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Eat, Live and Love.

<マガジン味付>ジャンク☆☆☆☆☆ 甘さ☆☆☆☆ 外国で暮らしたときにみつめてきた風景や、瞑想に参加したときの記録・海外出産のときに目にした出来事などをストーリー仕立てでお届け…
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#ヴィパッサナー

キラキラ煌く、パパイヤ修行

その問答のあと、 なにかが解決したのかもよくわからなかったし、自分のなかで、 なにか理解につながったのかもまったくわからなかったけど ただ、そうか、そのまま瞑想に集中して、そのまま頭を真っ白にして、 そのままもしおしっこが漏れてしまったとしても 確かに、それでいいんだ。 もし万が一そこで実際、瞑想中にジョジョーと座布団が濡れたとしても 誰一人、そこで驚くひとも咎めるひとも、いなさそうでした。 何が起こっても不思議ではない神聖な場所。 誰かが泣き出しても、発狂し始めても

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漏れそうな、Formosa修行

瞑想というのは結構おもしろいアクティビティで 「なにもしない」という活動が、本当にいろんな学びを私たちに教えてくれる。 一番最初に10日間の沈黙とともに、朝から晩まで目を閉じて座り続けるのをやったとき、 「ああ、身体で哲学する」というのはこういうことなのか。 とわたしは瞑想センターを静かに歩きながら そよ風と空を仰ぎ、哲学のての字も知らなかったくせに そう思ったのでありました。 日に日に精神が澄み渡るように冴えてきて、それはまあ他にやることもないし デトックスが進むには違

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Formosa、麗しのパパイヤ修行 3

瞑想センターでは、泊まる部屋はたいてい相部屋になっていて、 小さいベッドがふたつある個室にてきとうに割り当てられます。 まず始まった第一の悲劇。 それは、 その一緒になった相手が例の日本語が話せるおばちゃんだったことです。 これは人々の親切心からの、 「日本語が通じないことで、わからないことがあっても◯◯がいれば大丈夫」 といったような粋な計らいで 最初はホッとしたのもつかの間・・・ 彼女は親切な台湾の人々のなかでも群を抜いて親切で、 普通に気のいいおばちゃんで

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Formosa、麗しのパパイヤ修行2

◯ さてほとんど丸一日かけて、 聖なる場所へと足を踏み入れる幕開けのカウントダウンが始まるころ どきどきしながら到着した場所は、 またこれ、ぱかっと開けたエネルギーの場所でした。 わたしは完全な無宗教なのですが 神社とか教会のような神聖とされる場所はたいてい好きで ただ、そういう場所はいつも一般のひとが 出入りできるようにはなっているので 浄化されつづけるけど、常に汚れつづける水みたいな感じかな。 これまで訪れた世界のいろいろな場所のなかでも ヴィパッサナの瞑想

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Formosa, 麗しのパパイヤ修行 1

その国はだいたいが暑かった。 バナナの木が生えており、道行くおばちゃんたちが、皆口を揃えてシャンジャオ、シャンジャオ、と 話しかけてくる。 辛気臭くなく、色鮮やかで、 人間の生きる力に満ちている国。 あるとき私はその国に旅行にいくかわりに、記憶によれば 島の真ん中あたりに位置していた、ヴィパッサナ瞑想センターにいました。 ヴィパッサナ瞑想というのは、 まあその名の通り瞑想をするセンターなのですが 世界中に施設が点在しており、それぞれの国で環境や食べるものは違えど 全く同

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フィジョワ、幻のフィジョワ⑤

④つづき 10日間の瞑想中 毎朝、毎昼、毎晩 食堂で交わされるのは、決して合わせてはいけない、視線 その、逸らした視線の先には テーブルに盛られた食事や そこにいる人々が皿の上に何を乗せて どんな風に食べて どんな服を着て どんな歩き方をしているのか? ひとことも言葉を交わすことなく、 同じ空間を共有する人間たちは そのなかで”気の合いそうな人間””気に入らない人間”に目をつける。 10日間の沈黙が明けた後、 その時空を共有した人間たちがどんな声を発す