テクノ新譜試聴メモ:2019-08
8月は個人的に引っかかるトラックが少なかったので手短に…と思ったんですけど、その前にひとつ。C.J.ボーランドの"Camargue"のリメイク&リミックス聴きました? なんと出たのがDrumcodeからというのも時代を感じる。
92年のオリジナルのレコーディングにR&Sのエンジニアとして関わっていたThe Adventことシスコ・フェレイラも今回は正式にアーティスト名にクレジットされている。原曲に比較的忠実な2019バージョンと、5曲のリミックスが収録されているんだけど、正直言ってリミックスが良くない。予想の範囲内! お題としてはあまりにも有名なアンセムで、ネタの難易度が高いのは分かる…それだけにもっと攻めてほしかったし、今の時代だからこその新しい価値を与えてほしかった。とはいえ、Drumcodeはいまそういう冒険をするレーベルじゃないことも知っているので、なんだかなあ…という思いだけが残る。まあ私はアルバム"4th Sign"では圧倒的に"Spring Yard"派だったので、そこまでのショックではないけれど。
いま聴いてもわくわくするビルドアップだ
今月の試聴メモです。
Marco Bruno - Any Given Sunday [Hardgroove 26]
今月はこれ! ベン・シムズのHardgroove、26番のA1にマルコ・ブルーノが登場。パワーのある低音域のグルーヴとロウ・スタイルなざっくりした抜き差し展開、撥ねたシンプルなウワモノシンセと、使いやすく気持ちいいトラック。デデッデッデッデッがデデーデーデーデー、みたいにしてブレイクでウワモノのディケイが伸びていくやつめっちゃ好き。
Hioll - Bad Behaviour [Abstraction 16]
よく知らなかったんだけど、キューバのテクノレーベルでキューバのアーティストらしいです。ドライブ感のある縦ノリのハードトラックで、キュンキュン鳴っているシンセがかっこいい。3分過ぎたくらいからのブレイク超燃える。無心でガシガシ踊れる好きなタイプの曲。
Damon Vallero - Reform [Electracom 36]
昔から大ファンのデイモン・ヴァレロのElectracom新作が2年ぶりに出た! 2曲入りEPの内容は相変わらず地味でディープなもので、今回に限っては実際そこまでツボってわけでもないんだけど、アトモスフェリックなパッドでじわじわ組み立てる2曲めとかは何とも言えない味がある。この人に関しては今もこのレーベルからデジタルで新作が出続けるだけでうれしい。
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「テクノ新譜試聴メモ」は、R-9が習慣的に行っている新譜チェックのなかから、気になったトラックについて個人的な覚え書きを残しておくものです。原則としてBeatport上で当月内にEPないしアルバムとして新規にリリースされたものが対象。通常は楽曲単位での紹介、まれにEPやアルバム単位で紹介することもあります。
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