障害者雇用 うまく機能する上下の構造
今働いている人事部は、障害者雇用の成功例だと思う。
というのも、組織がうまく機能していて、
総合職社員 → 障害者先輩 → 障害者下っ端(私)の順に指令が来て、
業務が終われば下から順に報告するという形態ができあがっているからである。
業務が発生すれば、まず総合職社員から障害者先輩に依頼が入り、
障害者先輩が総合職社員に「承知いたしました」メールを送ったうえで
障害者先輩が私に業務依頼を具体的に別途送ってくださる、という流れで回っている。
とはいえ障害者下っ端の私は何も知らないわけではなく、そもそも最初からメールのCCに入れてくださっているので、情報(指示)は先輩から聞く前にすでに私まですみずみと届いているし、障害者先輩も話が分かっている相手なので依頼をスムーズに進めることができる。
「つうといえばかあ」というやつである。
例えば新入社員研修用の大量の印刷業務では、
総合職社員から障害者先輩に依頼がおりてきて、
障害者先輩が私に実施命令を与えてくださるという流れだった。
ちなみに私はそのメールのCCに入っていたので、先輩が私にあらためて伝えに来られたときには心の準備はばっちりであった。
(想像をはるかに上回る膨大な量だったということは知るよしもなかったのだが。)
障害者先輩から私に届くのは、かなり細かくて具体的な指示内容である。
詳しい内容は現場を知っている障害者先輩のほうが総合職社員よりもずっとよくわかっているので、総合職社員もそのあたりをふまえて完全に任せているのだろう。
実際に先輩から私へのメールには、印刷するデータの保存場所や部数などといった詳細がびっしりと書かれていた。
私はその詳しい説明を受けたことで、初めての業務だったにも関わらずまるっきり問題なくひたすら印刷に取り組むことができたのだった。
ひと通り終わると今度は逆に、
障害者下っ端(私) → 障害者先輩 → 総合職社員 の順に報告され、依頼された業務は無事に完了することとなる。
なんともいえぬ効率的な機能である。
ちなみに総合職社員は私がコピー機と格闘していたのも見ていてくださったからなのか、お礼のメールは私はCCではなく、TOに「格上げ」して下さった。(笑)
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私になにか質問が出てきたら、総合職社員ではなくまずは障害者先輩に聞くのが礼儀であり、なにより粋である。
私はこれには全く不満はなく、むしろ効率の良い体制だと思っている。
たいていの質問は障害者先輩の回答で満足することができるので、障害者先輩から総合職社員に聞くことはめったにないからである。
まれに私の問いに対して障害者先輩が分からないことが発生したときは、私ではなくその先輩が総合職社員に聞いてくださり、聞いてきた内容を私に伝えてくださるという流れで機能する。
障害者下っ端 → 障害者先輩 → 総合職社員 の徹底した構造である。
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私がまだ勤務したてで右も左もよくわかっていなかったころ、
この仕組みが把握できていなくて、やらかしてしまったことがあった。
障害者先輩をすっ飛ばして総合職社員に直接聞いてしまったのだ。
その際に障害者先輩をCCに入れていたのだが、それを見た障害者先輩がすぐさま総合職社員に「自分が伝えておきますので」とメールで伝え、あわてて私にメールで回答してくださった。
(私は深く反省した)
この動向からも、障害者先輩はふだんから自分自身の立ち位置や役割を充分に分かっていて、
総合職社員の方々もそれを認識していて、
結果的に組織がうまく機能しているというのがうかがえる。
ときどき私が何の気なしに「どうすればパパっとすみますかね?」などと質問すると障害者先輩は、生来の性格もあるのだろうが、いかにすればより効率的な方法になるのか?と自分で真剣に考え込んでしまうことがある。
ときには「ちょっと考えるんで、回答は明日まで待ってもらえますか?」と今にも泣き出しそうな表情で言われることもある。
この一生懸命な勇姿を目の当たりにすると、
「総合職社員に聞けばあっさり解決するのにな」と思うこともあるのだが、
まあ障害者(私)の業務にはたっぷりと時間もあるし、
のんびりと待つのが障害者下っ端の私にとって一番最適な役割なのである。
総合職社員 → 障害者先輩 → 障害者下っ端(私)で成り立つ上下の構造。
組織がしっかりしていることで、障害者も効率よく、かつ安心して働けるのである。
ーーーーー続く
参考
「障害者雇用 日々つれづれ 印刷地獄」 https://note.com/epilab/n/n564f531b855d
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