見出し画像

完全食

テーラメイド食品とは違う方向性であるものの、今後需要が広がり続ける可能性のある「完全食」について考えていきたい。

実は「完全食」という言葉は、1921年から提唱されているものらしい。当時の定義は、「芽の生える玄米をはじめとした植物類や、動いている動物など、まだ生きている食物を完全食と呼んだ。」(Wikipedia 完全食) とのこと。昔は命が宿っている状態の食物と定義していたようで、今とはだいぶ意味が異なり、科学の進歩・歴史を感じる。

現代の定義だと、厚労省「日本人の食事摂取基準」に定める必須栄養素を過不足なく補える食品のことを完全食としている。

実際にいくつかメーカーでドリンク、グミ、パスタという形態で商品化されているようだ。

COMPという完全食を販売している会社では、「寝食を惜しんで仕事や趣味に没頭する人をサポートする」とのメッセージが発信されており、ターゲット層が明確な印象を受ける。一定のニーズがあるのだろう。

ただここで疑問が生じる。

・毎日食べて飽きないのか?

気になって少しググってみると、1ヶ月もすれば飽きるとの情報が出てくる。勿論、完全食で手軽に一日に必要な栄養価を取るスタイルがしっくりくる人もいるだろうが、多くの人は「食」に対して「楽しさ」を求めていると思う。毎日ずっーと同じ献立だとその「楽しさ」が大幅に減るだろう。

ゆえに完全食は今後も一定のニーズはあるものの、爆発的には流行らないと思うわけだ。

話しが変わるが、ふと、あるアニメの一場面を思い出した。

近未来SFアニメである「PSYCHO-PASS」で「ハイパーオーツ」という極めて高い収穫効率を持つ遺伝子組み換えの麦が出てくる。このアニメでは、日本において食卓にならぶ食品の 99% がこのハイパーオーツから作られた加工食品となっており、単一種に頼る食糧体制になっている。しかも、このハイパーオーツは栄養価をコントロールできるという恐ろしい利点を持っている。

一品種に頼るということの脆弱性など色々と突っ込みどころはあるかもしれないがが、高栄養価の作物を農業用ドローンを使って効率的に生産する未来は容易に想像できる。

さらに遺伝子組換え技術であるCRISPR-Cas9という飛び道具を使えば、麦の品種改良は容易だろう。アニメ中には、全自動化?されていると思われるシーケンサー的なの出てくる。笑

つまり「完全食」ではなく「完全作物」なるものが日本の食のベースになる可能性が高いと酵素道は考える。勿論、多様性の面から、単一種は有り得ないが。

そしてこの「完全作物」を用いて「テーラメイド食品」が作られる未来が来るのではないだろうか。。

このような掴みどころのない話を誰かと議論したいなと思う日々。

次回のテーマは考え中。(もう少し専門的な話しにしようか迷い中。論文のレビューもありかな。)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?