【詩】少年の国

不道徳が枝分かれをして咲く薔薇を
甘い薬だと差し出されても
僕には要らない
毒のようなこの愛一つでいい
正義を裏切るときは
命じられてであってはならない
毒のようなこの愛がそうさせるとき
喜んで青い血を流そう

大人の国から人々は言う
混ざらなければならないと
理想と平安のため汚れ
汚れた後に首を垂れよと
無力を知って翼を捨てよと
愛など無いと知れ
天の国などないと知れ
神の国の約束の秘密を忘れてしまえと
君に言うのだ
君の堕落を望む者の国は
君の何を知っているのか

僕には要らない
毒と呼ばれるこの愛だけでいい
落ちた月星の銀砂を敷き詰めた庭に
不誠実の薔薇果は決して実らない
君の水の詩だけを集めて喉を潤し
皮膚も血も光り透き通るまで
称号も衣も要らない
毒と呼ばれるこの愛だけでいい

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