【詩】泣かないでエウロス

泣かないでエウロス泣かないで
涙の水が降ったなら
困ると人の言うのを聞いて
君はいつも涙を溜めた
優しき水瓶エウロスよ

泣かないでエウロス泣かないで
心の傷で泣かないで
君の寂しき泣き声に揺れ動き
雨より風は荒れ狂い
空は悲しみ燈を落とす

刺さった棘を抜くよりも
ここにとどまりあの日のように
木々と蝶蜂の歌をうたい
孤独ではない安らぎに
微睡み痛み癒やせばいい

泣かないでエウロス泣かないで
君の涙を飲むために
目を覚ましここへ
君の頬に触れ
君と再び歌うためここへ来た
蒼き空から人々へ
君と幾万の祝福の詩を降らすため
雨はかつてのように虹をかけ
大地に花が溢れるだろう
涙、君の喜びの涙によって!

君は傷つけられることはない
希望の風、
生命の水瓶エウロスよ
大地には子等の君を呼ぶ声
翼持ち上げる風が今満ちる
聴こえるかい、
愛しき涙の水瓶エウロスよ



あとがき

エウロスはギリシア神話の東風の神です。東風にルビで振るかなって思ってたけど字面、エウロスのままのほうがいいと思ったので…
この詩は、以前参加させていただいたHachi Octaviusさんの本に寄せるためにアネモイ四柱の詩を書こうと思ったそのインスピの切れ端のようなものから生まれました。結構長い間途中で放置してましたが本日仕上げました。西風の詩もあるけど(そのうち公開したい)、北風と南風は、書いていない。
おくたさんの本に参加しなければ書かなかった詩だと思うのです、詩を書く心を貰えるってほんとありがたいなって思う、だって書くのは楽しくて、とても美しいものを見ることができるから。あらためてありがとうございます!

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