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教習所日記(3) 仮免許取得

前回:教習所日記(2) 仮免前|R-9|note

昨日のことですが、無事に仮免許を取得して教習所での普通車ATコースの第一段階を修了しました。入校して教習開始したのが9月10日だから、ここまでちょうど一ヶ月。40代で、仕事をしながらでも、少なくとも一ヶ月で仮免までは取れましたということです。なんとかなった!

ただ実際のところ、予定通りに進むかどうかは最後までギリギリのラインでした。わたしの場合、入校時にプランナーさんに卒業までのひと通りのスケジュールを組んでもらうコースにしたのですが、もちろんそれは技能教習が順調に進めばの話で、各教習の課題をクリアできなければ第一段階最短の12時限からどんどん伸び、その先の予定も狂ってしまう。あらかじめバッファを含めて15時限までは組んでもらっていたので、どうにかそれ以内に仮免前の最後の関門、いわゆる「みきわめ(見極め)教習」に合格できるかが課題でした。

前回書いたようにわたしは技能の項目8で躓いてしまい、都合3回ダブってしまったのですが、なんとかそのあと要領を掴んで挽回できたため、教官やスケジュール担当の方と相談して、15回でいけそうですねという話にはなっていた。いたけれども、結局みきわめで教官のハンコが押されないことには修了検定(仮免の技能試験)にチャレンジできないので…予約の都合で一週間乗れないあいだは、そわそわと落ち着かない日々を過ごしていました。

第一段階みきわめ

そのみきわめを含む技能教習の14,15時限めの予定当日、なんと天気は大荒れ。真冬のように寒く、雨が叩きつけるなか、ずぶ濡れになって教習所に辿り着く。運が良いんだか悪いんだか、ここまでの13回の教習はずっと晴れor曇りのコンディションだったから、そもそも路面が濡れてたり、ワイパーも動かして薄暗いなか運転するのが初めてという状況でした。

14時限め、外周と内周を行き来しながら総合的な練習を繰り返しつつ、踏切の横断方法を習う。一時停止まではいいとして、必ず窓を開けて音を聞く決まりになっているから、そのたびに車内に豪雨が吹き付けてえらいことに。このときの教官はご陽気なお爺ちゃんで、わりと褒めて乗せてくれるタイプの方だったのでやりやすかった。雨がひどいから、ほかの教習車が道を譲ってくれる合図が見えない見えない。

改めて教習コース内で失敗しやすい場所や、ハンドルを切るタイミングの目安などの具体的なアドバイスをもらえた。このクランクの入口のここでブレーキ踏むとか、この左折はこの線が見えたらハンドル切るとか。こういう、路上で応用の効かない裏技というか、試験対策的なアドバイスは、あけすけに教えてくれる教官とそうでない教官がいる。

15時限めはいよいよみきわめ教習。最初にその旨の説明があり、修検と同じコースの走行を前提に、これまでに学んだ右左折、障害物、坂道、クランク、S字、踏切などの課題をひたすらなぞって練習していく。総合的な復習であると同時に修検の予行演習でもあるので、教官は「何番右折」「何番左折」みたいなことしか言わないし、ミスったら指摘が飛ぶのでそこそこのプレッシャーを感じた。

S字をS字とも言わず番号で言うので(修検がそのルールになっているそう)、何度も道を間違えてしまい、どんどん焦る。道間違えは試験では減点対象にはならないけれども、ルート復帰までの走行は減点方式の採点の対象になるため、なるべく指示通りに走りたい。所内コースはコーナーの番号を含めて頭に入れておいたほうがいいみたい。

結果、厳しい指摘はあったもののみきわめもクリア。教習後に受付で修了検定の予約を入れて、この日はおしまい。実感として、ひと通りの操作感は頭に入ったから、試験当日にイレギュラーな要素に当たっても落ち着いて対処すれば、よほどのことがない限りパスできそうな手ごたえを得ることはできました。

修了検定

さて、仮免試験。仮免許を取得するためには公安が定める修了検定(技能試験)と学科試験をともに合格しなければならなくて、うちの教習所では日程的にこれらはそれぞれ別日になっている。わたしは最短で予定を組んだので、みきわめ翌日の土曜に修了検定、日曜に学科試験と、いい流れで日程を組めた。

当日、幸いにも雨は上がり、よい天気。指定された時間に集合場所へ行くと、この日の受験者は計11名だそうで、3グループ3台の検定車に分かれてローテーションで行う旨説明を受ける。ひとりが運転する際は助手席に検定員(本来は警察官だけど教習所ならその役を代行する教官)、後部座席には別の受験生がもうひとり乗るのがルールなんだって。

指示されたグループに入ると、検定員の教官が、たまたま技能の13時限めでスケジュールの相談に乗ってくれた物腰柔らかいおじさまで、見知った顔に幾分緊張が和らぐ。さっそく順番に呼ばれたら、まずはほかの受験者の車に同乗すべく後部座席へ。ドライバーは開始前に生年月日と名前を言うんだけど、平成13年生まれだって! 平成13年、おととしくらいでしょ。

自分の番。ここまでけっこう待ったのと、前の子の運転がとてもうまくて良いイメージが掴めたからか、思ったよりも緊張せずに臨むことができた。始終点を出て最初の直線で速度指定35km/h、ここは練習で何度か速度超過を指摘されたので気をつけつつ、外周を回って坂道で一時停止からの坂道発進。ここも練習で下りでローギアに変えたあと戻し忘れたな…とか思い出しながら、内周に入って右左折、見通しの悪い優先道路への小回り左折も、教習でたくさん注意された甲斐あって要領よくいけました。

S字、クランクは危なげなく一発で抜けられて自信がついた。事前に、もし脱輪しても後退してやり直せば1度目は減点なし、切り返しも3回までならセーフという話を聞いていたからか、比較的落ち着いてトライできたのもあるかも。

検定中も、コース内は普通にほかの技能教習車が走っており、しかも土日なので車が多いんだけど、検定車は目立つ三角の目印を乗せて走っているので、わりと譲ってくれる。とはいえ、怖いのは右左折対向車見落としなどで検定員にブレーキ踏まれての一発アウト。慎重に慎重に、行けるかどうか微妙なときは、行かない…! と念じながら。

昨日やったばかりの踏切を超えて、最後は、始終点の指定されたポールの前と左30cm以内への停車。左のライン超えたら一発アウトとも聞いていたから、検定員が窓を乗り出してチェックしているのにビビりつつも、なんとか。ここもオーバーするくらいなら慎重に、最悪多少の減点で済ませたほうがいいポイント。無事に走行を終えました。

しばらくして全員が教室に集められ、ひとりだけ名前を呼ばれて退出したあと、残りは全員合格とのこと。この日の11人中、10人は合格だったのでした。走行後の車内での講評での感触から、なんとなく行けたことは分かっていたけど、どっと肩の荷が下りた感じ。うれしい。

仮免学科試験

翌日、学科試験。この試験は免許に必要な視力聴力や運動機能の測定も兼ねていて、教室で手や足をぶらぶらしたり軽く前屈や屈伸をしたりもする。試験や資格に縁のない生きかたをしてきたので、マークシート方式のテストらしいテスト、これも本当に何十年ぶりだな…。

試験はMUSASIで仮免問題をやり込んだのと、入校時に配られた想定問題集でも7回中7回合格判定だったので、技能に比べるとそこそこ自信はありました。にしても、効果測定(みきわめ前にクリアしなければならない予備テスト)に比べて問題がだいぶ簡単だった。「免許を持たない人や飲酒した人に運転をお願いした」「自分が良ければ周りに配慮した運転はしなくてもよい」みたいなやつ、なに!?

結果、この日受験した17名全員が合格。問題の当たり外れもあるのかもしれないけれど、基本的に仮免の学科はそんなに難しくないのかな。49点でした。効果測定と違って、試験が終わっても自分が間違えた問題は教えてくれないんだけど、おそらく1問落としたのはこういう問題。

問:オートマチック車を運転するときは、エンジンをかける前にアクセルペダルを踏んで確認し、ブレーキペダルを目で見て位置を確かめておく。

これ、アクセルとブレーキの表記が逆で、正解は×なのでした。確認すると教本にも確かにそのように書いてあるし、言われてみればMUSASIの練習問題でも同じ問題があった。なんだけど、エンジンかける前なら両方踏んで両方見て確認しておいたほうが良くない!? みたいなモヤモヤがある。でも教本に書いてあったらそれが正なのだ。そういうクイズなのだ…。

仮免許は後日発行とのことで、第二段階の教習スケジュールのざっくりした説明があり、この日は終了。みきわめ~修検~学科試験と、立て続けの週末を乗り越えました。

第一段階の感想とこれから

それにしても、この歳で完全な「無」から一ヶ月で車を運転できるようになるのだなあ。自分ごととしてはもちろん嬉しい一方、普段自転車で公道を走っている身として改めて車の怖さを思い知った。運転席からあんなにも「見えない」乗り物を、車両感覚を十分に掴めているかどうかもわからないドライバーが運転している可能性があって、自転車よりもずっと速いスピードですぐ右をビュンビュン追い抜いていたんだなあ…みたいなね。

教習所、最初の入校相談のときに、30代40代の人もけっこう多いですよみたいな話だったけど、全然そんなことなくて、本当に18、19かハタチそこらの子しかいない。いまのところ見ため同世代の教習生に会ったことない。反面、だから気後れしたりやりにくいかというと別にそうでもない。所内には高齢ドライバー講習のお年寄りもいるし、教官はおっさんばかりだから、始まってしまえば淡々とカリキュラムをこなしていくという感じです。

初めての運転は、最初はワーッ楽しいなで始まるんだけど、途端にできないことが山積みになって途方に暮れ、そこから少しずつできるようになるというプロセスが一般的な習いごとの学習曲線とだいたい同じで、それを理解したらあとは気の持ちよう。滅多にないこと、楽しみながら進めたい。

このあとの第二段階、次の教習でさっそく路上に出るとのことで、また意気込みを新たにしています。順調に行けば、残りひと月足らずで卒業!


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