喫茶店 かつての日々
私のすきなものはみんな喫茶店のメニューだと夫に言われた。昔風のホットケーキに、アイスコーヒーにナポリタン。こどものころ、日曜日の朝、父に近所の喫茶店に連れて行ってもらうのが好きだった。古い街道のなごりのあるくねった細い道のどんつきの喫茶店、わかいけど、司祭のような店長がいた。たぶん、イギリスのパブってあんな感じかな。商店街のひとびとが、ほっと一息ついて、新聞の記事やうわさ話をしていた。父もなごんでいたのではないかな。ある日、店長が梅田で店を出すのだと知って、だんだんと父は行かなくなった。でも、それからも少し変わりつつもあの店はあった。けっして、有名ではなく、平凡だけど、きちっとしたコーヒーを出す店であり続けた。ありがとう、みんなを励ましてくれて。
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