JUNK-O-MIX(ユンコミックス)
2015年の7月に、ニンジャスレイヤー第3部のキャラクター「ユンコ・スズキ」をイメージしたファンメイドの自作DJミックスの録音を公開しました。音源は今もSoundCloudで聴けるほか、mp3形式でも配信しています。
ジャンルはドラムンベース(Drum'n'Bass)。直接的にニンジャスレイヤーの楽曲は1曲も使用していませんが、そもそもアニメにもドラマCDにもまだユンコちゃんは登場していないので、完全にイメージで。選曲にあたっては、サイバー感や疾走感みたいなものを重点しました。いくつかの具体的な場面を想定してエピソード仕立てとして構成したほか、随所に小ネタを入れています。
わりと始終ハイテンションなノリなので作業用BGMには向かないかもですが、気分転換だとか、ちょっと元気を出していこってときの移動中とかにおすすめです。録ってから2年近くになりますが、私もたまに聴きます。
オンラインで聴けるSoundCloudはこちら
mp3のダウンロードはこちらから(96MB/zip圧縮ファイル)
http://spiegelfuge.dojin.com/R-9_-_JUNK-O-MIX_(Ninja_Slayer_Fan_Mix).zip
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以下は簡単なコメンタリーです。曲順のあとのカッコ内は開始時間、アーティスト名、曲名の順。もし気になる曲があったときはYouTubeなどで辿ってみてくださいね。
全曲コメント&解説
01. (00:00) Björk - Thunderbolt (Current Value Remix)
ビョークのジェンダーを超えた強烈なエゴは、サイバーゴス要素こそないものの、ユンコのイメージには合いそうだなと前から思っていました。リミキサーのCurrent Valueは、ドラムンベースのサブジャンルである「ダークステップ(Darkstep)」と呼ばれる音楽のオリジネイターで、ここでもビョークの世界観に輪をかけて個性的なリミックスを披露しています。
02. (03:39) Grafix - Show Me How
前半パートは、特にこの曲のようなサイバー感のあるアップリフティングな曲で固めています。ピコピコした音が気持ちいい。ハイウェイを疾駆するマルミXR-6と、流れてゆくネオサイタマのネオンのイメージ。
03. (05:28) Dirtyphonics - Bonus Level
タイトル通りファミコン的な音ネタを散りばめたトラック。ニンジャスレイヤーのUNIX表現には、カエルOSをはじめとしたオールドスクールなピコピコ感がよく登場するので、そのイメージでもあります。
Dirtyphonicsはライブがメチャクチャかっこよく、たくさんのサンプラーやターンテーブルを並べてセッションのようにしてリアルタイムに音楽を作っていきます。
04. (07:07) The Prototypes - Evolution (feat. Darrison)
切なげなギターのメロディがシンセへリレーしていくブレイクが印象的な曲。エヴォリューション(進化)は、ニューロンチップ再生技術全般に対しても言えることかも。
05. (09:40) Netsky - Eyes Closed
初期のNetskyは垢抜けない感じがありつつも、派手すぎずエモーショナルな曲が多く気に入っています。奥ゆかしいサイバー感とはまさにこのこと!ファーストアルバムくらいまではザラザラしたベースラインの音作りが特徴的で、メロディもなんだか物悲しいものばかりで個性があった。最近はこういう曲を作らなくなってしまったのでちょっと寂しい。
06. (11:08) Bionic 1 - Sound Is Everything
サイバーゴスクラブ「ウゴノシュ」でこういう曲がかかっていたらいいなあ。割れ気味のボイスサンプルがキャッチーな、硬く直線的でパワーのあるドラムンベース。
07. (13:19) Nu:Tone - Missing Link
タイトルだけで選びました。でもこういうあまり色がついていなくてグルーヴをキープできる橋渡し的なトラックはDJでは重要で、Nu:Toneはそういう意味ではアルバムでもいつも捨て曲がなく重宝します。
08. (15:09) Syncopix - Disc Go!
GO JUNKO! GO! 駆けるようなアグレッシブさと前向きな明るさのある曲です。Syncopixは大好きなアーティストで、去年は久しぶりに出たアルバム "Benevolence"をひたすら聴いていました。流行りに左右されない音楽性があると思います。
09. (16:59) Axis & Trank - The Scent (Current Value Remix)
死神のエントリー!この曲のような、典型的なダークステップのハードコア暴力性と無慈悲さは、まさにニンジャのイクサを表現するのに相応しいと思います。人知を超えたスピードで飛び交うスリケンと銃弾、そして拳。ゼンメツ・アクション・モードのユンコもマシンガンやミサイルを駆使して戦う。
10. (20:02) Nu:Tone - Lightning
この曲が収録されている2014年のアルバム"Future History"は、オールドスクールなジャングルへの憧憬とSF的近未来観が同居していて素晴らしいです。日常的に聴きやすく、ドラムンベース入門編としてもおすすめ。
11. (21:41) Sinistarr - Gaiden
コトダマ空間での同期ダンスのイメージ。Sinistarrはドラムンベースとフットワーク(シカゴのジューク(Juke)という音楽ジャンルから派生した概念)をクロスオーバーさせたスタイルを掘り下げているアーティスト。この曲のPVはファミコンの忍者龍剣伝(Ninja Gaiden)の映像からのサンプリングで、タイトルからしても、これはもうだいたいニンジャですね。
12. (24:15) London Elektricity - Meteorites (feat. Elsa Esmeralda)
London Elektricityは90年代からシーンを牽引するレーベルHospitalのボスでドラムンベースの重鎮。この曲は2011年のヒット曲。透明感がありカワイイなヴォーカルに美しいメロディ、何よりサイエンス系の言葉を巧みに使って畳みかける歌詞がかっこいい。
13. (29:13) Sanodg - Hand Your Hand
アッパーなシンセ・リフが耳に残るポジティブで明るいドラムンベース。Sanodgこと佐野電磁さんは、「リッジレーサー」などで知られる元ナムコサウンドチームの出身で、ゲーム音楽作曲家として活動を続ける傍ら、即売会などでオリジナルのソロ作品も発表し続けています。この曲もそのひとつ。エンディングテーマのイメージ。
14. (34:03) Frederic Robinson - Shut
眠るようなシャットダウン。このミックスはここでいったん終わります。Frederic Robinsonは異端的な才能をもったソロ・アーティストで、ドラムパッドやキーボード、ヴァイオリン、カリンバをはじめ、Wiiリモコンなどの自作のデバイスや自分の声までも使って多重録音的に音楽を作ります。間違いなくハイ・テックなのだけど、どこか牧歌的でファンタジックな世界観。去年出たアルバム"Flea Waltz"も最高でした。
15. (37:37) Netsky - Come Alive
おまけの1曲。重金属酸性雨が降るなか、死と再生、シャットダウンからのリブート。ニンジャスレイヤーにおいて若者が登場するエピソードから感じる危なっかしい若さ、青春の青臭さのような雰囲気がこの曲にもあります。バンドサウンドのようなパートと、サビのドラムステップ(ダブステップのドラムンベース解釈)のパートが交互に来るのが楽しい。
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覚醒ニューロン時間感覚で数十分間に渡りネコチャンと踊り続けたユンコは、汗だくになって息を切らし、地平に座り込んでいた。「気持ちよかったね」「ハイ、気持ちいいです」
―『オイランドロイド・アンド・アンドロイド』#6-42より
キャラクターやエピソード重点のDJはいずれまたやってみたいです。
Produced by: Spiegelfuge / EPX studio
Release date: 21 July 2015
“Ninja Slayer” is originally written by B.Bond & P.N.Morzez, Japanese translation by Y.Honda & L.Sugi.
本作は小説『ニンジャスレイヤー』の二次創作で、非公式です。
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