見出し画像

経験則の言語化で、より強い職場に

この記事は

3月もよろしくお願いします的な感じで、お礼と挨拶を兼ねたショートコラムです。テーマは「経験則の言語化」です。

ぱちんこまけた

全ての原稿を月末までに納品し、2日ほどゆっくり休みました。

まあ、パチンコ打ってたんですけどね。

原稿を仕上げた解放感でハイテンションになっており、うっかり北斗暴凶星を4円で打ってしまい、普通に負けた。

「チョロ打ちすれば回るゲージ配列じゃね? ボロ儲けできちゃうんじゃね? 月30万稼げたら株の損失を取り(略)」的な。

当たりはしたものの単発で終了。飲まれて終わりでした。

まあこういう時はダメですよ。ええ。


唐突な自分語り

僕は基本的に言語の人間です。そりゃライターだから当たり前やろと言われそうですけど、昔は作文や日記、大嫌いでした。

社会人になっても定型化された仕事でミスを連発する。言われなくても分かるだろ!が分からない。「何も考えずに進める作業」でミスを繰り返す。

マニュアルの有無なんて関係ない。ダメなんですよ。

忘れられないのは、ディズニーランドの掃除をやってるとき。

朝礼後、決められた資機材を持ってエリアへ出ていくんですけど、なぜかそれを選ぶのに時間を要してしまう。ふと気づくと仲間達はとっくに出発しており、一人、ストレージ(倉庫)で固まっていました。

ピーアーク時代も「このポスター貼っておいて」と言われてるのに、なぜかとんでもなく時間をかけてしまう。理由はわかりません。身体が止まり時間がワープする。

然るべき場所で診断を受けたら、何らかの病名がつくんじゃないかな。


切り口と言語化

そんな中、自分の抱いている感情を言語化するのは得意だった。

ブログやら日記やら媒体の原稿やら、「定型化されておらず、輝くようなアイディアも不要。必要なのは切り口」でしょ。これは割と得意だなと20代中盤に気付きました。

難しいことを何とかして簡単に表現したい。細かい部分は間違っていても、全体として把握する言語化を諦めたくない。理解までに時間を要する頭の悪さを武器にできるんじゃないかと。

言語化の本質は「伝わること」だとするならば、正確性は二の次でもいいんじゃないかと割り切ったんです。

自分のフィールドは「言語化」だと悟った

でね。

経験則ってあるじゃないですか。

皆さんの仕事でも、人生そのものでも。

これをやったらこうなる、だからやる、あるいは、だからやらないと、経験をもとに、目の前の問題に答えを出す。

そんな経験則の「言語化」をおすすめしています。


経験則の言語化って何さ

経験則は自身の経験ゆえ強力。世間的には常識じゃなくても(あるいは古臭くなっても)確たる常識のように脳へこびりついてしまう。よほどの失敗をしないと更新できない。

間違ってるかも? と思っても、いや間違ってないと頑迷になる。

他人に対するダメ出しは息をするくらい簡単なのに、自分の経験を否定するのはアイデンティティそのものに関わるから超困難です。

昔、和モノの版権は稼働する!と言われました。今じゃ笑い話ですけど、当時はそう信じられていた。経験則として信じていた。華観月の頃かな。

しばらくして「和モノだからといって稼働するワケじゃないよね」とバレたのに、それでもしばらく和モノは売れ続けました。

不思議でしょ。そんな法則は無いと気付いても、導入機種を検討する際、他の有象無象な機種より、ほんのちょっとだけ上位に立てたんだよ。

当然、時代に合わない経験則の権化は経営を痛めます。

そこで言語化。


経験則を言語化することで得られるメリット4つ

経験則の言語化には4つの狙いがあります。

1.再現性を確認できるようになる
2.トレンドアウトを察知しやすくなる
3.他者へ説明しやすくなる
4.失敗を回避しやすくなる

経験則なんて井崎脩五郎の予想みたいなもんで、喋った瞬間に当たらなくなる。なぜなら、経験した時代と現在とでは状況が違いすぎるから。

つまり、経験則は再現性に乏しい。

画像引用・みんなのKEIBA

また、文書として残ってないから、話す人の都合で美化され変化しちゃう。

「経験上、次の牙狼はヒットしない」
 ↓
 大ヒット
 ↓
「他にライバルがなかったからヒットしたんだよ」
「前の慶次もそうだったよね」

この時、発言者の気持ちは〝的中〟です

外してるのにめっちゃドヤ顔。部下は呆れ顔ですよ。

経験則は明文化・言語化されていませんから、後出しジャンケンでどうとでも変更できてしまう。

な?俺の言ったとおりだろ?

当ってないのに無理やり〝的中〟を主張する人、あなたの周りにもいませんか?

経験則で出した予想は、失敗してるのに的中したことになってしまう。喋った本人の中でだけの正解。つまり再現性がない。競馬の予想ならそれでいいけど、事業戦略でこれをやったら危ないよね。上司や経営者がこのタイプなら会社は傾く。

だから言語化しましょう。

言語化しておくと、曖昧さ、言い訳の入り込む余地は大きく減ります。予想の不的中から逃げられなくなる。


経験則の言語化を実行し、プロ野球を変えた偉人

逆に、再現性を確認できた経験則は共有したいところ。言語化できていれば他者との共有も容易です。

再現できない時、すぐさま別の方法を考えられるのも言語化の良いところ。経験則に縛られた人が決して手に入れられない「別の方法」を迅速に検討できます。

これを野球に導入したのが野村克也。

ID野球の本質は「言語化された経験則の共有」にあります。毎日毎日ミーティングを開き、選手全員にノートを取らせた。彼らは今、監督やコーチとして大活躍しています。

東京五輪優勝監督の稲葉篤紀や、WBC優勝監督の栗山英樹も野村チルドレンですね。

今も「野村ノート」を読み返して活用する指導者は多い

経験則は老害のみにあらず。現代にも通じる成功の道を含む場合が多い。

・牙狼をライバル店は40台。うちは20台→惨敗
・20台と判断したのは、その前の牙狼が20台で成功したから→当時は地域最多だった→次回は台数ではなく地域最多を目指すべき
・マイナビで最も応募率が高かった際のデザインは〇〇
・連休明け最初の7の日にマルハン対抗イベを組むと集客率が高い

そんな感じでひたすらストックしていく。タグをつけてもいいね。検索しやすい。

売上を向上させる即効性もなければ、稼働を上げる魔法でもないけれど、行き詰まった時に読み返す「経験則集」なんてあったら読みたくない?

現代風にいえばナレッジマネジメントかな。個人でもできますよ。過去の自分と今の自分のセルフナレッジマネジメント。

Google Keep や Evernoteを使い、ビシバシ書きとめていけば、いつか宝物になること間違いなしです。自分もやっています。

個人ならともかく組織でやるには地道かつ大変なので、得意な人へ任せるのが吉かもしれません。

そんなことを思いながらスタートした年度末の3月。
今月もどうぞよろしくお願いします。

ここから先は

0字

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?