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パチンコ屋は何で勝負すべきか

パチンコホールの経営環境は厳しさを増している。それは(当たり前の話だけれど)ファンの減少、自店顧客の減少に起因する。集客策をイベントや入替に頼りがちな中、根本的な考え方をシフトせねば、今後やっていけないのではないか。

3年で劣化するダウン

ファストファッションを礼賛するつもりはないが、私のサイズまで購入できるユニクロは、控え目に言って最高だ。他人と同じ服を買える喜びは、デブにしか分からない。そんなユニクロ好きな私にとっても、以下の記事は、流し読みながら、ちょっと考えさせられた。

大衆娯楽の玉座は二度と取り戻せない

ユニクロのシームレスダウンは3年しか持たない! クソだ! という意見は分からんでもない。しかし、他社製品は4年持つけど10倍の価格ですとなったら、それ、ユニクロは本当にクソなのだろうか。

価値の尺度を時間(耐用年数)に置いたらクソなのかもしれない。しかし、価格÷時間というコストパフォーマンス型で評価したとき、ユニクロは他社の追随を許さぬほど優秀となる。他社は価格を持ち込まれると絶対に勝てないので、品質と耐用年数で勝負する。

転じてパチンコ。かつて、安近短の娯楽として日本中に広まった。安く・近場で・短い時間でも遊べると。今はこれ、ソシャゲ(ソーシャルゲーム。スマホのゲーム)の領域。無料から・ポケットの中・数秒から遊べてしまう。先日プロ野球開幕戦に行ってきたが、外野席なら3時間半で2000円しない。1パチ以下である。

我々は何で勝負すべきか

大衆娯楽の条件を安近短と線引きした場合、パチンコはもはや娯楽の王様へは戻れない。高い・遠い・時間のかかる娯楽であり、玉座は遠い。

現代パチンコは客に「無限の資金と時間的な余裕」を求めている。服でいえば完全オーダーメイドの洋品店だ。である以上、品質と時間で勝負するしかない。どれほど玉を出したって、価格でソシャゲには勝てないのだから。

もしも更に要素を加えるならば、アナログと現金の戻しだ。この二つはソシャゲで決して実現できない。敵のいないところで勝負するのは、弱者の基本である。

ホールには、もっと長期滞在型を指向してほしい。今の休憩室でいいのか、今の食堂メニューでいいのか、今の椅子でいいのか、今の空調でいいのか。そして、今のスタッフ対応でいいのか。

メーカーはメーカーで「○週間打っても飽きないように!やり込み要素!」などと馬鹿なことをやってないで、まずは12時間打って飽きない台を作ってほしい。

1日当りの没入時間と、それをもたらす遊技環境品質で勝負する。なんなら、ソシャゲをやりたければパチ屋へ行った方が快適、とりあえずパチンコ屋へ行くところから毎日は始まる、というくらいに。

長く ひたすら長く

我々は滞在時間で勝負する。一日の半分を没頭させうる娯楽、美味しい食事から綺麗なトイレまで、全てを一箇所で完結させうる娯楽は、身近にはパチンコくらいしかなかろう。

使う金額は今より増えることはないものの、同じ金額でも、1時間で帰っていた人が12時間滞在するならば、満席感は増す。来る人の数は同じでも、なかなか帰らなければ、繁盛しているように見える。

メーカーは全く対応できなかったのだから情けない。ホールの資金力に頼りっぱなしではないか。

設備投資する金なんてない

もちろん、設備面だけの話ではない。既にどのホールもやっているだろうが、1分長く居てもらうための、妄執のような、狂い死にしそうなほど徹底した工夫を求められる

昔からある「もっと出せ」という意見は、勝たせろという意味ではなく、長く滞在させろという意味に近い。「遊ばせろ」というやつだ。彼らは何十年も同じ台詞を吐いている。そう考えると、パチンコの本質は何十年も変わっていないのだ。長く、ひたすら長くホールに滞在することで、客は充足感を得る。

このブログでは今後全国を回り、1分を求める執念の工夫を紹介していきたい。

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