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映画をみる

 私はここのところ、映画は映画館でみることにしている。住んでいるところから、映画館は乗り物にのって30分はかかる。たまに、マイナーな映画が見たいとなると、東京まで遠征することになる。なので、見たい映画はしぼりこむことになる。最近、塚本晋也の「斬」の評判がいいので見たいなと思うけど、しばらく前に、見たい映画のために予定を立ててるのでどうだろう。地味そうだし、東京は遠いし、年末だし。

 最近は、パソコンで色々と簡単に見れる。先日は、アカデミー賞をとった「シェイプ・オブ・ウォーター」で気になったマイケル・シャノンが出てる「ドリームハウス 99%を操る男たち」を見た。映画は時事を扱っているのでちと古い、けど、今の煮詰まって白人男性を表現できる稀有な俳優さんの演技に感心する。楽しい。はずれであっても安いしね。

 それなのに、なぜ、私が映画館で映画をみるか。ホラーじゃないけど、ツタヤなんかの百円均一で大量にDVDをもって見てる行列をみると、それを作っている多くのひとの念を感じてしまってこともあるかも。でも、連続ドラマなんかには便利だったな。いいかげんなもんです。

 そうか、映画館という空間が好きなんだと思う。かつての映画館は、床にお菓子の袋がちらばってたり、閉まり切れない扉からトイレのにおいがぷーんと漂ったりした。昼間なんかだと、どうして生きているのかわかんない人も来ていた。今、清潔だし、きちんと管理されてるし、暑くも寒くなく快適だ。でも、変わらないものがある。真っ暗な映画館をでると見える空だ。そして、日常を送るせかせかした人々の姿だ。小腹なんかが減ってることに気が付いく。そんな下世話な中に、少し何かがうごいている瞬間のよろこびだ。


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