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マウントおじさんホイホイなのは、私なのかも。

普段、外資テック企業のなかで暮らしていると、うっかり甘えて忘れがちなことがある。一歩外に出ると世間には「女性には何か教えてあげるべきであると」信じて疑わず、スキあらば教え魔になるマウントおじさんがいっぱいいるんだったーーー!!!ということ。

マンスプレーニング(Man-splaining)、すなわちMan(男性)がExplain(説明する)という造語もあったりするくらいなので、割とユニバーサルな現象なんだろう。

今回、町家プロジェクトを始めるにあたり色々な方にアドバイスを頂いている。本当に勉強になることが多くて、彼らなしにはこれは前には進まない。ただただ、良いものができるといいね、という願いで応援してくれているようなケースばかりで、いつかお返ししなくてはいけないけど、今は一方的にありがたく受け取ってしまっている。

一方で、はじめてみて気がついたのが、ちょいちょい現れるキャラの存在。

「ワカメちゃんさ、そんな考えじゃ全然甘いよ。XとYとZ、考えた?」
「まだでしょ。やばいってほら〜、ファイナンスとかわかりゅ?」
「もう俺、すんごい心配。ワカメちゃんこのままじゃ事故るよ!」

みたいなことを言う人。あれ?そうなのかな?と思って調べていくと、指摘されている事項は実は私の案件とは関係ないと判明したりする。もちろん有用な情報が含まれていることもある。

善意で言ってくれているのはわかるし、誰しも完璧じゃないから指摘が多少ずれてるのは全く気にならないのだけど、本当に必要でした?その脅迫めいたトーンとマウントポジション、とは思う。そしてなぜかそれは、中年男性からやってくる。(もちろん、性別はたまたまかもしれない。そして、受け手側である私が相手の性別に反応して必要以上に卑屈になっているとか、相互作用的な問題もきっとあると思う。実際、家事や季節行事みたいな話題では、高齢女性からものすごく圧迫感を感じることもあるから男性だけの話ではない)

でも、ここ数日、立て続けに男性にマウントを取られた後に私は思う。

「これ、ソロキャンプを邪魔される女子と同じやつだ。」
「20代の頃よく周りにいたおじさんたちだ。久々!」

仕方がないので、私は彼らがマウントポジションに入った気がつくと右から左に受け流すモードに切り替える。あるいはオート・キャバ嬢モード。

「そうなんですねー」
「さすがー」
「ご指摘ありがとうございまーす」
「わぁ、気がつきませんでしたー」
「やっぱり、経験値が高いと違いますねー」
「確認しまーす」

語尾を伸ばしながらやりとりをしているうちに、大抵は相手が「やべ!俺明日早いんだった。今日はこれくらいで勘弁して」となどと言って消えていく。

彼らがいなくなったあと、好きでもない相手から振られた時のような不思議な感覚が残る。そしてもしかしたらマウントおじさんホイホイなのは私なのかもしれない、と一人反省会をする。だって、多分彼らは、本気で「自分は善意で教えてあげていて、無償で情報提供しているだけだ、忙しいのに」と思っているはずだし。

もしかしたら、もっと全身に刺青を入れて、モヒカンにして黒い革ジャンしか着ないで生きていたらそんな人は寄ってこないのかもしれない。あるいは寄って来たとしても、「心配です」とか気持ち悪いことは言ってこない気がする。「心配です」って、自分と対等で自立したまともな人間には言わないですよね、相手が病気とかじゃない限り。「これ、ぼくの専門領域なので言うんですけど、多分検討しておいたた方がいいですよ」って言えばいいだけで。

私が、ゆるふわな感じで生きている(?)から、舐められるのかもしれない。でも、(モヒカンタトゥー革ジャン以外に)他にもっと良い対応方法ってあるんだろうか。例えば、不自然なくらい無言になって、そのあと不意にぶつぶつと謎の呪文を唱え出すとかすれば、彼らはきっと去っていきそうだけど、大事な何かを失うような気もするし。

ちょっと対策を考えなくちゃいけないと思った出来事。ワカメは40過ぎてから、世間を勉強し直している秋の入り口にいます。

ということで、モヒカンタトゥー革ジャンと呪文以外の方法があれば教えてほしい。「心配」はいらないから、やり方を。

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