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【書籍オススメ】『悪魔が世界を統治している』第一章 人類を壊滅する邪悪の陰謀 1. 人類の思想を堕落させる

人類を壊滅する邪悪は何世紀にもわたって、系統的で緻密な陰謀を仕掛けてきた。その企みは社会現象から大衆運動、政府の上層部にまで至り、歴史をまたにかけ、世界中で人類を誘導し、根絶するために、絶え間なく実行されてきたのである。

1. 人類の思想を堕落させる

悪魔は、善悪を見分ける基準を逆転させた。つまり、高潔を悪とし、非行を善としたのである。その邪悪な概念を「科学」という言葉で偽装し、まともでない理論を「社会正義」という言葉でカバーした。「ポリティカル・コレクトネス」で歪んだ概念を押し付け、「価値観の中立性」を宣伝し、そのため人々は残虐な行為を目にしても、全く無感覚になってしまった。

a. 無神論という嘘

人間は神によって造られ、神を信じる者は神の加護を受ける。従って、人類の壊滅への第一歩は、人間と神の絆を断つことである。悪魔は彼らの代理人を人間界に遣わし、無神論を広め、絶え間なく人間の思想を歪めた。

1850年代、ドイツの唯物論哲学者ルートヴィヒ・アンドレアス・フォイエルバッハ(Ludwig Feuerbach)は、神とは人間の感情が投影されたものにすぎないと述べた。社会主義者の革命歌「インターナショナル」(The Internationale)は、創世主は存在しないと唱える。しかし、人間の道徳の基準と理性的な思考は、全て神を源としている。動乱の歴史の中で、神への信仰は太い錨の綱であり、人類が大波にのまれて見失わないよう保障する命綱であることを忘れてはならない。

君主政治と聖職者たちを倒したフランス革命の流血事件を見て、イギリスの哲学者エドマンド・バーク(Edmound Burke)は、「人々が神を演じると、まもなく彼らは悪魔のようになる」と言った。無神論に惑わされた傲慢な者たちは神を演じるようになり、他人の運命と社会をコントロールしようとする。最も狂信的な共産主義者は自分を神格化するのが常だ。無神論の拡散は、人類を壊滅する悪魔の仕業の第一歩である。

b. 唯物主義という詭弁

精神と物質は同時に存在している。一方、マルクス思想の核心は弁証法的唯物論で、精神の存在を否定する。唯物主義のルーツは産業革命に遡り、科学技術と製造業が急速に発達した時期と重なる。これが経験主義と無神論というカルトを促進し、人々は神の奇跡と信仰を失い、神から与えられた十戒を放棄した。

この唯物主義は悪魔が発明した詭弁であり、哲学的な概念はない。しかし、これは人間の精神や信仰を打撃する強力な武器となる。無神論の申し子である唯物主義は、知識層の主義主張の礎を築いたのである。

c. 進化論という冒涜

ダーウィンの進化論には欠陥があり、長い間、信用のない仮説とみなされていた。しかし、悪魔は神と人間の絆を断つため、この粗悪な理論を利用した。人間を動物と同等のレベルに貶め、人間の尊厳や、神に対する畏敬の念を失わせた。20世紀になると、進化論はすべての教育や研究機関に浸透し、天地創造が学校で講じられることはなくなった。

進化論は生物学だけでなく、社会科学の分野でも重要な位置を占めている。ダーウィンの原論から、社会進化論という悪質な哲学が生まれ、「自然淘汰」「適者生存」という概念で、国家共同体を野蛮な闘争のジャングルに陥れた。

d. 科学というカルト

経験主義と科学主義を武器に、科学というカルトは人間の理性を「科学的な合理性」に置きかえた。人々は、目に見えるものや触れられるものだけを信じるようになり、無神論的な世界観を強めるようになった。

現代の科学界は、彼らの方法で実証できないものを迷信や疑似科学として一蹴する。科学は世俗宗教として君臨し、人々の信仰や道徳を押しつぶし、教育と学界全般の考え方を支配している。

e. 闘争哲学

ヘーゲルによって提唱された「弁証法」は、一般的に定式化された論理的な考え方である。一方、古代中国の思想家たちは、秦王朝(紀元前221年~206年)以前から、すでにその法則について議論していた。

マルクスは断片的にヘーゲルの「弁証法」を吸収する一方、闘争という観念を誇張した。中国国民党のリーダーだった蒋介石は、共産主義者たちの目的は問題を解決することではなく、「世界の矛盾をできる限り拡大し、人間の闘争を永続させることである」と話している。

数えきれないほど何度も見てきたように、共産主義の邪霊は人々の間に憎悪をけしかけ、闘争を作り上げてエスカレートさせ、最終的には暴力革命あるいは謀略により、権力を手中に入れるのである。

f. くどい論説

無神論と唯物主義は数多くの哲学やイデオロギーを生みだした。例えば、マルキシズム、マキャベリズム、社会主義、ニヒリズム(虚無主義)、アナーキズム(無政府主義)、唯美主義、フロイト(精神分析)主義、現代主義、実存主義、ポスト・モダニズム、脱構築主義などである。その支持者や信奉者らは、単なる借り物にすぎない理論について、意味もなく、くどくどと論説しているだけである。

インテリ層はもともと智慧と知識を有するエリートだったが、過去数世紀において、彼らは邪霊の道具となり、そのイデオロギーと逸脱した世界観を推し進める輩となってしまった。

g. 不純な言語

ジョージ・オーエルの小説『1984』に、オセアニアが登場する。その「ニュースピーク」(政治家が世論操作のために用いる言語表現)にあるように、悪魔の代理人たちは、彼らの利益にかなうように、自在に言葉を変化させてきた。悪魔の辞書によると、「自由」とは、道徳、法律、伝統に束縛されない極端な状態を指す。

「人は皆、神の子である」「法の前に、人間は皆平等である」「機会は均等に」といった言葉を歪曲し、人々を絶対的平等主義へと駆り立てた。「情け深い人間は隣人を愛する」「自分と同じように、隣人を愛せよ」という言葉は、薄っぺらな「寛容」という言葉に置き換えられた。「理性的な考え」は、狭量な経験主義の科学の道具となった。極端な平等を追及した結果、正義は「社会正義」と呼ばれるようになった。

言語は思考を組み立てる大事な要素である。言語の定義や意味合い(ニュアンス)を歪め、支配することによって、悪魔は人間の思考を制御し、人間を悪魔的な結論へと導いている。

●目次

はじめに
序章
第一章   人類を壊滅する邪悪の陰謀
第二章   始まりはヨーロッパ
第三章   東側での大虐殺
第四章   革命の輸出
第五章   西側への浸透(上)
第五章   西側への浸透(下)
第六章   神に対する反逆
第七章   家族の崩壊(上)
第七章   家族の崩壊(下)
第八章   共産主義が引き起こした政治の混乱(上)
第八章   共産主義が引き起こした政治の混乱(下)
第九章   共産主義がしかけた経済的な罠(上)
第九章   共産主義がしかけた経済的な罠(下)
第十章   法律を利用する邪悪
第十一章  芸術を冒涜する
第十二章  教育の破壊(上)
第十二章  教育の破壊(下)
第十三章  メディアを乗っ取る
第十四章  大衆文化―退廃と放縦
第十五章  テロリズムのルーツは共産主義
第十六章  環境主義の裏にいる共産主義(上)
第十六章  環境主義の裏にいる共産主義(下)
第十七章  グローバル化の中心は共産主義
第十八章  中国共産党のグローバルな野望(上)
第十八章  中国共産党のグローバルな野望(下)
おわりに

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