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テクノ新譜試聴メモ:2022-05

JakoJako & Rødhåd - Lilium [WSNWG]

今月のおすすめアルバム"In Vere"から。JakoJakoはベルリン在住の女性プロデューサーで、今作は2021年春に行われたRødhådとのコラボレーションの成果によるものとのこと。モジュラーシンセによるミステリアスで美しいアルペジオを響かせながらも、これまでトラックメイキングでは比較的ディープ路線を続けてきたRødhådにしては、ストレートにアッパーな4つ打ちもあるのが意外に感じられた。タイトルを花や動物の名前から取ったという、アルバム通しての世界観も良かった。

RNGD - Default Device [Atroc]

今回初めて知ったスペインのDOHRGが主宰するAtroc Recordsのコンピレーション。HD Substance、Drop-Eらも参加するなか、ここのところ存在感のあるRNGDの新曲。ひたすら内向するダークな縦ノリのグルーヴが気持ちいい。

d_func. - Bio Structures 1.2 [Molecular]

奇跡の復活を果たしたMolecularレーベルからAlexsander Kowalskiのd_func.名義の作品。2曲とも攻めたツールトラックだけど、どちらかというと1.2のB面感というか、地味さが好きになってしまう。

Linear System - Inertial Confinement [Edit Select]

スペインのLinear Systemによるヒプノな4トラックEP。骨太で重心の低いシリアスなビートの上を不安定な発振音が行き交う、どれも使いやすいトラック。

Farceb - Frequencies From Nibiru (Divide Remix) [Concepto Hipnotico]

アルゼンチンで精力的なリリースを重ねるConcepto Hipnoticoから、Divideらしいがっつり潰したロウな質感の直線的なハードミニマル。デビュー以来ずっと同じ作風を続けていて若干食傷気味なところもあるけど、今回のようにハマるとかっこいい。

MTD - True Love (Linear Phase Remix) [Collective Details]

Methodical主宰MTDのブリーピーなテクノを5人の気鋭のプロデューサーがリミックス。素材がシンプルなだけに個性が色濃く表れるなか、半分のビートで瞑想的に仕上げたLakejのような作品もあれば、頭角を現し始めたスペインのLinear Phaseによる覚醒的ミニマルもある。聴き比べたい。

今月取り上げたトラックはSpotifyのプレイリストにまとめてあります。

「テクノ新譜試聴メモ」は、R-9が習慣的に行っている新譜チェックのなかから、気になったトラックについて個人的な覚え書きを残しておくものです。原則としてBeatport上で当月内にEPないしアルバムとして新規にリリースされたものが対象。通常は楽曲単位での紹介、まれにEPやアルバム単位で紹介することもあります。

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