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障害者雇用で3ヶ月① 業務に変化

1ヶ月経つと業務は徐々に増えて、それまでは見学に留まっていた外線応対にデビューしていつ鳴るか分からない電話のそばでドキドキしたり、パソコンでExcelを使い細かな数式を加えたデータ処理なども任されるようになった。

2ヶ月目は先月教えてもらったことを思い出しながら、自作のメモを読み返しつつ自分でゆっくりと作業にとりかかった。
1ヶ月目の復習をしながら、そして先輩に確認をしながら一歩一歩進んでいく感じである。

私は慣れるまでどうしても時間がかかるのだが、周りはとても温かく迎え入れてくださるので、焦る必要もなくのんびりと、そして少しでも正確にこなせるようにと取り組んでいた。

それでもどうやら私は涼しい表情に見えるらしく、行動は悠長に映るらしいのだが当の本人は必死である。なんだかわからない責務を背負っているような大変そうな形相であるつもりである。
(日本語が変)


3ヶ月目に入るとすでに業務も2巡しているのでいよいよひとり立ちの時期である。

分からないことや質問もかなり減って、スピード感をもって取り組めるかが試される。身についてきたのを実感できる時期でもあって、がぜんやる気も沸き起こってくる。私は自己肯定感が低いので、こういうやる気は大変大事なのである。

なかでも月初は大忙しで、時間があっという間に過ぎていく。

外部のあらゆるところから請求書が届いて会計ソフトで手続きをしたり、それにともなってエクセルでデータ処理をしたり、人事部に配属されているのもあって退職者の書類やクラウド上のデータ整理だとか、中途採用の入社者に関連した資料・データ整理なども受け持つことになった。

数字とのにらめっこ、文字データとの我慢大会が続くので眼精疲労はまぎれもなくやってきて、肩はがちがちに凝るのだが、作業がひととおり終わるとなんだかふんわりとした達成感を抱くことができる。

これに加えて配送室に1日に3回通って文書を運んだり、呼び出し音がなるたびにビクっとする外線電話に出たり、何台もある加湿器がピーピーピーピー次々と鳴るので駆けずり回って水を補充したりと、月初はまあ活発なのだ。

それでも中旬になると請求書の処理はだいぶ減るし、データ・書類の処理も一息つく。

そのおかげで時間には徐々に余裕が出てきて、本当にこれでお金をもらっていいのだろうかと申し訳なさを伴いながら周りをキョロキョロ見回している。

いかにも挙動不審者である。

月の下旬に入ると単発の業務が多く、出てくるごとに追われてバタバタするのだが、それでも時間に余裕があって自分と向き合うことができる。

だからメモし忘れたことを書き直してみたり、先代の障害者さんが作成したマニュアルに手を加えたりと、次月に向けて戦闘態勢にメラメラと火がついて、万全の状態で月替わりに臨むのである。

月初はバタバタ、中旬に落ち着きを見せ、下旬は次月の準備というサイクル。

3ヶ月目でようやく慣れてきた。

おかげさまで、てんかんの発作は一度も起こっていない。

これが何よりも大きな収穫である。


ーーーーー続く

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