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テクノ新譜試聴メモ:2018-05

Conrad Van Orton - Green Eyes [Attic 15]

一時期ディープで重めのテクノを連発していてすごく好きだったCVOの新譜が久々に出ている、と思ったら去年のEPがデジタルになったらしい。モノクロームで退廃的な世界観とスペーシーなパッド使いはそのままに、前のめりなウワモノの反復にハマる。これはめちゃくちゃカッコイイ。

Regal - Fenix [Involve 20]

オールドスクールなアシッドトラックに定評のあるスペインのRegal。今作は、テクノでは最近かなり珍しいタイプの凝ったプロモーションビデオまで制作されている。曲はやはりちょっと昔懐かしい感じの4つ打ちテクノで、サイドチェインを効かせた分厚いベースとトランシーなシンセのアルペジオでストレートに攻める。それにしてもキックがいい。

Simbiose - Formal Structures [Dynamic Reflection 21]

ポルトガルのデュオの2枚目、スペインのKalter Endeとの共作EPから。わたしも知らないアーティストで、レーベルをフォローしていてこのリリースで知った。Steve Bicknellばりのグニャグニャしたハマり系のドープなミニマルかと思いきや、比較的抜き差しの展開がはっきりしていて単体でも楽しめる。ジャケもかっこいい。

Exilles - Istmo [Planet Rhythm]

これはノーマークだった謎のイタリアの二人組アーティスト。Artsとかからも何枚か出していたらしい。暗く重いレイヴィーなテクノでとても好み。ラフなようでいてとても作り込まれたモダンな音像というか、丁寧な職人芸だなあと感じる(まったくの新人とは思えない)。それにしてもPlanet Rhythmはこういうダークな音だけをブレずに20年くらい発掘し続けていて感心する。

Setaoc Mass - True Lies [SK_Eleven 6]

マンチェスターを拠点に活動するソロユニットSetaoc Massの自身のレーベルから。裏打ちのハットがシャキシャキした縦ノリ特有のドライブ感の上で、ピコピコしたトリッピーなウワモノが変化していく様子が気持ちいい。

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テクノ新譜試聴メモ」は、R-9が習慣的に行っている新譜チェックのなかから、気になったトラックについて個人的な覚え書きを残しておくものです。原則としてBeatport上で当月内にEPないしアルバムとして新規にリリースされたものが対象。通常は楽曲単位での紹介、まれにEPやアルバム単位で紹介することもあります。

見出しタイトルは、アーティスト名 - タイトル [レーベル名(カタログナンバー)]の順で表記し、アーティストかレーベル公式、もしくはHATE(非公式新譜紹介メディア)がYouTube上で試聴を公開している場合はその動画と、Beatportへの楽曲購入リンクを併記します。

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