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障害者雇用で1ヶ月⑤ 担当社員さんとの面談

4週目に入り、採用面接を担当してくださった社員さんが声をかけてくださった。
ふだんから私を気にかけてくださっているのだが、ここいらでちょっと個室で面談をしませんかというお誘いだった。
いったい何を話していいのかさっぱり分からなかったためそれを問うと、気楽にお話でもしましょうとのことだった。

一般で採用された人にはこんな機会はないそうだが、障害者雇用の場合は定期的に面談をしているのだという。ガス抜きか、過去に溜め込んで辞めてしまった人でもいたのだろうかと逡巡しながらその日を迎えた。

にこやかに「どうですか」と聞かれた。なんと答えていいのか途方に暮れたので、正直に「まだ1ヶ月経ってないのもあって、教えていただくばかりで身についてないのでなんとも言えません」と笑いながら返してみた。社員さんは「あ、そうですよね」と相槌を打ったのち、今後の業務予定を説明してくれた。

私が配属された先が人事部なのもあって、3月に入ると社員さんたちは説明会で全国を飛び回ること、4月に入ると今度は新卒入社者の研修が始まること、それらが2ヶ月弱続き私たちとはほとんど社内で居合わせないため、面談も難しい、申し訳ないとのことだった。

私にとってはそんなに溜め込むようなこともないだろうと思いながら、「いえいえ!大丈夫です!」と元気よく答えた。

職場は雰囲気もいいし和やかだ。おそらく事前に私に発作が起こったときのことも面接で話した対処方法が共有されているだろう。(発作が起こってぶっ倒れても基本的に放っておいていただいてよいこと、それでも5分意識を失っていたら申し訳ないが救急車を呼んでいただきたいことを伝えていた。)

面談は20分くらいで和やかなムードで終えることができた。

何を言われるか分からなかったから私は相当に緊張していたのだと思う。終わるとどっと疲れが出て、お菓子とコーヒーでホッとひと息つく。

コーヒーを飲みながら、今後この社員さんがこの先数カ月は忙しいのに「なにかあったらいつでも言ってくださいね、あ、もちろん私に言いにくいことなら無理せずほかの方でもいいですし。」と最後に微笑みながら言ってくださったことを思いめぐらす。

つくづく思う。
いい職場に就職することができた・・・
よかった・・・


ーーー続く

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