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お好み焼き

 お好み焼きの具、何が好きですか。私はイカ玉だ。なぜかというと、子供時代、市場の前で売っていた屋台のお好み焼きが一番おいしかったからだ。そこは豚といかのふたつがあって、追加で目玉焼きをじゅうっと、焼きあがったお好み焼きにくっつけてくれる。その音がたまらない。どうしても卵を足したかったので、安めのイカを食べてたんだけれど、油っぽくないイカの方がおやつ感覚なのだ。今思うと、あの安いお好み焼きが美味しかったのは、ただただ、市場で仕入れた新鮮なキャベツであったんだと思う。お好み焼きはキャベツがたいせつだと声を大にしていいたい。

 ところで、屋台の後ろはほこりっぽい児童公園で、市場に来た子供達でいっぱいだった。グレゴリ青山さんという漫画家さんのマンガで、バイト先の女の子と町で飲んだ後、終電に遅れてその公園で一晩語り明かしたとあって、なつかしかった。あの人が多い、がちゃがちゃしたアジアっぽい感じもおいしさの秘密だったんだなあと思う。彼女の京都のわかものの日常をえがいた「薄幸日和」もいい味だしてる。読んでみてください。

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