ガタリ『カオスモーズ』についてのメモ①

 先に言っておくが本の内容には全然触れない。
 私の手元にある原著は、最近出たlignes版だ。旧版はgaliléeから出ていて、邦訳もこれに拠る。で、邦訳にある強調(宇宙、存在、シニフィアンなどの単語)はおそらくgalilée版からのものだろう(原文はイタリック体か? 手元にないので分からない)。lignes版では強調はなさそう。
 もう一つ、「美の新しいパラダイム」の章でマラルメの「骰子一擲」が引用されているが、lignes版ではフォントの違いが(忠実に?)再現されている。邦訳はそこまではされてないが(galilée版を見てみないとなんとも言えない)、まぁ邦訳だし仕方なかろう。
 そもそも『カオスモーズ』の邦訳自体、入手しづらい(古本は定価以上の価格になっている)。ガタリの著作はほとんど邦訳されているようなのだが、文庫化されているのは『三つのエコロジー』のみだし、それも絶版だ(私は定価の三倍で手に入れた)。ドゥルーズおよびドゥルーズ=ガタリが文庫化されているのだから、ガタリ単独も文庫化しませんか、河出書房新社さん?
 ちなみに邦訳旧版のカバーは本当に美しい。原著よりずっといい。

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