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COぷち話3「こだわり行動の終えかたって・・」

こんにちは、支援教育コーディネーターのepiです。
さて、前回、特性のある子の「こだわり」についてお話ししました。
そっかー。そんなふうに感じてたんだね〜。
と、理解はできたものの。。

ずっとそれ、やってちゃ、、、。
睡眠時間とれないし、宿題だってできないし。ああーーー、もう!!

ってなっちゃいますよね。

では、「こだわり行動の終えかた」について、お話を。少しでも参考になれば^^
子ども一人ひとりによって、対応の仕方も違うのですが、比較的どの子も乗ってくれたのが、「一緒に」作戦です。

◆「一緒に」作戦

もし、保護者のみなさんに余裕があれば、「一緒に」作戦は有効だと思います。
ゲームでも、テレビでも、レゴでも、途中からでもいいので、保護者が一緒にやって楽しむ、そして、やめるときは一緒にやめるっていう方法です。
ポイントは、

①本気で一緒に楽しむ
②視覚支援をいれる
③できれば「時間」ではなく「◯点になったら」とか「これを作り終えたら」のほうが、成功率が高い

です。

パパ「お、ゲームやってるの?パパも一緒にやっていい?」

Aくん「いいよ〜^^」

一緒に楽しむ。(ここはぜひ全力で子どもと一緒に楽しんでくださいね!子どもが夢中になるわけがちょっとは理解できるはず!)

パパ「あ、パパさ、このあと仕事したいから、◯◯点までいったら(これクリアしたら)、おしまいにして、Aも一緒に宿題しようか?」

Aくん「いいよ〜^^」

(ここで、保護者は「約束した」と思い込んでしまうのですが、Aくんは約束だなんてこれっぽっちも思っていないことが多いです。)

パパ ⇛ A4くらいの紙に大きめに「◯◯点までいったらおわり。⇛パパは仕事、Aは宿題をする」と書く。

パパ「忘れないように、こんなふうに書いたよ」
といって、紙を見せる。

パパ「A、これでいいかな??」(ちゃんと紙を読ませて確認しましょう)

Aくん⇛初めて紙をみて、ちょっと考える。「うん、いいよ!」

 いいよ、とならない場合は、じゃぁどうする?と子どもと話してみましょう。1000点じゃなくて、1500点とか、言ってくるかもしれません。初めてのときはぜひ乗ってあげましょう。これは考える練習にもなっていますし、「想像力」の欠如の部分を少しずつ補う練習になっています。

パパ「よし!じゃぁ、◯◯点までやるぞ〜!」
Aくん「オッケー!!パパ、はやくやろう!」

◯◯点になったら、
「お!さっき一緒に決めた◯◯点になったな!今日はおしまいにして、パパは仕事、Aは宿題頑張ろっか!」
ここは、さっきの紙を指差して、見ながら言うっていうのがポイントになります。

Aくん「うん、わかった」⇛となれば、上出来ですね。

そんなときは、すかさず

パパ「おぉ〜、A、ちゃんとゲーム終わらせることできたなー。こうやってちゃんと終わらせられたら、明日も一緒に遊べそうだぞ〜。パパ嬉しいな〜。よし、仕事頑張るぞ!」

ちゃんと紙に書いたことを守って終わらせられたら、次にいいこと(次も一緒にあそべる)がある!と体験的に学ぶことができます。そして次の活動(宿題)にも前向きにスタートすることができます。

ちなみに、別バージョン。

「よし!さっき一緒に決めた◯◯点になったから、今日はおしまいにして、パパは仕事、Aは宿題頑張ろっか!」

Aくん「ええーーーー?!もっとやろうよーー。」

パパ「!!!」

ありがちですね〜。でも、パパさん、ここで「さっき約束したじゃないか!」と怒ってはいけませんよ〜。

パパ「そっかーー。楽しかったもんなぁ。もっとやりたいよなぁ。パパも同じ気持ちだよ」
(まずAくんの気持ちに、寄り添います)

パパ「でも、パパは、さっきAと一緒に決めて紙に書いたことを、Aと一緒に守るっていうことを、頑張りたいんだよなぁ。一緒に遊んで、一緒におわりにする、って、すごく気持ちいいだろ?」

Aくん「そっか・・」ちょっと譲歩してくれたら、

パパ「お、A、パパと一緒にちゃんとゲーム終わらせることできたなー。こうやってちゃんと終わらせられたら、明日も一緒に遊べそうだぞ〜。パパ嬉しいな〜。よし、仕事頑張るぞ!」

という流れです。
A君の自己肯定感を上げちゃいましょう!
そして、怒らなかったご自身のこともしっかり心でほめて、ご自身の自己肯定感も上げてくださいね!

ちなみに。
1回でうまくいくとはかぎりません!
いえ、むしろその確率のほうが高いと思います。
もし、終わりにすることができなかったら、怒るのではなく

パパ「そっか・・・残念だなぁ。Aと一緒に楽しく遊べたから、一緒に終わらせて、気持ちよく仕事したかったんだけどな。ちょっと悲しいな。」
と、残念で悲しいことを伝えます。
でも、A君を責めないで下さい。

で、

「じゃぁ、パパは仕事するよ。」

と、仕事を始めちゃいましょう。子どものことは放っておいていいです。

もしかしたら、そのあと、ちょっとしたらゲームをやめて宿題をするかもしれませんし、やめずにずっと続けるかもしれません。
どっちにしろ、
「パパとのゲームは楽しかった」
「パパは一緒にゲームを終わりにして、きもちよく仕事がしたかった」
ということは、A君の心のどこかに、ちょっとだけでも残ります。

それが、ポイント。

次の日も懲りずに同じことをしてみましょう。
2日目なのか、1週間後なのか、10日後なのかわかりませんが、きっと
「一緒に終わらせる」ことができる日がきます。

そのとき、すかさず
「一緒に終わらせることができて嬉しい」
「紙に書いたことを一緒に達成できて嬉しい」
「次のことを気持ちよく始められて嬉しい」

を感情豊かに伝えてみてください。

2回できても次の1回はできない。
5回連続でできたけど、3回連続でできなくなることもあります。
保護者のみなさんだって、声を荒げてしまうこともあるかもしれません。
でも、そんなことはあたりまえです。
もうそんなのは予想通り、と腹をくくってしまいましょう。

そして、とにかく失敗しても、またもう一回、と続けてみてください!

根気はいりますが、これができるようになると、お互いに、怒ることもなく、キレる必要もなく、ストレスなく、「行動を終わらせる」ことができるようになります。

すると、今度はパパと一緒じゃなくても、「自分で決めて、自分で終わらせる」が少しずつできるようになってくるんです。

「自分で決めたことを実行できる」というのは、私たちが思うよりも、ずっとずーーーっと、その子にとっての「自信」になります。
きっとその頃には、不機嫌な顔が、いきいきとした顔になっているはずです。

ここまで呼んでくださったみなさん。

なーーんだ。
そんなに時間もかかるし、根気もいるし、面倒くさいことなのか。

と思われた方も多いと思います。

でも、

でもですよ。

毎日のように、ゲームのたびに、
「30分やったら、終わりにするって言ったじゃないの!!」
「約束が守れないなら、もうゲーム禁止よ!」
「約束やぶったの、何回目よ!」
「もう、あんたの言ったことなんて信じないから!」
「もう知らないわよ!!」
と、怒っていたら、
その分、その子は自信をなくしていきます。

「うっせーな!」
「約束なんかしてねーよ!ママが勝手に言っただけだろ!」
「こっちだって、知らねーよ!」
モノを放り投げる、壊す、荒れる、、、etc.

売り言葉に買い言葉、なのですが、子どもの心の中は、「自信がなくて不安」なんです。不安を打ち消すために、暴言がでたり、モノに当たったりするんです。

こんなことを、これから何年も続けるのかと思えば、

時間もかかるし、根気もいるし、面倒くさいことかもしれませんが、少し頑張れそうな気がしませんか?

長い夏休み。

夏休みがあるのは、子どもたちだけです。
保護者のみなさんは、お仕事があるかもしれないし、給食がなくてランチも準備しなきゃならないし、家でごろごろしている子どもにイライラするし、、、と、いつもより大変な期間だと思います。
でも、

この長期休暇で、「行動を終わらせる」が少しでもできるようになったら。。。

きっと、
「あのとき、子どもと一緒に頑張ってよかった!」

と思えるはずです。

私は
こんなふうに、アイデアをお伝えすることしかできませんが、今を生きている子どもたちの、そして保護者のみなさんの、”にこにこ”が増えていくといいなぁと、心から思っています。

ではでは、また次の「COぷち話」でお会いしましょう❤

今日もステキな1日を^ ^

※追伸
今回、「こだわり行動を途中でやめるには・・」ではなく「こだわり行動を終えるには・・」という題名にしました。
それは、前回のぷち話でも書きましたが、「途中でやめる」は、この子たちにとって、本当に難しいことだからです。
なので、1つの事を、小刻みにしてあげて(たとえば5つにわけてあげて)、「その1つを終わらせる」というふうにしてあげるとよいですよ。
ぷち話のおしっこの例でいくと、3時間分ためたおしっこを、途中でとめるのは無理ですよね。だったら、1時間に一回トイレに行く(行動を小刻みにする)と決めて、1回分ずつしっかり出し切るようにする(1回の行動をおわらせる)と、ストレスないですよ〜
という感じです^^

ご参考までに♪


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