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英検準1級の先に

2023年度第3回英検が終了しました。
海外生にとって結構ボリュームゾーンとなるのが準一級ではないかと思うのですが、どうでしょうか。

難しいと言えば難しいですが、難関大学の一般入試よりも難度としてはやや易しいレベルという感覚ではないかと思います。特に帰国生入試でTOEFLやIELTSの学習をする必要がある人にとっては、余裕を持って超えていくべき難度です。

中学生やインター歴の比較的短い方にとっては難しく感じるかもしれませんが、海外から大学入試を考えている方は合格というよりも、正答率で80%以上は超えたいところでしょう。

準一級合格を目指す対象となるのは、どういう生徒でしょうか?
日本なら高校生、大学生ということになると思いますが、海外の場合はこのような感じではないでしょうか?

・インター・現地校歴が比較的長く英語がフルーエントな小4〜小6
・海外から大学受験を検討している中学生

インターに通う高校生は、前述のようにTOEFLないしIELTS Academic Moduleにシフトすべきですので、基本的には英検受験は必要ありません。

英語がフルーエントな小学生が準一級受験する場合は、通常英語に自信がある方が受験するのでほぼ対策なしか、少し直前に対策をするくらいで合格していく印象があります。

対策が必要な対象となるのは、インター歴が短い中学生がメインとなるのではないでしょうか?

では、どのような対策が必要でしょうか?
英検は級によらず、まずは語彙力を高めていくということが必須条件です。
裏を返すと、語彙力が高ければ合格する可能性が高いということも言えます。

合格ということを考えれば、ポイントは1番の語彙・文法問題でどれだけ取れるかということが重要になってきます。通常つまずくのは1番であり、1番で60%くらいの正解がない場合は、後半のリーディングでも読むのに苦労することになるはずです。リスニングがほぼ正解できるようだと、それでも受かることはあると思いますが、ギリギリのラインでしょう。

例えば、2023年度第3回の問題を見てみます。
だいたい、このレベルの単語が出題されます。

(2)Rainforests are disappearing faster than  ever, but many environmental groups are working to save them from  being (                 ) by agriculture.

1. interpreted     2. facilitated     3. reprimanded     4. devastated

どうでしょうか?

中学生には難しく、インター歴がそれなりに長い生徒にはそれほど難しくないレベル感ではないかと思います。

これがどれくらいの難度かというと、非英語圏の英文媒体などを理解するのに困らないレベルの単語(Japan Timesなど)という感覚です。あるいは、それほど専門性が高くない、あるいは文学的な文章ではない英語圏で発行されている記事という感覚でしょうか。

英語ベースで学習するには必須のレベルの語彙というふうに捉えて頂ければ分かりやすいかもしれません。

合格ということだけを目指すのなら、準一級用の単語集や過去問集で対策すれば十分だと思いますが、その先を考えるのであれば、実際の英文記事などを読み込んでいく中で語彙を拾っていくのが良いと思います。文章という大きな流れの中で、どういう使われ方をしているかという視点は後々重要になってきます。

単語集にも例文が載っていますが、それは文という短い流れの中での意味なので、使えるレベルにまで昇華させるには物足りないと感じます。

話せて、書けてという使用できるところまで持っていくことを、ぜひ目指してほしいと思います。