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今の金融市場における日銀の見解

先日5/9月に日本銀行にお勤めの方による講演に参加してきました!
講演テーマは「日本銀行の役割」だったのですが、ここでは講演後の質疑で私が印象に残った部分をシェアします。

新札切り替え時のデノミの可能性は?

2024年に新札に変更されるが、通貨の交換比率は変わる可能性はあるか?という質問に対し、「等価交換です」とキッパリおっしゃっていました。
この点は個人的には安心しました。


今の物価高は日銀の目指す物価高ではない

日銀は前年比物価上昇率+2.0%を目標として掲げています。今年4月の会合で2022年度の物価上昇率1.9%に引き上げましたが、これについては
ウクライナ情勢によるエネルギー資源の高騰化に伴う物価高であり、『日銀の目指す在り方ではない。』とおっしゃっていました。
日銀の目指す物価高の在り方とは、『賃金も上がって物価も上がる』という形なので、賃金が上がらない現状での物価上昇は、日銀の目指す物価上昇と認識しない、とのことでした。

円安と金融緩和はいつまで続く?

ドル円いくらになったら利上げ調整を行いますか?という質問に対し、
「具体的な金額を述べることはできない。」と前置きしましたが、
「アメリカの利上げは物価上昇だけでなく、賃金上昇も政策転換した理由の一つである。日本の景気が回復していない現時点では金融緩和は継続する方針としている。」
と回答されていました。

講演の感想

まず、2024年の新札切り替えにあたり、色んなところでささやかれているデノミについて、日銀としてはデノミを意図した切り替えではないことを明言されたのは個人的には安心しました。
デノミとは、例えば新札1万円を現札2万円で交換する、という意味です。

日本の景気が潤うまでは金融緩和を継続する方針であることも、日銀のスタンスが明確になりました。円安で輸入に苦しむ企業は多いことも認識しつつ、個別企業への対応は日銀というよりは地方銀行が担うものでもあると感じました。日銀としては、各銀行には経済を回すために日本企業を支えてほしいという狙いがあるので、各銀行で企業への融資をさらに積極的に行っていくことが求められているのかなと思いました。

日銀の成り立ちは明治時代から始まったようです。
明治初期は政府と国立銀行がお札を発行していたところ、西南戦争の戦費調達で急激なインフレが起こってしまい、結果、政府と銀行を切り分けるために日本銀行が開業されたとのこと。

物価の安定を図ることを通じて国民経済の経済の健全な発展に資する
が、日銀の理念です。

この理念のためには、日銀の政策だけでは成し得ないことを今回の講演で実感することができました。

貴重な機会をありがとうございます。

今後の国内株の投資方針

円安が今後ますます続くのであれば、
引き締めを強める欧米vsまだまだ緩める日本
の構図が益々顕著になるので、
いつかは「日本がお得」と感じてもらえる時期が到来するでしょうか…。
そうなるならば、海外投資家にとって魅力的にうつる国内銘柄はチェックしてみようかと思いました。
ただし、日本政府の政策と日銀の政策が必ずしも一連托生ではないので、今後の政府の発言にも要注意ですね。

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