回「今まで見たことがなかった、知らなかった世界を知った」っていう点では同じことを体験したはずなのに(しかも今回は今いちばん推している人たちを目の前にして)自分の心の状態がこうならなかったことが、すごく不思議。でも静かに、たしかに、心の奥底が大きく変わってはいて、だからなんだって言われたらうまく言えないんだけど、なんか、表面的に荒れ狂ったような波じゃなく、完全に、根底から、心のいちばん深いところから、わたしは新しいわたしになったんだなーって、思ったりしたのでした。という話でした(そうですか)

空港に着いて、迎えに来てくれてた夫に「どうやった?」って聞かれたから「楽しかったしか残ってない。ぜんぶ覚えていたいのに、楽しかったってことしか思い出せない」って答えたら「一生に一回でいいからそんなこと言ってみたいわ」って返ってきた。そこで改めて「そうか、それだけの体験をファンタちゃんがくれたんだな」ってしみじみと実感して、わたしはなんてしあわせな人生を送ってるんだ、ってすごくあったかいきもちになった。推しがいる人生で良かった。FANTASTICSを見つけられて、好きになれて、ほんとうに良かった。知らないままじゃなくて、ほんとうに、ほんとうに良かった。
あの場所にいた、あれだけの人が、きっとみんなそう思ってたんだろうなって思うと、それだけで胸が熱くなる。みんなさ、自分がいちばん推しのこと好きだわ、って思ってんじゃん。わたしも、わたしがこの世でいちばんほりなつくんのこと好きだかんな!!!!って、思ってる(それでいいのよ)
わたしの、わたしだけの「すき」と同じ熱量のものを、あそこにいたひとりひとりが持っていて、そのきもちを全部持ってここに集まったんだよなって思うと、それを受け止めて、その想いに応えようと、こちらに返そうとしてくれているメンバーからのきもちの大きさってどんくらいなんだろうね。計り知れないな。たくさんのものを、有り余るほどのものを、FANTASTICSから頂いている。ありがとう。素晴らしい景色を見せてくれた9人に、心からの感謝を届けたい。最上級の「たのしい!」を、しあわせを、ありがとう。

INTERSTELLATIC FANTASTIC、最後までFANTASTICS 9人と、わたしたちFANTARO全員で、誰ひとり振り落とされることなく、前人未到の彼方までぶっ飛んで行こう🌏✨️🚀🪐ファンタと、ふぁんたろーでなら、できるよ




*21日の帰りの飛行機の中で大半を書いたんだけど、その時のそのままを残しておきたかったから、そのままの文章で上げてます。文中の「昨日」は2月20日の名古屋公演初日のことを指しています







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